鬼畜魔王ランス伝


   第127話 「魔王様のてきとー政務」

 魔王ランスの散歩は、魔王城に住む数多くの者達の畏怖の的となっている。
 しかし、それが全大陸規模になるまで長くは時間がかからなかった。
 半日もあれば大陸の端から端まで飛行出来る速度を活かして単独でひょいひょいと移動するので何処に出没するか分からず、定時業務を途中で切り上げたり開始を遅らせて出歩いたりするので何時出歩いてるか予想もつかないからだ。
 そのランスの本日の散歩先は、ヘルマン地域のとある山奥。時代が変わった事に気付いてないのか、それとも時代に乗り遅れたのか、あるいは落ちこぼれたのか……とにかく未だ隊商や集落を襲っては略奪を繰り返す愚鈍で粗暴な盗賊団の根城であった。
「がはははは。さて、どんだけお宝を貯め込んでるか楽しみだ。」
 そう言いつつランスが無造作に突き出したピンク色の剣先に咽喉を貫かれ、精気を瞬時に吸い尽くされてミイラ同然にされた見張り役の盗賊は、声すら出せずに絶命する。
 魔王様の暇潰しを兼ねた殺戮衝動の発露が、今ここに始まったのだ。

 そして、割合あっさりと終わった。
 散発的に迎撃してきた雑魚な手下を蹴散らし、闇なんたらとか大仰にチンタラ名乗っている途中の雑魚盗賊を『うざい』の一言で斬り殺したところで、残りの敵が次々に武器を捨てて許しを乞うてきたのだ。
「ちっ……電磁結界。」
 しかし、ランスに容赦は無かった。
 何故なら、無謀にもランスに武器を向けてしまった連中の全員が男だったからである。
「がはははは、バカめ。いまさら命乞いしても遅いわ(最初っから美人のねーちゃんを差し出して土下座してれば、殺すのぐらいは勘弁してやったかもしれんがな。)。」
 強力な雷撃魔法を浴びせられて黒焦げになって倒れた盗賊達に投げつけられた魔王様の御言葉は、ちょっとした広間の中を虚しくこだまする。
 結局、生存者は盗賊達に攫われて性処理用に飼われてきたあげくに魔王様に一発ずつヤられてから解放されて自由の身となった村娘3人だけであった。
 その彼女らが自由になって最初に行なった行動が足元に平伏して自分を飼育してくれるよう哀願する事だったのは、流石にランスの意表を突いていたが。
 当然ながら、3人全員をほくほく顔でお持ち帰りした事は言うまでも無い。



 魔王城の一角に設けられたサテラのアトリエ。
 以前はサテラ1人がシーザーだけを連れて篭っていた工房であったが、今では……
「サテラさん、ここはこれで良いですか?」
 サテラが直々にガーディアンメイキングを指南してるシャリエラを始め、スケッチなどの創作系能力を有する女の子モンスターなどサテラと気の合う連中が出入りして作業場に使うようになっていた。
「なかなか上達してるじゃないか、シャリエラ。ここまで修理できるんだったら、そろそろ作製の方もできるんじゃないのか?」
 サテラが検分しているのは、ほんの数時間前まで胸に大穴が開いて機能停止していたストーンガーディアンである。だが、修理されたおかげでストーンガーディアンは創造者から与えられていた擬似生命を取り戻し、消えていた目の輝きも元に戻っていた。
「そうなんですか?」
「今までサテラが教えた事をちゃんと守れば、シャリエラなら大丈夫だ。」
「はい。それじゃ、やってみます。」
 真新しい粘土を人が何人も寝られそうに大きな作業台に運んで捏ね始めたシャリエラの横顔は、新たな挑戦への興味とやりがいでキラキラと輝いていたのだった。



 魔王の私室の重厚な木製ドアを繊手が遠慮がちにノックする。
 しかし、しばし待っても応えは無い。
 頭を左右に振って気後れを飛ばし、今度はもう少し強く扉を叩く。
 だが、それでも返事はこない。
 紫がかった長い髪を揺らして俯く彼女は、挫けそうになりながらもう一度ノックする。
「ん? 誰だ?」
「えっ…と……その……」
 ようやく返って来た怪訝そうな誰何の声に、気弱な彼女は反射的に身を縮めてしどろもどろになってしまう。これが最も信頼し依存しているランスの声で無ければ、とっくの昔に回れ右して逃げ出してしまっていただろう。
「ああ、アールコートか。入って良いぞ。」
 しかし、アールコートの緊張は声だけで彼女だと察したランスが優しく入室を促した事で一気にほぐれた。
「はい、王様。…………!」
 深く考えず扉をくぐった彼女の視界に、彼女の愛しい王様の姿が映る。
 山のサチと海のサチを並べてむしゃぶりついているランスの姿が。
「がはははは、混ざってくか?」
 思わず首を横に振ろうとして凍りつくアールコートを楽しげに観賞しつつ、ランスは引き締まった筋肉を惜しげもなく見せつけながら身を起こす。
 別にわざとらしくポーズを取っている訳ではない。
 単に全裸なだけだ。
「あ、あの……その……」
 身を起こすのに従ってランスの太い指で大事なところを弄られて潮を噴いている海のサチと指よりもっと凶悪に太いハイパー兵器で両足の付け根にある穴を割り抉られて喘いでいる山のサチに更なる強い刺激が送り込まれ、明らかに快楽に染まった艶っぽい絶叫が絶え間無く響き、アールコートが発した戸惑い混じりの小さな声を掻き消してしまう。
「がははははは。で、わざわざ俺様の部屋に来た用事は何だ?」
 そう言いながら山のサチの首筋にランスは2本の鋭い牙を突き立て、甘く美味しく芳しい真紅の液体を相手の体調を気遣いながら啜る。
「はい。その……勇者が……」
「勇者……ああ、あのアリオスって自称勇者野郎の事か?」
 意を決しての報告はランスの手も腰も止められなかったが、血を吸うのは止めて首だけをアールコートの方へと向け直す。
「はい。ヘルマンにある古代遺跡に出入りしているらしいです。」
 現段階でも魔人に匹敵する戦闘力を持つと類推され、最終的には魔王すら倒せるとされる人類の希望“勇者”。その動向であるから最悪の事態を常に考えているアールコートだけではなく他の魔人達も気にならない筈が無い。
「そうか。じゃ、放っとけ。」
 しかし、魔王は……と言うかランスは全く気にしてなかった。
「はい。……って、えっ?」
 表立って敵対しているのでなければ強い存在が人間側にいる事はランスの計画にプラスとなるし、よしんば敵対したとしても叩き潰す楽しみになると余裕を見せていたのだ。
「別に悪さしてるんじゃないだろ?(今んとこ迷宮に潜って経験値稼ぎしちゃいかんなんて法律作った覚えも無いし。)」
 それに大きな力があると言うだけで罪に問うのも、その存在自体が魔王に敵対する宿命を負うモノである勇者が相手だとしても非常に問題がある。
 それを言い出すなら、真っ先に抹殺されるべきは魔王であるランス自身なのだから。
「はい。」
 アールコートにもそれは分かったのか、言おうとしていた意見を口の中に飲み込む。
「がははは、なら別に問題無い。……心配なら監視ぐらいは付けても良いぞ。」
 そうして俯きがちになった彼女の頤にランスは片手を伸ばし、くいっと引き寄せる。
「はい、分かりました王様。」
 唇と唇が重なる直前に漏れた返事には、言いたかった事を察して配慮して貰えた嬉しさがほのかに滲んでいた。


 彼は機会を窺っていた。
 防諜を担当している見当かなみとカオル・クインシー・神楽の両者が魔王城から不在になるのを待ち、フェリスと魔剣シィルの両者が目標を直ぐには援護できない状態になるのを辛抱強く待った。
 天井裏に忍んでいたかなみを見破れなかった一件以降、気配を察知する鍛錬を積んでいたホーネットから慌てて逃げ出した時もあった。
 夢を操る魔人ワーグに見つかりそうになって焦った事もあった。
 異種族同士の親交を深めよう、争いが起こったら鎮めようと魔王領中を東奔西走している天使ソミータにばったり出会って狼狽した事もあった。
 ……などなど多数のトラブルに遭遇した結果、なかなか目標に近づけない日々が続いていたのだが、張り込み開始から3週間目にして漸く近くまで接近できたのである。
『待っていてくれ、今助けるから。』
 チャンスは恐らく一度きり。
 一度しくじれば、二度目の攻撃を許すほど目標は甘くは無い。
 何せ、敵は、“魔王”なのだから。
 天井裏に彼が潜んでいるのに気付かず、配下の女魔人に手錠をかけてHに夢中になっている魔王の背中に狙いを定め、一呼吸。
「天誅!」
 対悪魔用に鍛えられた強力な神剣を構えて隠れ場所から飛び出すと同時に、レベル神が持つ力で魔王を1レベルまで一気に弱体化させる。
 両腕を思い切り横に振り抜くと、驚愕に瞳を見開いた女魔人の裸体に真紅の雨が降る。
 本来あるべき場所から切り離されたモノが、2匹の女の子モンスターの間に落ちる。
「ははは……やった、やったぞ。これで、これで助けられる。」
 更に魔王の体を思う存分滅多刺しにしながら、ベッド脇に立て掛けられたままのピンク色の魔剣に目を走らせる。
 いや、正確には魔剣の柄に付けられている神が棲むマーブル模様に輝く宝玉を。
 血塗れの神剣を片手に持ったままピンク色の魔剣を拾おうとした彼の胸を、何か酷く熱いモノが真正面から貫く。
「ガッ!!」
 オレンジ色に輝く宝玉が付いた魔剣のピンク色の刀身を捻って彼の胸から抜き去る赤毛の女神が彼に向ける目が、感謝と愛情ではなく仇を睨む憎悪なのに動揺する。
「何…故……ウィリ…ごぶっ……」
 彼の意識は、それを境に闇に溶けて途切れた。

「あ〜あ。ランスおにいちゃんをころさなきゃ、ちゃんとかえらせてあげたのにな。」
 西洋人形のように整った容姿の子供が、魔王の私室の天井裏に潜んでいたと思い込まされていた男の身体から浮かび上がった光る球を掴まえる。
「……かみさまのたましいも、にんげんのたましいとあんまりかわらないんだね。」
 こうして怨みに燃えて魔王城に乗り込んできたウィリスの元の彼氏は、魔人ワーグの手によって命を落とす事となったのだった……。
 同情の余地がある真っ当な理由ではあるが、些か未練がましい痴情の為に。


「あっ、ランス様……あんっ!」
 魔王を憎悪していた下っ端の神の一柱がかび臭い空気が漂う地下牢で息絶えたのも知らず、ランスは部下の美女魔人達とベッドの上で政務に勤しんでいた。
「がははは。んで今日は何がある?」
 まず口火を切ったのは、布団に大の字になって転がっているランスの腰の上に腰を下ろしているホーネットである。
「パラパラ砦のリック殿から増兵要請が来ておりますが、如何致しましょう。」
 1万5千もの精兵が駐留しているアダムの砦と国境を挟んで対峙するパラパラ砦。
 其処に駐留している兵は、魔物兵1600とリーザス民兵5000。
 幾らリーザス民兵が正規軍所属の一般兵士に比べて弱卒だと言え、リックが総指揮を執れば援軍が来るまで充分支え切れるはずなのだが……
「ちっ、あの野郎何か考えてやがるな。……まあ、良い。マリスに連絡してリーザス軍から誰か出させろ。あと、モンスター部隊も1000……いや、2000送っとけ。」
 歴戦の将であるリックの言を容れ、ランスは駐留部隊の増派を即決で認めた。
「はい、魔王様。……あんっ。」
 この決定によってキンケードもパラパラ砦に駐留する事に決まるのだが、それが彼自身にとっても魔王軍にとってもプラスにならない選択だったのを、この時点ではランスを含め誰も気付かなかったのだった。
 そして身体を揺らしてハイパー兵器で繋がっているホーネットや他のランスの上に腰掛けている女性魔人達の股間を刺激しながら議題は次へと移る。
「魔王様、2次審査…会場……の確保…と招待状…の送付が……完了致しまし…た。」
 魔王御側役と魔王親衛隊の選抜オーディションについて、である。
「がはははは、そうか。ご苦労、ハウゼル。」
 ご褒美も兼ねて粘つく湿り気で潤っている秘洞を右人差し指と中指で鋭く抉ると、背筋をピンと引きつらせて感覚が繋がっている姉のサイゼルともども布団の海に撃墜される。
「諸費用込みで5000万Goldになる見込みですけど、本当によろしいのですか?」
 気絶したハウゼルの後を引き継いで質問をしたホーネットもハウゼル同様快感に翻弄されているのだが、時折こういう政務をやっているせいか絶頂寸前でもなければ声には出さずに応答ができるようになっていた。
「がはははは、問題無い。それより注文通りに話を通してあるんだろうな?」
 写真写りの良し悪しも考慮してかなり多めに選んだ1000人もの候補者に飛び入りまで想定した会場を用意させた為、洒落にならない費用がかかるのはランスとしても予め想定済みであり、何ら驚きも躊躇いも見せずに即答する。
「はい。……でも、この指示に何の意味があるのですか?」
 ヘルマン王宮の一角を借り受け、会場警備には明らかに過剰な2万もの兵や神魔法を使える神官を含む医師団や王宮勤めの女官らを用意する事に何の意味があるのか、ハウゼルにもホーネットにも皆目見当がつかない。
「分からんなら分からんでも良い。あと、魔王親衛隊の半数に出陣準備させとけ。」
「は、はい……」
 しかし、魔王様の指示に従っていれば間違いは無いだろうと思い直し、ホーネットはランスに肯き返した。
 2週間後……オーディション当日に訪れる事態に気付きもせずに。
「がはははは。なかなかグッドだぞ、皆! ……報告がもう無いんなら、このままヤリ倒すぞ。」
 ランスは口元にニヤリと笑みを浮かべて手足と腰を蠢かせ、快感で部下達の思考力を吹き飛ばして今日の政務をなし崩しに終わらせてしまおうする。
「ま、魔王……様っ!」
 そんな意図をナチュラルに妨害する声がした。
「がはははは。なんだ、シルキィ?」
 その声の主……自身の右足の上にへたり込んで翻弄されているシルキィに視線を向けるランスだったが、残念ながらホーネットのナイスな身体が邪魔して良く見えない。
「ま、魔王様…がっ! ……御命じにぃっ…んっ! …なられ…てぇ! ……いまし…た新し…いっ……はぁはぁ……モンスター種族の創造…ですが、とうとぉっ! ……完成体が…幾つか……ぁぁ……できました…あんっ!」
「がははははは、修行が足りないなシルキィ。だが、ご苦労。」
 ランスが言う通り修行が足りないのか、途切れ途切れの報告を言い終えた安堵で気を緩めたシルキィの身体がガタガタ震え、ベッドの原っぱへと横倒しに撃沈されてゆく。
 これで残っているのは、ホーネットとアールコートの二人だけとなった。
 ……ちなみに足を開いた格好で下腹をランスの枕として提供しているサテラはイキ過ぎてとっくに意識を手放しており、他の女性魔人は出掛けていて不在の為ここにはいない。
 全身を芳しいメスの匂い漂う液体でベチャベチャに濡らしつつ、今度は特に聞かずに白濁液をハイパー兵器を嬉しそうに大歓迎してくれているホーネットの中にぶちまけてしまおうと腰を大きく突き上げようとした所で、その当のホーネットが口を開く。
「ランス様……」
「……まだ何かありやがるのか?」
 小耳に挟んだだけでも余裕の残ってない声に、ランスは仕方なしにエッチの手を休めて耳を傾ける。対神戦関係の計画について部下に詳細を告げる訳にいかないので、取り敢えずランス本人が報告を聞いて判断せねばならないのだ。……まあ、面倒な話だが。
「魔王様がお命じになられていた魔宝玉を使った武器ですが、昨夜に試作品が完成いたしました。」
 これは比較的新しい対神戦関連計画のうちの一つで、当初の予定には無かったがせっかく結晶化させた異世界の天使の霊力を入手したので武器の材料に利用しようと言う思い付きについての進捗報告である。
「ほほう。どんなのだ?」
 だが、聞く前からランスは返事が芳しいものだと見て取っていた。
 ホーネットの笑顔にかげりが無く、視線も心なしか柔らかかったからだ。……快感を堪えるので精一杯で、そんなのが表情に出る余裕が無いと言う説もあるが。
「ハウゼルとサイゼルの使っている魔導ライフルに増幅器として組み込んだのですが、従来型より5割ほどパワーアップしています。」
 まあ、普通の剣にカラーのクリスタルを組み込んでクリスタルソードにした時よりかは強化率は低いが、魔導ライフル自体が元々強力なマジックアイテムなので5割増しと言うのはかなり破格の強化である。
「がはははは。どうやら俺様の考えは正しかったようだな。」
「はい。しかし問題が……」
 数が少ないとは言え良い物が手に入ったとホクホクのランスであったが、改めて指摘されるまでも無く問題点には気付いていた。
「あとの4つを誰にやるか…か。」
 希望者全員どころか主要な部下達にすら行き渡りそうにない数なので、下手をすれば取り合いになりかねない点だ。
「はい、魔王様。これだけ高い能力を持つ魔法の武具であれば、かなりの人数が欲しがるだろうと思われます。」
 しかも現品限りで再入荷の見込みが無い特殊なアイテムとあっては、実際に使用する者以外でも興味を持つ者は多いだろう。
「もしかして、お前も欲しいのかホーネット?」
 内心そんな事を考えていると、ホーネットがおねだりを堪えた結果のしかめっ面を湛えているのに気付いたランスは取り敢えず質問してみる。
「いえ。私が愛用している武具にも同程度の魔力が秘められていますので、今回は他の方に譲ります。」
 彼女の回答は、ある意味で予想通りで、ある意味では予想外の情報を含んでいた。
 純大陸製の魔法武具でも強力な部類の物品なら魔宝玉の武具に匹敵することだ。
「がはははは。つまり、魔宝玉の武具を使いこなせそうなヤツに渡せって事だな?」
 そういう上級の魔法武具は、たいてい使い手の技量やら互いの相性やらが高水準で要求されがちなので、腕の立つヤツにポンと渡しておしまいと言う訳にもいかない。
「はい、魔王様。」
「残ってるのが光に闇に地に風か……どうしたもんだかな。」
 理想を言えば現在強力な武器を持っていない魔人に渡したいところなのだが、魔宝玉自体がランスには利用し難い異界の天使の魔力などを抽出して生み出した物なので、普通の上級マジックアイテムよりも更に使い手を選びそうな予感もヒシヒシとする。
「がははは。そうだ、片っ端から試せば良いんだ。ホーネット、残りの魔宝玉を渡せ。」
 そこで、候補者と見込んだ相手にベッドの相手をさせるついでに魔宝玉との相性を試させてみれば良いだろうと、ランスは思い切り開き直った。
「はい、魔王様。後ほどお持ちしま……うっあああああああああ!!」
 ようやく報告も終わるとの油断だろうか、ホーネットが不意討ちで動いたランスに極めさせられてしまって後ろへと倒れ込む。
「あっ……あああああ!」
 それはホーネットの背後…ランスの左足の上で我慢に我慢を重ねていたアールコートの胸に飛び込む事となり、最後の駄目押しを被ってしまった彼女もまた咽喉の奥から達した証を絞り出して轟沈する。
「がはははは、いくぞ! 一人最低3発だっ!」
 選り取りみどりの美女達が艶姿で倒れ伏してる戦場で、一人ランスだけが意気揚々と気勢を上げていたのだった。


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 どうにか進んでますが、やはり戦乱の時期よりは話の展開も執筆速度も遅いですね。何とか次の大きなイベントまでさっさか進みたいものですが……。

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読んだ後は是非感想を!! 貴方の一言が作者を育て、また奮起させます

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