サモンナイト3“剣製の魔術師”第十二話


っと言うわけで、まず訪れたのは幻獣界、メイトルバから連れてこられた人達が住む、「ユクレス村」だ。

「マルルゥも此処に住んでるですよー♪」

と、緑色の髪をツインテールして、ホバーリングしてる、マルルゥちゃん。

へええ。

森が開けて、野原や大きな木が見えてきた。

・・・何だ?あの「この木、何の木、気になる木」より大きな木は?

「ああ、あの木は「ユクレス」て言います。
お願い事を聞いてくれるんだって、シマシマさんが言ってたですよ。
で、その木の名前から、此処は「ユクレス村」って名づけたです。」

なるほどね・・・。

確かに、この木には周囲とは違う「何かがあるような気がする。」

まあ、俺は遠坂と違い、探査系は鈍いからなあ・・・。

剣に特化してる”魔術使い”には詳しく解らないか・・・。

「・・・どこか、故郷の村に似ている気がしますね・・・。」

へえ、アティさんの故郷ってこんな感じなのか。

「ええ・・・、もう十年近く帰っていませんけど・・・。」

少し寂しそうに笑うアティさん。

・・・何か事情がありそうだな。

「先生さん、青服さん、この村を気に入ってくれたですか?」

確かに良い村だな、のんびりしてそうで・・・。

そう思って俺は、マルルゥちゃんにうなずく。

アティさんも同じみたいだ。

「良かったですよー♪」

クルクルホバーリングしながら回る、マルルゥちゃん。

・・・・目が回らないのかな?

「此処の護人さんは、シマシマさんなのです。
シマシマさんのお家は、あそこですけど、いっつも、さぼってどこかでお昼寝してるのですよー!」

は・・・、はははは(苦笑)

まあ、今日は「待ってる」って言ってたから、居るんじゃないのかな?シマシマさん、いやヤッファさんは。

「だから、マルルゥが付いていないと、ダメなのですよ・・・。」

こんな事、マルルゥちゃんに言われる、普段のヤッファさんって(汗)

・・・確かに、やる気なさげな態度だったからなあ・・・(汗)

「じゃあ、シマシマさんの所に行くです。」

付いてきてくださいと言った、マルルちゃんの後を付いていく。

周囲から、恐々と視線や突き刺すような視線を感じる。

やっぱり警戒されてるんだなあ・・・と思いつつ。

ヤッファさんの家に着いた。

ヤッファさんは、家の前で腕を組んで待っていた。

「おう、よく来たな。」

澄んだ低い声で、喋るヤッファさん。

中に案内される、俺達。

「きたねえ所で悪いがよ、楽にしてくれや。」

中は、一寸汚いが、気になるほどでもないぞ?

ヤッファさん掃除でもしたのかな?

「マルルゥが掃除したですよ・・・。」

そうですか・・・。

「他の連中から聞いたとおりだ、あんた達との交流・・・
まあ、納得できねぇもんじゃねえしな。」

さらっと俺とマルルゥちゃんの会話を無視して、アティさんに話すヤッファさん。

「ま、俺としては、めんどくさい事にならなきゃ、それで良いって訳よ。
変に気張らずに、気楽にやっていこうや。」

めんどくさがり屋だろうけど、良い人っぽいな、ヤッファさんって。

お礼を言って、頭を下げる俺とアティさん。

「じゃあ、ゆっくりと見てけや。」

「又、後で集いの泉でな」と言う、ヤッファさんと別れた

で今度は、大きな木「ユクレス」に案内される。

「おーい、マルルゥー!!」

ん?マルルゥちゃんを呼ぶ、子供の声が聞こえる。

ユクレスの木の側、ユクレスの広場という所に来ると、男の子がマルルゥちゃんに駆け寄ってくる。

?なんか、メイルトパの人と違うような・・・?

「おっす、マルルゥ、そいつ等が、母上たちが言ってたニンゲンか?」

「むー、ヤンチャさん、ニンゲンなんて言い方、失礼ですよー?」

俺達に興味津々に見つめながら、マルルゥちゃんに話しかける男の子。

ソレに対して、マルルゥちゃんは、メっとばかりに、男の子に注意している。

「青服さんと、先生さんのお名前は・・・・、あや?あややや!?」

・・・マルルゥちゃん?

「アティですよ、此方の人が。」

頭を抱えるマルルゥちゃんに見かねたのか、アティさんが名前を名乗る。

「俺の名前は、衛宮士郎だ。」

俺も名乗る。

この子まで、”青服さん”じゃ悲しすぎるからな(泣)

俺達が名乗ると。

「なんだい、変な名前。」

・・・そうかな?

「ヤンチャさん!?」

注意するように叫ぶ、マルルゥちゃん。

それを聞いて、うんざりげに言い返す、男の子。

「おいらの名前はスバル、いい加減に覚えろよ、マルルゥ?」

スバルって言うのか、この子。

「意地悪ですよぉ、マルルゥが、お名前覚えるの苦手って知ってて・・・。」

いや、それはもう充分わかってるぞ、マルルゥちゃん。

「スバル君、ですね、君は鬼の子なのかな?」

よく見ると、確かにアティさんの言った通り、スバル君の頭に角が見える。

「おう!おいらは、鬼神の血を引く一族の末裔なんだぞ!」

へえ、”鬼神”か・・・。

確か、”鬼妖界・シルターンの人達だっけ?キュウマさんも確か鬼だったよな?

「あ、ヤンチャさん、ワンワンさんとは一緒じゃないですか?」

「あっち・・・。」

スバル君の指差した方に木があり、そこには・・・。

「う・・・・。」

顔が犬の男の子?

うわああ、もこもこだぁ。

つぶらな瞳で、こっちを見てるよ〜〜。

・・・こほん。

えっと、アティさん?

「なんですか?」

「あの子は?」

「ああ、多分亜人の子ですね。」

「亜人?」

「はい、ヤッファさんも亜人です、ただ種族が沢山あるので、どの種族かは解りませんが・・・。」

へええ、さすがアティさん、博識だなあ。

俺達二人が話しあっている所を、遠くから眺めている亜人の子供。

「ニンゲンは怖いから、近づきたくないってさ。」

「怖くなんか無いってば!!」

スバル君の挑発に、思わず叫び返す子。

けど、へっぴり腰です(苦笑)

そんなに怖がらなくてもいいのにな・・・。

「だったら、チャンと挨拶するですよー。」

「う・・・・。」

マルルゥちゃんの言葉にも、言葉が詰まるだけ。

・・・怖がられてるなあ・・・。

「君は、亜人の子かな?」

「う、うん、ボク、バウナスです。」

と、アティさんが言うと恐々と答える子。

バウナス?

「確か、犬に近い種族です。」

「だから、ワンワンさんですよ。」

・・・・安直だけど、納得。

「これからよろしくね?」(ニッコリ)

「う・・・、うん。」(釣られてニッコリ)

う・・・上手い、アティさん!

よし俺も。

「俺もよろしくな?」(ニコ)

「・・・・・うん。」

何故だ?

一寸悲しくなった・・・。

「スバル君も、ね?」

「よろしく。」

「おう!」

こっちとはもう打ち解けたな。

「じゃあ、おいらは風雷の里に帰るよ。
じゃあな。」

「あ、まってよ。」

スバル君とバウナスの子は走っていった。

・・・・・・・

「今度は、何処に行きますか?」

うーん、近いのは?

「此処からですと、サプレスの集落”狭間の領域”、ヨロイさんの所が近いです。」

じゃあ、そっちに行きますか。

(続く)




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