サモンナイト3“剣製の魔術師”第三話


歩き出してから40分、約2キロほど歩いただろうか?

 

その間に、ベルフラウちゃんと、アリーゼちゃんの後ろにくっついている変な生き物(アティさんが言うには、はぐれ召還獣らしいが。)や、二人が姉妹で、マルティーニ家と言う大富豪の娘さんだと言うこと。アティさんは元帝国軍人で今は彼女達の家庭教師をしていること(ベルフラウちゃんは、「まだ認めたわけではありませんわよ。」だそうだ)で、パスティスに船で向かう途中、海賊に襲われてその直後謎の嵐が起きて、機が付いたらこの近くの浜辺で気が付いたそうだ。

 

で、あの緑色のケンは、アティさんは”解らないとの事。

 

「武器が無くて困っていた時に、頭に響いたんです、『我を抜き放て』って。」

 

で気づいたらソレがあった?」

 

「はい」

 

ふーむ・・・。

 

「アティさん。」

 

「はい?」

 

「そのケン・・・、余り無闇に抜かないほうが良い。」

 

怪訝な顔をするアティさん。

 

「俺はそう言う武器は、何かしらデメリットがあると思っているし、嫌な予感がするんだ。」

 

そう、俺「衛宮士郎」が解析できなかったのだ、武器、特に剣に特化したこの俺が解らなかった・・・。

 

心配そうにしている俺に、アティさんは

 

「解りました、確かに私も危険な感じがすると思っていたんです、極力使わないようにします。」

 

っと真面目な顔をしてうなずき返してくれた。

 

その次に俺の話になる。

 

俺、衛宮士郎は18歳で高校生であると言う事(理解できなかったようなので学生で解ってくれた)多少の魔術が得意で特に剣に特化した魔術師である事(この辺は説明するか迷ったが、”干将・莫耶”を見せてしまったから説明した。無論”無限の剣製”(アンリミテッド・ブレイドワークス)の事は伏せておく。大体今の俺の魔力じゃ使えないし。まあ、何か強力な魔力供給が無ければ使えないからな。

 

っとその時、進行方向に人影が見え出した。

 

人数は2人ほど。

 

『おーい!!』

 

一人は女性だろうか?

 

そっちが声を上げてこっちに来る。

 

「こっちですわよ!!」

 

ベルフラウも、嬉しそうに返事をする。

 

あれ? アティさん何を怪訝そうな顔をするんですか?

 

「何処かであった気がするんです。」

 

で、近づいて見ると。カウボーイハットの女の子と、薄化粧した男の人(グハ!!>シロウは精神に10のダメージを受けた(爆))だった。

 

「「「「ああ!?」」」」

 

え? 知り合いですか?

 

「この人、海賊さんです。」

 

とアリーゼちゃん。

 

「そうよ!!、こいつらのお陰で、私たちがこんな眼にあったのよ!!」

 

「まあ、否定はしないわ。」

 

っとケバイお兄さん。

 

「あの時は逃がしたけど、今度はそうは行かないから!!」

 

っとカウボーイハットの女の子。

 

「ごめんなさいね、こっちにも面子って物があってね。悪いけど・・・。」

 

「どうしても戦うんですね。」

 

互いに武器を構える。

 

「ベルフラウちゃん、アリーゼちゃん、シロウさん、下がっていてください。」

 

と言うアティさん。

 

「いや、俺も戦いますよ。」

 

俺も前に出ながらアティさんに答える。

 

「良いんですか?」

 

剣を抜きつつ、尋ねるアティさん。

 

「はい、それに2対1は卑怯だろ?なあ海賊さん。」

 

「こっちは良いわよ。」

 

ケバイ兄ちゃんが答えつつ前に出て剣を構える。

 

カウボーイハットの女の子はそのままの位置で短剣を抜いて構える。

 

「アティさんは剣は得意ですか?」

 

「いえ、召還術の方が得意です。」

 

「解りました、じゃあ、俺が、あの人を相手します。アティさんは、援護お願いします。」

 

「・・・・解りました、でも不利になったら割り込みますよ。」

 

「解りました。」

 

「投影、開始。」(トレース オン)

 

”干将・莫耶”を投影させて構える。

 

「!? 変わった事ができるのね。」

 

「そいつはどうも。」

 

打ち合いだす、俺とケバイ兄ちゃん。

 

 

 

・・・・不味いな・・・。

 

打ち合い出して数分、一見互角だがあちらの方が実践慣れしてる所為か、突如リズムを変えて切りかかってくる。

 

此方は”干将・莫耶”に宿っているアーチャー”英霊エミヤ”の経験で防いでいる状態だ。

 

「シ!!」

 

「く!?」

 

ガキン!!!

 

しまった、”干将”を跳ね飛ばされた!!

 

「シロウさん!?」

 

「貰ったわ!!」

 

「再投影、開始!!」(トレース オン!!)

 

キィィィン!!

 

「何ですって!?」

 

「ずるい!!」

 

思わず叫ぶ二人。

 

俺の手には確かに弾き飛ばされた”干将”と寸分野狂いも無い剣が収まっているのだから当然か。

 

俺の投影魔術は、剣を創造する魔術だ。

 

だからその気になれば、きちんと解析した剣ならばどんな剣でも(一部例外があるけど)投影できるし、カスタマイズ、果ては剣と剣を組み合わせて新しい剣も投影できるはずだ。

 

今の所はまだ未熟で、そこまではできないけど。

 

驚いた兄ちゃんの隙を突いてこっちが攻勢に出る!!

 

二刀流で手数を用いて追い詰める!!

 

キン!!、キン!!、キン!!、キン!!、キン!!

 

「スカーレル!!」

 

不味い、カウボーイハットの女の子が短剣を投げようとしている。

 

「させません!!、”打ち砕け光将の剣”!!(シャインセイバー!!)」

 

地面から5本の剣が出現して、カウボーイハットの女の子の周りに着弾する!!

 

「キャアアア!!」

 

「ソノラ!?」

 

更に気をとられる、スカーレルと言われた人に”干将・莫耶”を突きつける。

 

「どうする?」

 

「・・・負けたわ、私たちの負けよ。」

 

「ぶうぶう・・・。」

 

二人とも負けを認めてくれたようだ。

 

ほっと一息だな。

 

(続く)





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