サモンナイト3“剣製の魔術師”第十五話


サモンナイト3“剣製の魔術師”第十五話

最後にマルルゥちゃんに連れてこられたのは、機界「ロレイラル」の集落「ラトリクス」だ。

そこには・・・

ビル!

ビル!!

ビル!!!

正しく、東京の都心部のようなビル群が建ち並んでいる!

しかし、何処か閑散としているなあ・・・。

「すごいですねぇ!私が暮らしていた帝都「ウルゴーラ」にも、大きな建物は無かったですよ。」

目を丸くして喋るアティさん。

そういや、アティさん達を見ていると、科学技術はそれほど発展していないようだったな・・・。

「青服さんは驚かないのですねえ?」

マルルゥちゃんは不思議そうに俺に尋ねる>ビックリする顔を予想していたらしい。

「ああ、俺の世界は、ここまで発達してないけど、これに近いビル群が建っている場所があるからな。」

そう答えると、変な顔をする二人・・・。

何か変な事、言ったかな?


「「風雷の郷」みたいな場所もあるんですよね?」

ええ、アティさん、ありますよ。

「青服さんの世界ってどんな世界なのですよね?」

「「謎です?」」

?????

そんなこと言ってもなあ・・・・。

「所で、ここの人たちは?」

「ああ、ここの皆さんは、工作がとーっても得意なのですよ。」

と、俺の質問ににこやかに答えながら、指を指すマルルゥちゃん。

そこには

「01DFAC・・・、AB0CDD」

えっと機械に見えるんですけど・・・。

機械が、壊れかけた建物を補修している。

「あの皆さんが、「ラトリクス」の住人さんなのですよ。」

なるほど

そう言う者だと“認識”しておこう。

どうやら、この世界の人も俺の世界観と、離れてるようだしな。

「ねえ、マルルゥちゃん、あれはなんですか?」

アティさんが指を指した方向に、作業機械がパイプやコードを繋げている。

「ああ、あれはご飯を食べてるのですよ。」

「ご飯ですか???」

マルルゥちゃんの答えに、さらに不思議そうにしているアティさん。

まあ、この場合、「補給」と言ったほうが良いかもな。

「機界の皆さんはビリビリや、黒い水をご飯にしてるです。
あそこに行けば、何時でも、好きなだけご飯がもらえるです。」

多分、ガソリンと電気だな。

アティさんも補給のための施設って解ったようだ。

「ここの護人さんは、メガネさんですね。」

そう言いながら、市内に入っていく。

そして、俺達はこの都市群の中心「リペアセンター」に通された。

そこには、看護婦の(そう見える)格好をした、黒髪の少女が玄関ホールで待っていた。

「当施設に、ようこそいらっしゃいました。
従軍看護用機械人形(フラーゼン)形式番号AMN−7H“クノン”と申します。」

自動人形(オートマター)か!?

何処か無機質な感じがあるが、すごいな・・・。

感心する俺。

「以後、お見知りおきを、アティ様、シロウ様。」

あれ・・・俺の名前?

「アルディラ様からデータを戴いておりますので。」

へえ・・・。

「アルディラ様の、身の回りのお世話をするのが、今の私の存在意義なのですが、本来は、ここの設備と連動して、医療看護を行う目的で、作られております。
怪我や病気の治療が必要でしたら、どうぞご利用ください。」

どうもご親切に・・・。

「あ、私も医術の勉強していた事があるんですよ。」

そういや、アティさんそんな事言っていたな。

「・・・・。」

それに無反応のクノンちゃん。

「どうしたの?クノンちゃん?」

「どうぞクノンと及びください、シロウ様。」

機械的に言い返すクノンちゃん。

しかし、なんか物凄くプレッシャーを感じるのは俺だけか!?

「・・・・・・。」

「わ、解った、クノン。」

思わず折れちゃいました(爆)

「ともかく、よろしくお願いします。」

「は、はい・・・、よろしくお願いします。」

「此方こそよろしく、クノン。」

「それでは、アルディラ様が「泉」でお待ちですから、お戻りください。」

丁寧な言葉でおっぽり出される、俺達。

何か俺達、悪い事したかなあ・・・。

憮然としながら、町の外に出ようとした瞬間。

「!?」

「青服さん、どうしたですか?」

何か、呼ばれたような・・・?

そう、あのスクラップが置いてある一帯から・・・。

しかし、直ぐそのような気配がなくなる。

「いや・・・、気のせいだよ。」

こうして俺達はラトリクスを出て、アルディラさんたちが待っている場所に戻る事にした。

その泉に向かう途中

あれ?この奥にも、まだ道があるみたいだな?

「なあ、マルルゥちゃん、この向うには何があるの?」

そう、何か変な建物が見えるぞ・・・。

強い魔力を感じる建物が・・・・。

「え?あ、えーっと、それは、そのぉ、うううぅ・・・。」

困った顔をして口篭るマルルゥちゃん。

何か困った事を質問したらしいな・・・。

「まあ、とにかく、行って見なくちゃ解りませんね。」

と言いつつ、そっちに向かおうとするアティさん。

駄目ですって!!

「?どうしてです?」

マルルゥちゃんが困っていますよ?

それに、俺達はまだ「お客さん」なんですよ?

「ソウダ・・・。」

背後からファルゼンさんが来る。

「ファルゼンさん?」

「ソレニ、ココカラサキハ、キケン、ダカラナ。」

やはり、何かあるな・・・。

そうしている内に、フレイズさんも羽ばたきながら降りてくる。

「その奥にある遺跡の周りは、亡霊たちの溜まり場になっているからですよ。」

亡霊・・・か・・・。

「先の戦争で、死んだ者たちの亡霊です。」

フレイズさんの説明は続く

「遺跡とは、この島が実験場だった頃の管理施設の事です。
当然、もっとも激しい戦いが繰り広げられた場所でもあります。」

・・・もしかして・・・「喚起の門」・・・か?

「カレラハ、イキルモノスベテニクンデイル、ワレラノ、コエニサエミミヲカサヌ・・・。
ワレラモリビトデサエ、ムダンデチカヅイテハナラナイ、バショナノダ。」

・・・うん、嘘は言っていないな・・・、隠してるけど。

まあ、もっと親密になれば、教えてもらえるかな?

と思いつつ俺達は、泉の方に向かいだした。

(続く)




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