警告!!
 
 
この物語はフィクションであり、現実に存在する全ての人物・団体・理念・学問等とは一切関係ありません。
 
この物語は 十八歳未満の読者には不適切な表現が含まれています。何かの間違いでこの文を読んでいる十八歳未満の方は、直ちに撤退してください。
 
なお、エロス描写に関して峯田はど素人です。未熟拙劣をお許しください。
ジャンル的には 現代・ファンタジー・アイテム・鬼畜・近親・ロリ・洗脳・孕ませ・ハーレム ものではないかと思われます
 
作品中に 読者に不快感を与える要素が含まれておりますが、峯田作品の仕様であります。ご注意ください。
 
この物語は T.C様 【ラグナロック】様 難でも家様 関直久様 きのとはじめ氏 のご支援ご協力を受けて完成いたしました。感謝いたします。
 

 
 
 
               『ソウルブリーダー 〜無免許版〜 その3』
 
 
 
 
 
 
 
がつがつもぐもぐ
ここは教室。いまは昼休み。つまり飯の時間。
俺は母さん手作りの弁当を貪り食ってる最中だ。
 
 
牛蒡と人参の煮しめ
卵の鰻巻き
焼き茄子の味噌和え
枝豆入りコロッケ
俵型のお握りが五個
高菜の漬物
デザートはナッツの砂糖漬け少々
 
ううむ‥なんか今日の弁当は凝ってるな。俺の好物ばかりだし。
母さん、なにか有ったのかな?
 
 
 
 
俺の名は与渡大輔。
つい昨日、17年の彼女いない暦が終わり 新たな紀元である彼女いる暦が始まった、ごく普通の高校二年生だ。
まぁ、その彼女が実の妹だとゆうのがちと問題なんだが‥
 
うん。俺は実の妹を恋人にしている、ごく普通の変態なんだ。
そうゆうことにしておいてくれ。
 
 
 
ふぅー 喰った喰った。
 
 
 
さてと‥ 昼休みは妹コントローラーのコンフィグでもやりますかね。
おいサタえもん。コントローラーを出せ。
 
 
 
さっきから、俺の横に立っている全身黒タイツの大男がサタえもん。
魂養殖で一山当てようと、魔界からやってきた悪魔だ。
初対面で大ポカやらかして、俺にあっさり支配されちまったへっぽこ最下級悪魔だけどな。
 
サタえもんは俺以外の人間には見えないし触れない。
そしてサタえもんも、俺以外の人間や物体には触ったり魔法をかけたりすることはできない。
 
逆に言えば、サタえもんは俺以外の人間には攻撃されても全く平気なんだ。
その分、俺に魔法攻撃されるとやたらと効くわけだが。
 
そんなわけで、人間を含めた地上の全存在に干渉できないサタえもんだが‥
俺はサタえもんから魔界の道具(アイテム)を借りれば、そのアイテムの魔力を使える。
 
 
 
 
この『妹コントローラー』も、そのアイテムの一つだ。
文字通り妹をコントロールする、とゆうか妹しかコントロールできないアイテムなんだが‥
実は妹が 変えてもいい・変えたい・変えよう・変えなければ ‥と思う要素しか変えることができない。
どうしても変えたくない と思う要素は変えられないわけだ。
 
まあ、巧く操作すれば変えにくいパラメータも、少しなら変えられるようだがな。
 
俺と俺の妹‥由香の場合は、俺が兄への敬意を上げたいと思い、由香が兄への敬意を下げたくないと‥俺を軽蔑したままで居たくないと思っていたから、由香は俺を軽蔑しないで済む理屈を捜して記憶を遡り‥
四年前の愛欲の日々が多少美化された思い出として由香の頭の中で再生され、そして記憶が再解釈されて、俺の行為を善意で解釈するようになった。
 
と、まあ サタえもんによれば以上のように由香の行動が説明できるそうだ。
 
 
で、我が妹は兄の真意を確かめるべく部屋に押し掛けて‥
双方泣くわ語るわとすったもんだの騒ぎの末に、両思いであることを確認した俺たち兄妹はめでたく結ばれたのだった。
 
兄妹で結ばれて、本当にめでたいかどうかについては訊かないでくれ。
念のために言っておくと、結ばれたのはあくまで心であって‥厳密に言えば俺と妹は未だに童貞と処女なのだ。
2〜3日したら由香が安全期に入るから、その日に改めて初夜とゆうか初めての日を迎えるつもりだ。
 
 
 
よし、キーコンフィグ終了。短縮ボタンを色々と登録しておいたから、少しは使い易くなるだろう。
使わないに越したことはないんだがな。これは文字通り悪魔のアイテムだから。
 
 
で、その悪魔は何をしているかと言えば‥
 
「乗っ取るとしたらまずは文科系だな。人数が少なく、部室が目立たない場所にある部が特に良い。とりあえず候補を三つ絞ってみた。じっくり選ぶが良い、支配者よ」
 
などと写真付きの資料を出して、『適当な部室を部員ごと乗っ取って学園支配の拠点にする』とゆう作戦を提案していたりします。
 
ああもう五月蝿いヤツだ。学園支配の拠点もなにも、人材・資金・情報全てにおいてスカスカの俺とサタえもんが思いつきで動いて上手くいくわけがないだろが。
自慢じゃないが、俺は頭が悪いんだ。サタえもんは俺より更に頭悪いしな。
 
 
「貴様の頭が悪いことは否定せんが」
 
お、へっぽことはいえ悪魔のプライドを刺激したかな。
なら聞いてやろうじゃないか、弱小部活動乗っ取ってどうする気だ?
 
「まずは 部室を拠点にして、『結界鈴』と『家畜烙印』を使い芋蔓式に一人ずつ貴様の下僕を増やしていくのだ」
 
なるほど、結界系のアイテムを使って密室化した部室に一人ずつ引き込み、既に下僕にした連中で押さえつけさせて、後は使った相手を精神的家畜にしてしまう焼印をフル稼働させて、俺の下僕を量産するわけか。
 
「そうだ。半月もすればこの学校の生徒と職員は全て貴様の下僕だぞ」
 
うーむ、それが実現できる可能性はひとまず置くとして、全生徒を下僕にしてどうするんだ?
孕ませ放題とか抜かすなよ? 女生徒を孕ませたら、その家族や親戚及び近所の人間を孕ませた一人につき最低10人は洗脳する必要があるぞ? そうでもしないと孕んだ本人はともかく、家族を初め周りの者が納得しない。
 
そして孕んだ女生徒の周りの連中を洗脳していくと、更にその周りの職場や交友関係がある連中を洗脳していかないといけなくなる。
 
つまり俺はろくな最後を迎えない ってことだ。いずれは秘密が保てなくなるからな。
 
インチキ新興宗教の教祖みたいに、世間との接触を絶ち洗脳済みの人間だけに囲まれて僻地のアジトに引き篭もるか‥
あるいはその前に、他の悪魔や天使と組んだ奴を敵に回して倒されるか‥ なんせサタえもんは悪魔としては地上もとい魔界最弱だ。戦いになれば勝ち目は殆どないだろう。
かといって洗脳を手加減すれば、そのうち誰かに刺されて終わりだな。
 
俺は嫌だぞ。そんな人生は。
 
 
 
 
へっぽこ悪魔は黙りやがりました。どうやらそこまで考えてなかったらしい。
やれやれだ‥頭悪い高校生に言い負かされる悪魔って、コイツぐらいだろうな。
 
 
 
 
 
俺は頭が悪いが、瞬間的な記憶力はかなり良い。
一夜漬けさえやっていれば、赤点だけは絶対に取らないのだ。
逆に頭の良い高校生と言えば‥やはり沙希ねぇかのう。
 
俺は昨日からサタえもんのゴツイ面を見続けてて、些か眼に負担が掛かっているような気がする。
で、放課後は沙希ねぇと演劇部の皆さんの姿を見て眼の保養をすることにした。
 
言ってなかったが沙希ねぇは演劇部の部長なのだ。
演劇部は部員九名全員が女なので、ミニ宝塚とかレズの巣窟とか呼ばれている。
 
 
 
いやー 横に薄らでかいのがいないと、視界が広くて快適だな。
とゆうのもサタえもんの奴‥ 俺に言い負かされたのが相当ショックだったのか、一旦魔界に帰ってしまったんだ。
新しいアイテムの入手と、何か資金になりそうなものを探すのが目的なんだとか。
今度はもう少し使えるアイテム持って来ると良いんだが‥
 
もちろんサタえもんには、俺や俺の親族に付いて誰にも情報洩らさないように言い含めてある。
これ以上悪魔が増えるのは御免だからな。
 
 
 
 
 
 
 
ここが演劇部の部室だ。ちわーす。
 
「なんだ、大輔か」
「こんにちは。大輔君」
 
ういっす。大輔です。
迎えてくれたのは演劇部の巨乳コンビ‥と俺が脳内で勝手に呼んでいる、佳夜原功刀(かやはらくぬぎ)先輩と大山静香(おおやましずか)先輩だった。
 
くぬぎさんは 俺よりも頭半分くらい背が低くて‥つまり女の子としては割りと背が高くて、長めの黒髪をポニーテールに結った、剣道着が良く似合う活発系の凛々しいおねぃさんだ。
女だてらに剣道三段とゆう凄腕で、中学時代は沙希ねぇのライバルとして全国大会への出場権を争っていた程のお人なのだ。
沙希ねぇと同じ高校に入ってから演劇に目覚めて、女子剣道部と演劇部を掛け持ちするようになり、今は演劇部の副部長をやっている。
沙希ねぇの一番の親友だ。
ちなみに胸はDカップらしい。
 
静香さんは 俺より頭一つ分くらい低い‥女の子としてはごく普通の背丈で、腰まで届くみどりの黒髪を小粋な‥つまり一見地味っぽいが、よく見ると気が利いてるデザインの‥リボンで纏めた、穏やかで上品な雰囲気を持つ、おしとやか系おねぃさんだ。
演劇部の会計を務め、同時に茶道部も掛け持ちしている。
胸はFカップ。
 
‥正直言うと、俺は大き過ぎる胸よりはぺったんな胸のほーが好きなんじゃ。別にロリ体型好きとゆうわけではない。腰は程よくくびれてる方が好みだ。
胸はCかDが一番好みで、Eはちょっと‥ Fはぎりぎり許容範囲内かのー。いやまあ、静香さんの魅力は そんな些細な短所で曇るようなもんじゃないけどな!
 
容姿とゆうか雰囲気で言うと、沙希ねぇが『少女漫画の王子様』でくぬぎさんが『少女漫画のヒロインの女剣士』なら、静香さんは『少年漫画の主人公が憧れるお姉さんキャラ』かのう。
まあ、俺が昔読んだ漫画で喩えればそうなる ってことだけど。
 
と、ゆうことで 三人いる演劇部三年生のうち、このお二人は人気実力共に我が校トップクラスの美人さんなのだ。
 
 
 
沙希ねぇいます?
 
「いるぞ。 ‥おーい、沙希。大輔が来たぞ」
 
「大輔か。丁度よい」
 
奥にいる沙希ねぇに呼ばれて、部室に入る。
三年生のお三人は、演劇部の今後に関しての話し合いが丁度終わったところだそうな。
これからくぬぎさんは剣道場に顔を出し、静香さんは生徒会の方に行くんだと。
で、沙希ねぇはこれから軽く身体をほぐしてから体育館に向かうので、俺につき合えと そうゆうことらしい。
 
二人で組んで柔軟やら腹筋やら、一通りの準備運動をする。
 
沙希ねぇは色々多才とゆうか、苦手なことが無いんじゃないか と思える程のお人なんだが‥
美容とかメイクとかストレッチとか整体に関しても一家言を持っていて、日々実践しているんだ。
機械や道具を使って身体を鍛えると、機械や道具に合わせた身体になってしまう とゆうのがその一つ。
早い話が、剣道家のくぬぎさんが木刀素振りして身体を鍛えるのは良いが、鉄アレイで身体を鍛えるのは間違いなのだそうだ。鉄アレイで鍛えた身体は鉄アレイに合わせて鍛えられるので、鉄アレイ以外の得物で闘うには向かなくなる とゆうことだな。
 
理論はともかく、沙希ねぇの実践する美容術は確かに効果がある。
たとえば静香さんの胸なんじゃが‥実はあれでも小さくなった方なんだ。
 
今はFぐらいだが、入学当時はGカップを越えてHの域に達しつつあったらしい。
静香さんは悩んだあげく駄目元で沙希ねぇに胸を小さくする処置をして貰い、サイズ拡大の阻止に成功。
それから年単位の時間をかけて、今の段階まで縮めたそうな。
実際俺の記憶でも、静香さんの胸は今より去年の方が大きかったと思う。
 
バストアップ体操とか、胸を大きくする技術があるが‥あれを応用すると逆に小さくすることもできる ‥とゆうことらしいな。
 
最終的にはEぐらいまで縮めれる筈、と沙希ねぇは言っている。
俺は元々巨乳は好きじゃないし、女の子にとっても胸が大きいと色々難儀だそうだから、縮んで何よりだと思う。
なにせ、でかい胸とゆうものは  重い 肩が凝る 揺れて重心が動くから走りにくい
足元が見えない ぶつかったり転んだりすると痛い うつ伏せに寝ると苦しい
服や下着も大きいサイズのものは高い上に可愛いものがない 好奇の視線で見られる
痴漢が寄って来る 言い寄る男が皆、胸が目当ての奴ばかり  と、ろくなもんじゃない。
 
しかも、そのことを愚痴ろうものなら 胸と心が小さい女どもに妬まれる とゆう四面楚歌。
 
 
あれだな、巨乳好きの男なんてものは 女の子の苦労なんか何も考えてない屑野郎だな。偏見かもしれんが、俺はそう思っている。
 
ちなみに沙希ねぇの胸はCな。本人曰く、運動性との兼ね合いを考えるとこのくらいのサイズが一番なのだとか。
 
 
で、まあ胸談義はおいといて 話は美容法に戻るわけだが‥
沙希ねぇはその肉体美を守るために、毎日欠かさずこの手の運動をしているのだ。
俺はなるべく手伝うことにしている。少なくとも誘われたら断らない。
 
なんといっても 目の前で沙希ねぇの肢体が拝めるしのー。
見れば三日は寿命が延びそうなくらい、良いカラダなんじゃよ。いやホント。
 
 
もっとも 俺は沙希ねぇの身体に厭らしい視線を送ったことはない。くぬぎさんの胸をじろじろ見過ぎてしまい、竹刀でどつかれたことはあるが。
 
誤解のないように言うが、俺は沙希ねぇの身体が‥いや、勿論身体だけじゃないが‥大好きだ。
服の上から見ても綺麗だと思うし、去年の夏に本家に泊り込んだときに偶然見た下着姿は 未だに脳裏に焼きついている。
もしもサタえもんが魂取引の免許を持っていたら、俺は沙希ねぇのオールヌードを拝むために魂を売り飛ばしていたかもしれん。
 
俺は沙希ねぇが大好きで、尊敬していて、世界で一番良い女だと思っている。
「誰が一番大事か」と訊かれれば由香だが「誰が一番美しいか」と訊かれれば沙希ねぇと答えるしかない。
 
しかしだ。俺はこれまで沙希ねぇを厭らしい目で見たことが無かった。 
平たく言えば性欲の対象と感じたことが無かった。
くぬぎさんや静香さんを夜のオカズにしてしまったことはある。だが、沙希ねぇは綺麗過ぎて‥ 
その、なんだ、起たなかったのだ。
 
なにせ、ただ見てるだけで充分幸せな気分になれたからのー。見れただけで満足してしまえたので、それ以上何かする気が起きなかったんだ。
 
 
何故ことごとく過去形で語っているかといえば‥
沙希ねぇの足首を抑えながら、沙希ねぇの腹筋運動を見ているうちに、沙希ねぇのさわり心地よさそうな身体が動いて、沙希ねぇの顔が上気していくのを見ているうちに‥
俺の分身は はしたないと言うほかはないぐらい元気になって、ズボンの上から見てもはっきり分かるほど自己主張しているからなんだ。
 
 
 
 
 
勿論すぐに気付かれました。沙希ねぇは勘も鋭いからな。
常人並と言えるのは持久力くらいなもので、残りのパラメータは全部カウンターストップしているようなお人なのだ。
 
沙希ねぇは仰向けで膝を立てて揃え、足首を俺に抑えさせて腹筋運動をしていたわけだが‥俺のいつになく粘っこい視線に気付いて止めてしまった。
 
「‥大輔?」
 
声を掛けられて初めて、俺は体育座りになった沙希ねぇの足首を掴んだままなことに気付いた。
慌てて手を離して後ずさりする俺から、沙希ねぇはため息をついて視線を外す。
 
「‥やれやれ。そんな目で見られては、私は落ち着いて運動もできないな」
 
ううっ御免よう‥ 昔からコイツは俺の言うことをちっとも聞かんのじゃあ‥
 
「謝るな。悪いのは私だ。いくら従姉弟とはいえ、密室に二人きりでいれば妙な気分になるのも無理はない」
 
 
むぅ。言われてみれば、今俺は学校一の美女と手を伸ばせば届く距離で向き合っているんだよな。二人っきりで。
いかんな、妙に意識してしまう。
つい昨日まではなんともなかったのに‥一体俺の心と身体に何があったとゆうのだろう。
 
「‥これからは、こういったことは控えるべきだな。二人っきりのときはともかく、他の部員がいるときは拙い」
 
昨日?
なんか引っかかるものを感じるな。昨日までと今日とで違う点か‥
俺の脳内のハードディスクが、ゴリゴリと俺にしか聞こえない嫌な音を立てつつ読み込みを開始する。
 
「‥どうした、大輔?」
 
ゴリゴリゴリゴゴガゴギゴガガガガガ
 
い、いかん 俺の脳内で凄い嫌な音が鳴り響いてる!
読み込み中止! このままでは俺の脳内ハードディスクがクラッシュしてしまうわい。
 
「大輔?」
 
あー 危ね。もう少しで頭から煙吹くところだった‥
性能悪い脳細胞を無理に使ったから、壊れかけたんだな。
 
それにしても、何が原因なのかのう?
何故また俺は、沙希ねぇに興奮してしまうようになったんじゃろう。
何か見落としているような気がするんじゃが、皆目見当がつかん。
自慢にならないが、俺は頭が悪いのだ。
 
「大輔!!」
 
‥‥えっ?   あ、御免よ沙希ねぇ、話よく聞いてなかった。
 
 
バチン
 
え?   
 
あ、あのー いま沙希ねぇの頭から、火花散りませんでした?
俺の脳内効果音とか沙希ねぇの心理描写とかじゃなくて、本物の火花が。
 
「‥人の身体を舐め回すように見て鼻息荒くしていたくせに、次の瞬間には人の話が聞こえない程夢中になって考えごとか?」
 
頼むから猫撫で声で喋らないでください。かえって恐いです。
 
「なあ大輔。お前の頭には何が詰まっているのだ? 一度頭蓋骨カチ割って見せてくれ。とゆうか見せろ!」
 
嫌です。猿のゲテモノ料理化だけは勘弁‥ などと主張する間もなく、俺は沙希ねぇに組み伏せられてしまいました。
いわゆるマウントポジションではなく、相手を完全にロックしてしまう柔術系の技です。
首と腕が完全に決められてます。
 
「おや? いつの間にやら、お前の別人格は大人しくなっているな」
 
はい。コイツは本体の俺よりチキンハートですから。
 
‥‥いや、違うな。
恐いから縮こまっているんじゃない。普段とゆうか昨日までと同じく、俺の分身は浅瀬でまどろむナマコのよーにリラックスしきっている。
沙希ねぇの柔らかな肢体に絡みつかれても、林檎のような甘い吐息を嗅いでも、感じるのは興奮じゃなくて幸福感だ。
 
うむ。何故だか知らんが元に戻ったらしい。
めでたいかどうかは分からんが、一安心だ。
 
 
 
 
 
さて、今は放課後。つまりは部活動の時間なのだ。
そして沙希ねぇは演劇部の部長で、演劇部は来週の日曜に定期公演を行うことになっている。
と、ゆーことは
 
「お姉さま、此処にいるの?」
 
部長が劇を稽古中の体育館にいつまでたっても来なければ、迎えに来る部員もいる。とゆーことなのだ。
 
 
 
部室の入り口に逆光状態で立っているのは、演劇部の一年生。宮内百合恵(みやうちゆりえ)だ。顔は見えないが間違いない。声に特徴がある上に、沙希ねぇを「お姉さま」と呼ぶ女は一人しかいない。
 
百合恵は 背丈はやや低いぐらいだが、骨格レベルで細い体つきをしているので、体重だけを見れば明らかに痩せ過ぎなのに、リアルで見れば理想体重そのもの‥ とゆう世の女性9割に喧嘩売っとるようなヤツだ。
短めの髪は、イガから取り出したばかりの栗のよーな色と艶。瞳も同じく鮮やかな栗色。なんでも北欧の何処かから来た、日独混血のお袋さんの血を引くクオーターなのだそうな。
 
顔立ちはいわゆるお人形さん系で、目元ぱっちり鼻筋すっきり可憐な唇細い頤、と三年生の先輩方と比べてもさして見劣りしない可愛さなんじゃがのー。
 
いかんせん口が悪い。とゆうか‥
 
「こっこっこっ この不埒者っ お姉さまから離れなさい!」
 
こいつの目は節穴で、耳には俺には見えない蓋が付いていて、口からは理不尽な言葉しか飛び出さんのじゃ‥
首と両腕固められて床に押さえつけられている俺に、どうやって自発的に離れろと言うのだろうか、このレズ娘は。
 
「だ、誰が同性愛者よ!」
 
お前だお前。
違うと言うなら「お姉さま」は止せ。お前のお陰で演劇部はレズの温床扱いされとるんじゃからのー。
それと、品種改良前の日本スピッツみたいにキャンキャン喚くな。お前の声は通りが良すぎるんじゃ。
 
 
 
「ついつい時間を忘れてしまったな。すぐ行こう」
 
沙希ねぇは俺にかけた技を解くと、するりと立ち上がった。
 
 
手早く身支度と戸締りを済ませた沙希ねぇは 後は外に出て部室に鍵を掛けるだけになったところで、俺に問い質してきた。
 
「大輔。演劇部について良からぬ噂が流れていることは、私も知っている。‥で、お前はその噂を信じているのか?」
 
いんや。演劇部の実態はある程度把握してるからな。
 
「ではお前は、『事実と異なる下劣な噂が流れているのは、下劣な噂を流している輩ではなく、噂の題材にさせられた者に非が有る』と言いたいのだな」
 
い、いやそうゆうわけでは‥
む、むう。 ‥御免なさい。
 
 
「謝るのは私に対してではあるまい」
 
そうだね。
 
宮内。すまんかった。お前の態度には微塵の非もない‥とまでは言わんが、噂については流してる側が明らかに悪い。
俺が間違っていた。お前の気の済むようにしてくれい。
 
「わ‥分かれば良いのよ。分かれば」
 
俺が頭を下げると、百合恵は意外とあっさり赦してくれた。
むう。明日は雹でも降るかもしれん。
 
 
「さて、百合恵。 お前は現実に対し明らかに無理のある解釈を行い、大輔に有らぬ罪を着せ、その名誉を汚した。認めるか?」
 
うはぁ 俺に対してよりも追求厳しいよ。
 
 
「み、認めます‥」
 
百合恵は生まれたての小鹿のよーに震えながら、沙希ねぇの前で項垂れている。
別に沙希ねぇが百合恵を脅しているわけじゃない。
いや、百合恵にとってはお姉さま(沙希ねぇ)に嫌われるとゆうことは、世界が滅びるも同然の恐怖なのだろう。
 
気持ちは分かるぞ。俺も初めての本気の兄妹喧嘩で「お兄ちゃんなんか大嫌い」と言われたときは死にたくなったからなあ‥
 
「認めるならば、罪を償え」
 
「はい。お姉さま」
 
百合恵は俺に対して深々と頭を下げてきた。
 
「百合恵が間違っていました。どうか百合恵を罰してください」
 
あー許す許す。そんな涙目で言われたら許すしかないじゃないか。
‥しおらしい百合恵とはまた珍しいものを見てしまった。明日は空から魚が降るかもしれん。
 
 
 
 
 
 
俺は沙希ねぇたちと演劇部の部室前で別れ、そのまま家に帰った。
目の保養は充分したし、なんか妙に疲れたからな。
 
ただいま〜  
 
「お帰りなさい」
 
エプロン姿の母さんが、磯の臭いで充満する台所で迎えてくれた。
なんですか母さん。この臭いは。
 
「豊三郎さんに美味しい牡蠣を分けて貰ったのよ」
 
なるほど。この臭いは牡蠣か。
夏の牡蠣はちと怖いが‥豊三郎伯父さんが分けてくれたものなら大丈夫だろう。
 
今夜は牡蠣尽くしか。
材料等から見て献立は‥ 牡蠣ご飯に牡蠣の味噌汁。酢牡蛎に焼き牡蠣。牡蠣炒めに牡蠣の天ぷら。最後は牡蠣しゃぶから鍋への二段構えと見た!
 
「正解♪ ご褒美に一杯だけ許してあげるわ」
 
おおう。晩酌の許可が出た。ありがたやありがたや。
ここだけの話じゃが、『飲酒は17歳から』とゆうのが母さんの‥つまり我が家のルールなのだ。
 
 
流しに置いてあるタライに水を張り、弁当箱を沈める。そういえば、今日の弁当は妙に凝ってたけど どうしたの?
 
「‥あのね。寝ぼすけのお兄ちゃんは知らないでしょうけど、今は由香がお弁当を作ってるのよ」
 
何ですと!? 由香からは何も聞いてませんよマイマザー。
 
「当然でしょ。由香は内緒で腕を上げて、お兄ちゃんを驚かせるつもりなんだもの」
 
む、むう。そういえば最近弁当の味が微妙に変わったような変わらないような気が。
そうか、由香のやつ いつの間にやら腕を上げていたんだなぁ‥
 
「だから、もうお弁当忘れちゃ駄目よ。沙希ちゃんとご飯食べたいときは、前もって言いなさい」
 
へ? 母さん。なんで沙希ねぇが関係するの?
 
「あら。大輔は沙希ちゃんと一緒にお昼が食べたいから、わざとお弁当忘れて行くんじゃないの?」
 
んなわけないって。‥まあ、沙希ねぇと一緒の昼飯は楽しいけどさ。
 
 
そうか。そうゆうことだったのか。
母さんの味を憶えるために、俺を喜ばせるために苦労して作ったのに、わざと忘れて行く馬鹿兄貴には弁当箱の一つも投げつけたくなるよな。
 
誤解なんじゃが‥この場合は誤解させた方が悪い。
 
うーむ、直接謝ると拙いかなぁ。まだ秘密のつもりなんだろうし。
まあいい。とりあえず由香に会って、それからどうするか決めよう。
 
 
 
 
 
俺は壁の両側に手摺がついた階段を上り、豪邸と呼ぶには程遠いが三人で暮らすにはちと広すぎる我が家の二階へと上がった。
俺と妹は二階の子供部屋らしき四つの小部屋のうち一つずつを占領して、一つを物置として共同統治している。もう一つは空き部屋だ。
 
この家を設計したのは父さんだそうだが、子供を四人作るつもりだったのかもしれん。
六人で住むのなら、丁度よい広さだと思うし。
 
 
コンコンコン
おーい、由香。入っていいか?  ‥て、なんだいないのか。
て、ことは俺の部屋かな。
 
やはり俺の部屋にいるみたいだ。部屋から音楽が流れている。
多分俺のマシンを使ってゲームでもしているのだろう。
 
『ゲーム機は中学生になってから、パソコンは高校生になってから』とゆうのが我が家のルールで、由香の部屋にはマシンがないのだ。
まぁ、俺の部屋でならネットゲームだろうがチャットだろうがし放題なので、あまり意味は無いんだがな。
 
 
おや? 鍵が掛かっているぞ。
ゴンゴン
おーい、由香。にいちゃん今帰ったぞー 入れてくれー。
 
 
返事はない。
が、中でなにかごそごそと動く気配がする。寝ていたわけではなさそうだが‥ボス戦の最中だろうか?
しばらく待つと掛け金が外れた。
 
ドアを開けて部屋に入ると‥ 床上50センチの高さに設置してある俺のマシンはDVDプレイヤーとして使われておりました。
流れているのはホームメイドのエロ映画ですけど。
 
 
 
 
 
 
俺愛用のパソコンは電気屋で買ったものじゃない。
知り合いのパソコン部員に頼んで、沙希ねぇから譲ってもらったパーツを基に組んで貰ったものだ。
無論只じゃない。両方ともきちんと代価は払っている。
いや、実質的には只同然なんだがな。
 
ちょっとしたコネで手に入れた、廃棄処分予定の使用済みDVD-RW数百枚(日本製、しかも最高品質)をパソコン部に渡して上書きしてもらい、三分の一をパーツ代として沙希ねぇに、残りの三分の二は電気代と組み立て代としてパソコン部に渡して、俺はこのマシンを手に入れたわけだ。
 
最新式ってわけじゃないが、性能は悪くない。特に総容量はテラバイトで計算できる程だ。
何が言いたいかとゆうと、俺のマシンにはゲームだけではなく、膨大な量の画像や動画が入っているわけで‥
その中には、ちと危険なものもあるんじゃよ。
 
なにせ、父さんの元書斎の本棚の奥から発見した、父さんと母さんのハメ撮り録画なんてものもあったりするんだな。これが。
実の両親の絡みを無修正で見ちまうと、ちょっと退くよね。
 
 
あっちゃあ、それを見つけてしまいましたか妹よ。
その動画を入れたファイルのコードは教えてなかった筈なんだが。
何? 隠したいなら少しはコードを捻れ とな?
うむむ。コード設定をちと安直にし過ぎたかのう。
 
 
 
 
で、まあ 相変わらず画面では父さんが母さんを責め立ててるんだな。これが。
今再生中の動画は どこかのラブホテルで撮影したものらしい。
撮影日は四年前の九月三日。
つまり父さんが事故死する直前のものだ。多分撮ってすぐにディスクに焼いて、本棚の奥に隠しておいたんだろう。
 
このハメ撮りが、この世で最後に撮った父さんの姿になっちまったんだよなあ‥
 
 
 
 
俺と妹は そのままなし崩しに座卓(冬はコタツになる)に並んで座り、ご家庭製エロビデオ鑑賞をすることになってしまった。
いや、俺は特に見たくもないんだがな。一度見たし。
 
そもそも、俺には両親の絡みをオカズにする趣味は無いからのー。
 
仮にも親が映ったディスクだ。
破棄するには忍びない、かといって放置しとおくのもなんだと思ってディスク本体は厳重に封印しておいたんじゃが、やはりハードディスク内の動画も消しといた方が良かったかな?
 
容量に余裕があるから と消さずに置いといたのは失敗だったかもしれん。
一緒に発見した親が出てこない画像、他人の出演するホームメイドエロ映画は普通にオカズとして使えるから残しておいたんじゃが。
 
 
 
 
動画の中で、母さんは縄を掛けられ後ろ手に縛り上げられ、背面座位で父さんに貫かれている。
父さんは貫いたまま、ベッドのスプリングを使って母さんの体を揺すりたて、縄で搾り出されるように飛び出した乳房や会陰部を指で責め立てている。
 
 
「‥いいなぁ。由香も本当に縛られてみたいなぁ」
 
ちょっぴしマゾの気がある俺の妹は、胸を強調する感じに縛り上げられた母さんを見て、本当に羨ましそうだ。
しかし縄で縛ると、肌に痕が思いっきり残るからな。
包帯縛りで我慢しろ。
 
夏休みになったら思いっきり縛って‥ あ、母さんにばれるからどのみち無理か。
うむ。縛りも大人になってから だな。
 
 
画面の中では 父さんが母さんに「子供を孕んで、産め」とゆうようなことをしきりに繰り返している。
母さんは妊娠を嫌がって‥といっても産むことを嫌悪しているわけではなくて、なにやら躊躇しているような感じだ‥いるのだが、何度も激しく逝かされて最後には父さんの為に丈夫な子を産むことを誓ってしまうのだ。
 
どうやら俺たちの両親は、四年前の秋に子作りするつもりだったらしい。
父さんの不慮の死が無ければ、今頃は我が家の子供部屋は全部ふさがっていたかもしれんな。
 
 
画面の前、現実世界の俺たちは 俺が学生ズボンを、由香がショーツを脱いで互いに外気に晒した性器を手指でさぐり合い、慰めあう。
 
画面(父さんの)と現物(俺の)を見比べながら、妹は俺の分身の頭を指でぷにぷにと玩ぶ。
 
「お兄ちゃんの‥おちんち○の方が、大きいね」
 
そうかなぁ? 大して変わらんと思うが。
 
 
俺が妹のまだ何も生えてない恥丘から手を滑らせて、すっかり熱く濡れそぼった谷間を挟むように優しく揉んでやると、由香はお返しに俺の分身を擦り立ててくれる。
 
「ど、どう? お兄ちゃん ‥痛くない?」
 
谷間に添えた手の中指を折って谷底めがけて潜らせると、妹は期待に震えながら甘い声で快感を表現してくれる。
 
「おにぃちゃん‥ そこ、ダメ‥」
 
俺が中指の腹で谷底の温かい洞窟‥ 妹の膣口のあたりを『の』の字を書くようにかき回してやると、はあはあと息を乱してすがり付いてくる。
 
「‥ぁっ  だめぇ‥とけちゃぅ ‥ゆかとけちゃうぅ‥」
 
 
 
もうこのあたりになると、動画のことなんか俺の頭の中から消えている。
いくら無修正エロ動画といえど、耳元で喘ぎ声を聞かせてくれるリアル女の子には到底敵わない。
しかも喘ぎ声を上げているのは、最愛の女の子。命よりも大事な俺の宝物なのだ。
 
 
 
「‥お、おひぃちゃ‥ ん」
 
あまり可愛がりすぎると、妹は快楽を受け取るのに精一杯になって、俺の分身を握った手が止まってしまうのだが、それもまたよし。
 
むしろ 本格的な絶頂目指して、小さな痙攣を全身で絶え間なく起こしているのに、それでも兄の股間から手を離そうとしない妹のいじらしさに、俺は胸が熱くなってしまう。
由香は、自分の快楽よりも俺を気持ち良くする方を優先したいのだ。
 
 
さぁ 妹よ。兄の指で逝っておくれ。
お前の可愛いアノときの声を、俺に聞かせておくれ。
にいちゃんも由香と一緒なんだよ。
由香がにいちゃんで気持ち良くなってくれるのが、何よりも嬉しいんだ。
 
だから安心して逝きなさい。
とゆうか逝け。それが俺を楽しませることになるんだ。
 
 
まだ何か言おうとする妹の唇に俺の唇を重ね、口を封じる。
妹は俺の分身から手を離し、俺に両腕ですがりつく。そして妹は 俺に舌を吸われながら逝った。
 
 
 
 
 
逝ってしまった妹の顔や首筋に後戯がわりのキスの雨を降らしながら、俺はここまで育ってくれた妹の体と、ここまで慕ってくれる妹の心に感動していた。
 
 
四年近い歳月は 妹をコドモからオンナノコに変えてくれました。
前よりも格段に感度が良くなってます。肉付きも揉み心地も濡れ方も、四年前の比ではありません。
 
 
 
それからその日は、夕食と風呂を挟んで妹を大いに可愛がり、計5回逝かせてあげた。
お返しに妹は俺を四回気持ち良くしてくれた上に、出した精を全部飲んでくれた。
 
明日は土曜日だ。
中学高校共に、午後に授業はない。
 
なんにせよ 俺と妹が長い午後に退屈することは、当分ありそうもない。
 

 

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