サモンナイト3“剣製の魔術師”第十三話


マルルゥちゃんの案内で、水晶がニョキニョキ飛び出している場所に来た。

「ここがサプレスの皆さんが暮らしている“霊界の集落で”すよ。」

と言いながら、マルルゥちゃんはニコニコしながら、俺とアティさんの周りを飛んでいる。

「「狭間の領域」って呼ばれてる、一寸不思議な森なのです。」

へえ・・・。

確かに、魔力が渦巻いているような感覚がするな・・・。

「なんだか、寂しい所ですね・・・。」

「そうですね・・・。」

アティさんの言葉にうなずく。

「サプレスの皆さんは、お日様よりも、お月様の方が、好きなのですよ。」

・・なるほど、月は魔力があるって、確か遠坂が言っていたよな。

「だから、ほとんどの皆さんは、昼間は出歩かないです。」

なるほど

マルルゥちゃんの説明にうなずく、俺にアティさんが補足してくれる。」

「サプレスの方たちは、この世界では常に魔力を消費しているのです。
月の光はマナが豊富ですから、その方が過ごし易いんでしょう。」

なるほどね。

俺は「月の光を丼に溜めて、かっ食らっているアルトリア」を思い浮かべてしまった。

何でだ!?

「此処の護人さんは、さっき言った通り、ヨロイさんです。」

そう言ってから、マルルゥちゃんは奥に案内してくれる。

「しかし、詳しいね?」

と質問する俺に「それ程でもありませんよ」と、ニコっと笑い返すマルルゥちゃん。

「此処が「狭間の領域」で「魔境の台地」といわれてるとこです。」

すごい!!地面が水晶でできている!?

驚いている俺とアティさんに、近づいてくる人が見える。

端正な顔立ち、金髪碧眼、羽?

・・天使ですか?

「私たちの領域へようこそ。」

「貴方は、たしかフレイズさん?」

アティさんが覚えていたようで「最初に会った人です(アティ)」、金髪碧眼さん、もといフレイズさんにの言葉に答える。

「覚えていてくれたとは、恐縮ですね。
で其方の方は?」

「あ、俺の名前は衛宮士郎です。
よろしく、フレイズさん。」

「エミヤ・シロウですか?」

「シロウと呼んで下さい、フレイズさん。」

分かりましたと答えるフレイズさん。

「改めて、正式に名乗りましょう、私はフレイズ、貴方達が、天使と呼ぶものです。
冥界の騎士ファルゼン様の副官を務めています。」

フレイズさんは、改めて俺達に自己紹介をしてくれた。

やはり天使か。

魔力が“英霊”とはいかないが、遠坂に近い保有量を持っていそうだな・・・。

だけど、この世界では、たえず消費してるから、100パーセント力を発揮できないのかもな・・・。

おそらく、ファルゼンさんもあの鎧で、魔力の消費を抑えているんだろうな・・・。

「いかがですか?私達の領域を見た感想は・・・。」

「綺麗で、不思議な場所ですね。」

「そうですね・・・、とても不思議な場所です。」

フレイズさんの問に答える、俺とアティさん。

実際、不思議だよなあ。

“無限の剣製”の中とは違うけど、なにか心を締め付ける・・・。

そんな感じがする場所だ。

「人間のあなた達には正直、理解しがたいでしょうね。
マナによって肉体の大半を構成している、精神生命体・・・。
それが、サプレスに暮らす者達です。
ゆえに、文化もまた独特ですから、あなた達と話か通じるものは、あまり居ないでしょう

ね。」

と説明してくれるフレイズさん。

なるほどね、聞けば聞くほど、精霊、サーバンド、使い魔に似ているな。

「何か相談があれば、私を訪ねてください。
ファルゼン様の体は、言語を用いる事に余り、適しておりませんので。」

と微笑みながら言うフレイズさん。

・・うん、この人も良い人だ。

「「ありがとうございます。」」

俺とアティさんは思わずお辞儀をしてしまった。

それでは、とフレイズさんは言ってから、羽を広げて飛び立っていった。





「・・・・・・・。」

「あう・・・・・。」

俺とマルルゥちゃんは、ぼーぜんと、目の前にいる「二人のアティさん」を眺めている。

まあ、二人とは言え、髪の色、目、服装の色が対象だが・・・・。

「いい加減に、私のマネするの止めて下さい!!」

「イイカゲンニ、ワタシノマネスルノヤメテクダサイ!!」

「ううーーーーっ。」

「ウウーーーーッ。」

まあ声も違うから、一発で分かるけど・・・。

この人?かな?誰だろう?

とその時、フレイズさんが飛んできて、青アティさんの頭をコツンと叩く。

「フギャ!?」

「いい加減にしなさい、マネマネ師匠。」

マネマネ・・・師匠?

「すいません、彼は、他人を真似てからかうの大好きな幽霊なんです。」

幽霊・・・?

まじまじと見ると、確かに人間と違うような気がする。

「ソノトオリ!ワシワ、霊界一ノモノマネ名人マネマネ師匠ジャ!」

胸をそる、マネマネ師匠。

「確かに、言うだけあって、見た目はそっくりかも・・・。」

え?

・・・一寸、アティさん?

そっくりですか?

やはり、アティさんは何処か、「一寸」変かも・・・?

その後、マネマネ師匠にモノマネ勝負をさせられ、(普通逆だろ・・・)っと突っ込みを心

の中で入れつつ、台の上で必死にマネマネ師匠の踊りの真似をするアティさんを、俺とマルルゥちゃんは眺めていた。

結果は・・・

「カーッ!ナットランッ!!」

「うう、なんだか、とてつもなく悔しいです・・・・。」

思わず突っ伏すアティさん。

「イツデモアイテシテヤルゾ!!」

カカカ!!と高笑いをしつつ、去っていくマネマネ師匠。

「えーっと、気にしないで!!ドンマイ!!」

励ます俺に

「うう・・・・。」

うなだれるままのアティさん・・・。

数分後・・・

「まあ、一応、仲良くなれたって事でしょうか?」

・・・そうですね。

アティさんってやっぱり天然か?


「それじゃ、今度は「風雷の里」ですね、あそこはマルルゥも大好きで、いつも遊びに行ってるですよ。」

マルルゥちゃん、嬉しそうだな・・・。

「こっちですよー♪」

と、マルルゥちゃんの案内で小走りに「風雷の里」を目指した。

(続く)




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