狂う事を赦されたかのような暑さ、それに抗う事無く彼は手近の機械に小銭を入れてボタンを押す。

然るべき事として落ちて来たアルミ容器を取り出し、タブを上げて勢い良く口に向けて傾ける。

流れ込んで来た体液に似せたと自慢げな謳い文句を持つその飲み物は、確かに彼の渇きを止めた、だが不満そうなのは何故だろう。

ビールはねえのか等と聞こえたのは暑さによる幻聴だろう、おそらくは。

缶を下ろし、顔はそのまま雲浮かぶ青い空へ固定される。美しい、掛け値なしにそう思うそれを無粋な鋼鉄のカタマリが金切り声を上げながら汚して行く。

責務を果たせと追い立てられる猟犬のように牙を向くその方向に視線を向ける。何だろうあれは?

現代兵器で傷一つ付かないあれは何だろう。

振り上げた腕でカタマリを叩き落したのは何だろう。

眼から、腕から破壊を振り撒く。

そして確実に、自分の方へ近づいて来る巨人とも呼ぶそれ。

あれは一体何だろう?

だがそれが何であったにせよ、それが彼から引き出せた台詞はただ一言だけだった。

「・・・クダラねえ・・・」




序章『Boy meets Demon』


さあ・・・準備は良いか?


野郎共。



「にしても遅ぇな迎え、ッたく! さっさと来ねえとシェルターに避難しちまうぞ」

先程から手放してなかったアルミ缶を握りつぶし、適当な方角へ投げつける。

甲高い音に何となく視線を向けると其処に佇む影一人。

青い髪をした少女が立っていた、後ろが透けて見える所から実体がないのは確かだろう。

「幽霊か? 現世に迷うのは何処も一緒か・・・にしても青い髪の幽霊とはね」

一瞬考え込んで視線を戻すと既に消えていた彼女、なら意味はそれだけで価値も当然ないのだろう。

だが現実問題として、それは然程問題ないと言える、現在の最重要課題はただ一つ。

「何かこっち来てねえか、あれ」

彼の方へ近づく、未だ傷一つ負わぬ深緑の巨人、ただそれのみである。

溜め息一つ、だがそれは実に重く圧し掛かる物で。無言のまま胸ポケットから煙草のパックとライターを取り出し、一本銜えて火を点けようとクロスをあしらったジッポーを開き、手を止める。

―やる訳じゃねーかんな? 帰って来たら返せよ壊したら同じモン買って返しやがれよ。あ? けちだと? オイオイ、この俺がヤローに物を貸すなんて事、激・有り得ねえ事態だぜ? スンげえ事なんだからグダグダ言わず持って行きな―

彼が彼の地を去る間際にそう言って渡したそれはおそらく、赤毛の男がの見せた不器用な優しさなのだろう。

『お前の帰って来る所は此処だ、そうだろ?』

「ああ・・・そうだね」

ふぅと肺に溜めた煙を吐き出し呟く。

「だけどその前に」

横銜えして呟く。

「死にそうだけどな?」

頬をポリポリ掻きながら溜め息混じりに、更に呟いた。

「これ吸い終わっても来なかったら、避難すっか・・・」

律儀と言えば律儀、なのだろう。

それから化け物が暴れる以外に現世に何の変化も無く、しかし時間は経って数分後。

KENT一本吸い終わりました。

迎えは来ませんでした。

避難しようと思います、マルッと。

よっこらせと掛け声、自分で言っておいて親父臭えと自己嫌悪。そんな彼に確認済飛行物体接近中・・・。

「あ?」

無駄を体現していた戦闘機の一機が彼目掛けて落ちて来る、勿論衝突コースで必中かかってるっぽい。

「やれやれ、放出系は苦手だからあまり使いたくないんだけどね」

愚痴るのもそこそこに右手を掲げる、無論落下中の物体へ向けて。口から漏れるのは真言マントラ、暗示するものは壁。

最後の一文字を唱える刹那、彼と落下物の間に蒼い旋風が割り込み彼を爆風と衝撃、飛来物からガードする、畜生、来るならもっと速く来いよ気を無駄に使ったじゃないか。

「ゴメ〜ン!!待った!?」

なんにせよそんな明るい声をかけて来た蒼い車の運転手に彼がかける言葉は、余り、いやとてもではないがお子様に聞かせられるものじゃなかった。

「五月蝿えバカ女、黙れ遅え殺すぞ」

「ち、一寸それあんまりじゃない? こうしてちゃんと助けに来たじゃない」

「それは認めるし列車が止まったのも問題だがな、それならそれでもう少し足の速い乗り物迎えに寄越せよ。何? よりによって車かよ? 何考えてんだ全く」

「ルノーを馬鹿にする気!? 此れだってビンビンに改造して「チョッパー以上のスピードが出て最短直線距離をブッ千切れるとでも?」う・・・」

ドアを開ける閉める、シートベルトを締める、アクセルを踏み込み巨人から離れ始める、その間に起こった第一次舌合戦における勝利はアッサリと彼の手に落ちた、嬉しそうには見えないが。

「で? 間違いないとは思うがあんたがこの恥も外聞もねえ写真送りつけて来たバカ女だな?」

取り出したのは胸元に向けて「此処に注目!」と余計な注意書きを添えた写真一枚。運転する女性に付きつけ表情が引き攣ったのを確認して、もう用は無いとばかりに窓から放り捨てる。

「な、何てことすんのよアンタ!! 人の写真を!」

女性は怒鳴るが暖簾に腕押し糠に釘。

「何だ? 誰彼構わず見せびらかして貰いたかったのか? なら最初っからそう言え、廊下で男とすれ違う度に呼び止めて見せてやったのに」

「う・・・捨てて貰って感謝してます・・・」

「フン・・・ま、もし誰か男が拾ったとしたらオカズにするかもな」

本当にどうでも良いと言った感じで言い放つ彼にいささかげんなりし始めた女性。深呼吸一つして自分を落ち着け。

「・・・自己紹介が遅れたわね、私はミサト、葛城ミサトよ。貴方は・・・碇シンジ君よね?」

幾分、否、かなり疑いを籠めながら助手席で面白く無さ下に窓枠に肘を付き、外を見ている彼に問う。

彼はミサトの方をちらと見るとまた外に視線を戻し、目をつぶって噛み締める様に答える。

「そう、俺が、碇、シンジ、だ」

それから続く気まずい沈黙、最も気まずいのはミサトだけだろうけど。

「え〜、と、このファイル読んでてくれる?」

手渡されたファイルを受け取り、即座に後ろへ放り捨てる。

「な、何すんのよ!! アンタ少し真面目にしなさいよ!」

「悪いな、運転中に字なんか読んだら酔う体質なんだよ」

嘘だ、絶対嘘だ、理由は分からないがミサトの本能がそう叫んでる。とは言え否定する証拠もなく、唸りながら運転するミサトを横にシンジは最後の一本を口に銜え火を点けようとしていた。

「一寸アンタ! 未成年の癖に何普通に吸ってるのよ!」

叩かれた煙草は窓の外、風に飛ばされ後ろへと去って行く。

「あ〜〜!! 何しやがるこのクソアマ! 最後の一本だったのに! 俺が何しようが勝手だろうが!」

「クソアマとは何よクソアマとは! 勝手が許される訳無いでしょう! 法律順守よ法律順守!」

「おまわりさ〜ん、此処に自覚して無いスピード違反がいます〜、法律順守の精神に則り逮捕してくださ〜い」

「馬鹿言ってんじゃないわよ! これはアンタを無事送り届ける為の手段でしょ! それにNERVには特権が与えられてるの、スピード違反如きぺぺぺぺのぺーよ」

「うっわぁ、スゲエ王様発言、きっと各所に恨みかってるんだろぉなぁ」

「嫌な事言うわね〜、良い?NERVは世界を救う為に働いてるのよ? 何で恨みなん「一寸待て」何よ、逃げる気?」

弁舌断たれてむくれるミサト、だがシンジはマジだった。

「戦自がなにかするんじゃねえのか? あのでっかいのから放れて行ってるぞ」

「嘘、マジ!?」

慌てて視線を向けた先では確かに巨体から逃げるように、いやまさに逃げている戦闘機の姿。

「あいつらN2使う気!? 伏せて!!」

車を陰になるビルの脇に停めてシンジの上に覆い被さる。

爆発

閃光

衝撃

爆音

これらの四重奏の中、何処までも転がる車内でシンジが思う事は唯一つ

(・・・双子座は厄日か? 畜生)

意外と俗っぽい事だった。



リーリーリーリーリー

「今日も散々だったな・・・悟空と悟浄の喧嘩にぶち切れた三蔵の撃った流れ弾がかするし」

リーリーリーリーリー

「楽な仕事ですから頑張って来てくださいねって、八戒の笑顔に騙されて行ってみたら30人はいる窃盗団だったし・・・死にかけるっつうの普通」

リーリーリーリーリー

「あ〜止め止め、どうせ明日もこんな感じなんだろうからグダグダ言っても始まらないってか? こんな月が綺麗な夜は黙って飲むに限るって」

リーリーリ

「ん?」

「や」

「あ? ・・・や、やぁ」

「月見酒?良いね、ボクもまぜて貰おうかな?」

「は、はぁ?」

「あ、柿ピーある?」

「そ、そりゃあるけどさ・・・一つ聞いて良いよな? 権利あるよな?」

「ん〜? 権利はどうか知らないけど、質問は受け付けるよ〜? 何?」

「アンタ、誰よ」

「・・・あれ? 自己紹介しなかったけ?」

「してねぇよ・・・」

「こりゃ失礼、ボクの名前はね、


「ーーて、ーきて、起きて!! シンジ君、一寸起きてよ!」

「ぬう、柿ピーは切らしてるんだったピーナッツで我慢を・・・」

「寝ぼけてないで起きる!」

「・・・ん、アンタか・・・目覚めに見る物としては最悪だな」

まだ良く働かない頭を振って何とか戻そうとする。にしてもなんか視界が普段と違って見えるのは気のせいだろうか。

「って、何で逆さまなんだオイ」

「さっきの爆発で横転したのよ、戻すから手伝って」

「チッ・・・手のかかる」

何とか這い出し、せぇのと車を引っ繰り返す、ボディーはボロボロのベコベコ、ミサトの溜め息も深くなる一方。

「あ〜、ついて無いわねえ・・・手入れはかかさなかったってのに」

「この車で修羅場に迎えに来たのはアンタだろ、グタグタ言ってねぇで、今後の事を考えたらどうよ?」

グッと出かかった言葉を飲み込んで深呼吸、此処で怒鳴り返したら先程の二の舞だ、口で勝てるとは到底思えないとミサトは何となくだが悟っていた。

「ん〜、バッテリーがいかれたみたいだから持って来ないとね」

「ハン、JAFFでも呼ぶのか? 地獄の三丁目でエンコしてますって」

チチチと指を振りながら、怪訝な顔をするシンジに彼女は言い切る。

「あそこに停まってる車、バッテリー積んでると思うんだけど」

「・・・はぁ、車上荒らしか? 本気で言ってる?」

「モチのロン♪ 私はあっちのから調達してくるから・・・何よ、非常時なんだから協力して貰うだけよ!」

「OKボス、あんたが責任者で俺は脅されて手伝った、哀れな少年Aと言う事で一つヨロシク」

「アンタの何処を押せば哀れなんて言葉が出てくんのよ!」

怒鳴りながらも其々の役目を果たしに別れる二人、数分後バッテリーを取(盗)って戻って来たミサトの目に飛び込んで来たのは。

「遅ぇ、もうちっと早く動けよ」

「アンタねぇ・・・」

ボンネットに座って紫煙を燻らせていたシンジの姿。

「何吸ってんのよ!」

「何って、セブンスター、あんま美味くねえなコレ」

「誰が感想なんて聞いたのよ! 煙草は未青年吸ったら体に悪いって「知ってる」え?」

もう一度、噛み締めるように。

「知ってる、と言った。こいつの毒性その他全て理解した上で俺は吸ってるんだよ、だから」

「だから、何」

「だから・・・それで良いじゃねえか」

「な・・・」

鋭い眼光がミサトを貫く、とても彼ほどの年齢の者には到底出せるとは思えない視線が。

これ以上一切の口論を認めない、しても無駄。彼は彼なりの信念を持って此処にいるのだとミサトは理解した。

「・・・分かったわよ、けどね」

「何だ」

バッテリーをはめながらミサトは言う。

「窓、開けて吸いなさいよ。後、灰落としたら殺すからね」

「・・・携帯灰皿持ってる、最低限のマナーは守るさ」

「そ、なら良いわ。じゃあ行くわよ、無駄な時間食っちゃったから」

「今度から有事の迎えは考えるよう、あんたのボスに伝えとけ」

「・・・OK」

少しは見直したが、矢張りこのガキとは反りが合わない。歯軋りしながらミサトは全ての激情を右足に籠めた。

「・・・で?」

此処はジオフロント内、ネルフ本部廊下。

「・・・何よ」

ケージに向かっている筈なのだが、現実は不思議だ。ちっとも着きやしない。

「せめて俺が棺桶に入る前に目的地に着いてくれよ? 後、余談だがさっき通ったぞ此処」

「う、五月蠅いわね! 黙って付いてくりゃ良いのよ!!」

「良いの〜? 本〜当に〜?」

「ぐ、ぐぅ・・・すっげえムカつく」

とは言え仕方あるまい、現実問題として目的地に到達して無いのだから、寧ろ遠ざかってる悪寒。

「何やってるのミサト! 時間は有限じゃないのよ!」

救いの手は差し伸べられた、ミサトにとっては微妙かもしれないが。

「あ、う、リツコ・・・」

駄目だ此処で押し負けちゃ。

「・・・い、今はそれを言っている暇は無いわ、現状はどうなってるの?」

「そうね、『今』はそんな暇は無いわね」

「・・・ど〜して其処を強調するのかしら?」

「さぁ? それはそれとして貴方が碇シンジ君ね」

誤魔化し失敗、後でお仕置きだろうか。そんな二人の会話なぞ無視ブッ千切りで煙草を吹かしていたシンジが声をかけられ視線だけ寄越す。

「そ〜ですけど、アンタは?」

なんだか視線が気に食わない。何故かは分からないが迷路に放たれチーズを探して彷徨うネズミにでもなった気分になる。ま、此処に至って自分を呼び戻しやがったあの爬虫類の糞の仲間なんてこんな物だろうきっと。

「私は技術一課E計画担当博士、赤木リツコよ、宜しく」

「あ、ども。ま〜この人よりかはまともに話が出来そうな人にやっと会えたって感じかね」

「其処でなんで私を見るのよ・・・」

「説明して欲しいか? 一字一句残さず」

「つ、謹んでお断りします・・・」

「賢明だな、で? その赤木ハカセはなんで俺が呼ばれたか説明してくれるので?」

「その前に見て欲しい物があるの、付いて来て頂戴」

「それ、見ないと話が前に進まないとか?」

「そうとって貰っても構わないわ」

やり辛い、こういうタイプは本当に相手にするのが難しい、なんか八戒を前にした瞬間を思い出す。正直、向こうの方が怖いが。

「OK、行きましょう? 見せたいモンが面白けりゃ良いんですけどね」

間違いなく面白い物がある訳が無い、何故? 此処に糞親父がいるからだ。

「ほらやっぱりな」

付いて行ってはみたが、面白い物なんぞありゃしない。あるのは向こうでも見たような妖怪面をした、紫色の悪趣味なオブジェだけ。

「何が、かしら?」

「こっちの話だ、聞いて流してくれ」

「分かったけど・・・言う事は其れだけかしら?」

「他に何を言えと?」

いったい何を望んでいるというのか全く分からない。シンジが黙って紫煙を吐き出す度にリツコの眉の表す内角が段々と狭まってくる。

やべぇ、こいつはレッドシグナルだ。女性がこうなった時はちったあ話を聞いてやれば何とかなると言ったのは悟浄・・・だよな、他にいる訳が無い。

「いやえ〜、と。・・・すいません、何言えば良いんです?」

本気で聞いた、本当に本気で。なのになんでこの人は睨んでいるのだろう。シンジは本気で悩む。

「ああ御免なさいね!! 言わないと分からない位に小さいわね! 此れよ!! 貴女の目の前にある此れ! これに付いて何か言うことは無いの!!」

・・・おお。早く言ってくれよ、そんな事言われないと態々何か発言するわけ無いじゃないか。

「え〜っと、そうですね・・・。矢張り角、は御約束で外せなかったとか? にしても色が紫って悪趣味っすね、もうちっと渋い色が良かったんじゃないすか?」

黙ったよ、プルプル産まれたての小鹿のように震えながら。うわすっげえ怖ぇ、まだ何か言わんと悩むシンジ、答えはあるのか。

「え〜っと・・・で、何なんすか、此れ。」

「其れが人類の切り札、人型汎用決戦兵器『エヴァンゲリオン』だ、シンジ」

「・・・直々の説明痛みいるよ、で? そろそろ俺を呼んだ理由ってのを教えて貰えませんか? オ ト ウ サ ン ?」

突如かかった声に此れ以上無いほどの皮肉を込めて答えるシンジ。全く答えないな、クソ、ムカつく限りだ。

「・・・出撃」

おい、誰か翻訳機をくれ。猫用がニャイリンガルだから・・・そう、ヒゲリンガル、髭語を喋る相手とのコミュニケーション手段だ今すぐ寄越せ。通常の伝達手段は無意味としか言い様が無いから、シンジは本気でそう思った。

「待って下さい! レイでさえシンクロに七ヶ月かかったんですよ! 無理です!」

お、良いぞバカ女〜、もっと言え〜。上手く行ったら呼称を格上げしてやっても良いぞ、と。

「座ってれば良い、それ以上は望まん」

「しかし!」

・・・つまんね〜な〜、何? 何か人そっちのけで会話し出したし。え〜と使徒? シンクロ? 科学語じゃなくてもうちっと学の無い人間にも分かるように話を・・・。

「・・・ンジ君! シンジ君!!」

「・・・あ?」

「あ、じゃ無いわよ! 貴方このままでも良いの? 逃げちゃ駄目よ、お父さんから、何より自分から」

・・・あれ? あんたさっき反対してなかったっけ? いきなり賛成派? 何其れ? あ〜止め止め、アンタはバカ女のままで十分と言うことで。

「いや、逃げるも何も状況が一向に見えて来ないんですが? どなたか俺でも分かるように説明してくれません?」

残った最後の一本、火を点けながら聞いて見る。

「あんたがあれに乗らなきゃ世界が滅ぶのよ! 此れ以上説明いる!?」

「・・・あ〜、良く分からんがウレシハズカシオクユカシイ正義の味方って奴になって世界を救えと? 止せよ、そんな柄じゃねえ」

「此処で乗らなきゃアンタはいらない人間なのよ? それで良いの!?」

「別に? 俺を必要としてくれてる人は他にいるし? こんな訳わかんねえガラクタと関わってまで必要性得る気はないね」

ガラクタ発言で数名のテンション上昇中〜、短気が多い事。

「そうか、臆病者に用は無い、帰れ!」

「ハイハイ、言われなくても」

付き合ってられないと踵を反して出口に向かう、其れを邪魔する影一つ。

「退いてくれません?」

「アンタ、其れで良いの!?」

何故に切れてるんですかアンタは。

「別に? こっちもあれを必要としてない、あっちも俺を必要としてない、帰れと言われたんだから帰りますよ、ちゃんと帰る場所はあるので」

ジッポーの蓋を鳴らしながら言い切る。そう、俺の帰る場所はあそこにある。そしてこの世界に未練は欠片も、無い。

「そんな勝手は許さないわ、此処にいなさい!」

「アンタのボスが帰れと言ったんだぞバカ女、俺が此処にいないといかん理由を述べてみろっての。好い加減、温厚な俺でも切れるぞ?」

「アンタの何処が温厚なのよ!」

「・・・アンタのその喧しい口に爪先突っ込まない事が証明になってねえか? 殺すぞ終いには」

心のセーフティは既に解除、此れ以上の我慢は不可能で無意味、ならば如何する相手は身のこなしから一応軍人、訓練も積んでるタイプ。

されど此方が子供と侮ってる節あり、左に出て相手の右手を取り捻って足をかければ簡単に倒れ付す事間違いなし。

実行まで後数秒、さあ5,4,3,2・・・

「貴方が乗らないとあの子が乗る事になるのよ、貴方それで恥ずかしくないの?」

踏み出す前に出鼻を挫かれる。振り返ると何時の間にか運ばれて来た少女一人。あれ? 彼女とそっくりな奴をさっき駅で見たような気がしたが気のせいか?

全身に痛そうな包帯、腕には点滴の針、これで乗るってのか? 良く出来ましたシール並みのガッツ、褒めても良いかもしれない。

「さあ・・・如何するのシンジ君、彼女をあの状態で戦場へ追いやるの? 貴方、それで良いの?」

お涙頂戴劇に噴出しそうになるのを抑え、上を向く。まだいやがったのかあのクソ親父、此処にはもう用は無い筈だろうと考えて一つ閃く。そうか、こいつ等良く分からんが何が何でも自分を乗せようとしてるのだ、この趣味の悪いカラーリングを施された角に。

「冗談じゃねえ・・・」

「え?」

「おいクソ親父」

「まだいたのか、臆病者は帰れ!」

あらかっち〜ん、手前はもう少し部下を掌握しろって、命令違反してるじゃねえか。まあこのバカ女の性格上、止めるだろうと考えての人選だろうが。

「まあそう言うなよ、俺からの答えって奴、未だだったろ? 聞かせてやろうと思ってね」

「何だ、手短に言え」

おや、臆病者の話を聞くんですか〜? 帰れって言ったのに中々お優しい事、矢張り乗せる事がこのクソ親父の目的と理解し、静かに心の撃鉄を起こす。

「ああ、簡単だよクソ親父。俺のアンタへの返答は此れさ」

両腕を特定の順番を持って捻る。ガシャリとギミックが稼動、シンジの腕に握られるのは橙色に塗られたグロック26。

突然武装したシンジに回りは色めき立つが彼の銃口の先にある物を見て安堵する、碇ゲンドウ、其れがシンジの狙う的。

二人の間には分厚い防弾ガラスがある上に、シンジの装備する銃はただの色違いハンドガン。

一瞬驚いたゲンドウも瞬く間に大袈裟なまでの自信を取り戻す。

「そんな玩具で何をする気だ? 余り下らんことをしていると拘束するぞ・・・」

「アラ余裕。どうせ防弾ガラスで当たりっこないとか考えてんだろ?」

「そんな豆鉄砲に何が出来る、さっさと乗るか帰るか行動しろ、居座られると迷惑だ」

迷惑? 良く言う勝手に呼び戻したくせに。人がやっと見つけた居場所からこんな世界の果ての便所に呼びこんだくせに? 本当に・・・

「アンタは存在自体ムカつくってこったな。じゃあ長くなったな、俺の返事ってモンを行動で示してやるよ、俺って行動派だしな?」

左手の銃を元のように袖の下に隠し、両手で右手の銃を保持する、そして呟く立った一言。

貫破かんぱ

引き絞る引き金、ピンが信管を叩き飛び出す鉛弾。其れは回りの期待を大いに裏切りアッサリと防弾ガラスを貫き

「グゥアアァァ!!??」

「し、司令!?」

ゲンドウの右足膝を貫く。其処で弾はその役目を追え消滅するが、もたらした結果までは消えはしない。

膝撃ち。戦場で相手の機動力を奪う上にその激痛は測り知れない。更に現在の医療技術を持ってしても完全に回復はしない、死ぬまで足を引き摺り杖をついて歩く事になるだろう。

その全てを理解した上でシンジは撃った。何の躊躇いも無く罪悪感も感じず、其れが今の彼。

「まぁ? 此処までしたんだから分かると思うけどオトウサマ? 誰が乗るかボケ其処に這いつくばってろ、大体何様? 偉そうに上から見下ろしやがって仏かなんかかアンタは。アンタはそうやって地べた舐めてる方がお似合いよ、お勧め♪ じゃ、二度と会う事もあるまいね、今生の別れという事で一つヨロシク」

一息で言い切り、踵を反し去る。そして被害者は其れを許せるほど寛容では無く。

「何をしている!! サードを拘束しエントリープラグへ放り込め!! 生きていれば多少傷ついても構わん!! 早くしろ!!!!」

殆ど絶叫だ、醜い事この上なし。そして声に反応してワラワラと入って来る黒服を着たガタイの良いお兄様達。その全てが例外無く口元を加虐に歪めている、ナイスシンクロ。

更には。

「今すぐ武器を置いてエヴァに乗りなさい! 未だ間に合うわよ!!」

何に。本気でそう問いたい、だが其れは無駄でクダラナイ手段。此処で今現在、最も力を持つ言語はただ一つ、己の肉体で語れって事。

「ハッ、最初からそうしてりゃ話早かったのによ。んじゃあ早速始めようか? 先にイった方が負けって事で・・・楽しく踊ろうぜ」

何はともあれ、バカ親父を膝撃ちして役目を果たした銃を袖の下に直しながら状況判断。

彼を囲む様に現れた黒服は左右に4人ずつ合計8名。そして其れから少し離れて銃を構えたバカ女が一人。さあ如何する、如何戦う。

体を流れる気の量を調節し、全体に行き渡らせる。傍目には分からないだろうが単純筋力で数倍、身軽だと言う事も入れると、相当すばやい行動が取れる計算に。

だが、長くは持たない。何故など言う必要もないがこの身は所詮、人の身だ。人並み外れた法力を持つ最高僧でもないし、妖怪との混血でもない。
空と大地の狭間から産まれた訳でもないし、千の妖怪を屠った訳でもない。
何の奇跡も持たないただの肉、だがそれ故の強さという物もある。

弱いからこそ得た物もある。惨めだからこそ握り締めた物がある。負け犬だからこそ見えた物がある。
弱者である事を言い訳にしていれば決して手にする事の出来ない物、其れがあるから今、自分は此処に立っている。
そう、碇シンジとして、彼等と共に歩んだ者として。

「サード、抵抗しなければ危害は加えない・・・聞いているか?」

痺れを切らした黒尽くめが一人、シンジに近づき、右肩に自身の右手を置く。瞬きした後、黒尽くめの指は親指を除いて全て折れていた。

その痛みが脳に達し、理解される間もなく振り向き様に放ったシンジの左肘が男の股間にめり込み、ぶら下がっているモノを永遠に使用不可能にした。残り戦闘可能要員7名。

呆気に取られる男達、その隙を縫ってシンジが両腕をさっきとはまた違った動作で捻る、其れによって呼び出された物は蛇の様にうねり、進み、男2人の眉間を貫く。衝撃に抗えず蹲る2人の後頭部に更にもう一撃、シンジが放ったのが流星錘という縄の先に錘を付けた武器であると言う事を二人が理解出来たかどうか・・・なんにせよ、残り戦闘要員5名。

流石に相手がただの生意気な銃刀法違反のガキではないと薄々感じ始めた男達が慎重にシンジを包囲し始める。

其れを薄ら笑みを浮かべながら迎えるシンジ。流星錘を戻すと同時に左右から一名ずつ肉迫して来る。

だが当然、流星錘が戻る方が速い。戻った所で軽く回転させ、その遠心力を持って数歩の所まで近づいた2人に叩き付ける。

上から来たその錘を、2人揃って何とか避けたが其れでも肩に当たり、鎖骨が砕ける。痛みを堪えて錘と縄を無事な手で掴み、動きを止める。

其れを見た残りの3名がシンジを抑えようと接近する、その動きを見ても何も行動を起こさないシンジ。

そのまま御用かと思いきや縄を抑える2人の近くまで残り3名が近づいた時、何の初動作も無しにシンジが縄をパッと放す。

当然、錘は押さえを失い、抑えていた2人は重力に抗えず後ろへ吹き飛ぶ。

飛んだ2人は接近していた3人の内、2人を巻き込み転倒する。残り1名が事態の悪化に思わず立ち止まる。

其れに這い蹲るような軌道でシンジが接近。慌てて右手で殴りかかるがシンジは其れを左手で捌き、右の抜き手を肋骨の隙間に打ち込み、肺を強打する。

余りの激痛と呼吸困難に胸を抑えてしゃがみ込んだ黒服のこめかみを、体を半回転させて打ち出したシンジの拳が貫く。黒服は吹き飛び、LCLの中へ、これで残り戦闘要員4人、内、2人は鎖骨骨折、戦闘力低下。

シンジが1名と戦闘中に何とか立ち上がりかけた4人。2人が骨折している為、中々立ち上がれない。やっと立ち上がった所で骨折を負っている二人に向かって金標が飛ぶ。二本ともが見事に肝臓を撃ち抜き、再び転倒させる。死ぬ事はないが、もう戦闘には耐えないだろう、残り戦闘要員2人。

残り2人、もはや形振り構わずシンジに向かって突っ込んで来る。元々がその巨体でスカウトされただけあって迫力だけは一級品。

シンジは左から来た方に向け、自身も走り出す。そのシンジの肩を両手で掴み押さえつける黒服、視線を仲間に向けると後2m.と言った所、これでもう大丈夫と思った瞬間、彼の顎に鈍い痛みが走る。

シンジが彼に肩を掴まれたまま飛び上がり、逆上がりの要領で黒服の体を蹴り上がって最後にその顎を力の限り蹴り抜いたのだ。

右から来た最後の黒服には、突然シンジが消えたように見えただろう。シンジが蹴り上げた勢いのまま空中で回転し、シンジの目と彼の目が合って状況を判断した時には全てが遅すぎた。黒服の脳天から足まで凄まじい衝撃が走る、シンジが回転した勢いのまま黒服の頭を蹴り下げたから。残り戦闘要員0名。

シンジは最後に蹴って気絶させ、未だ倒れずに仁王立ちしている黒服の体を掴み、未だ銃を構えたまま茫然自失しているミサトの方へダッシュする。其れに気付いたミサトだが、黒服が盾になっている為、そしてシンジが此れだけの立ち回りを見せたにしても、子供という認識から発砲を躊躇してしまう。

黒服の肉体をミサトへ投げつけるシンジ。その体重をモロに受け、倒れ込むミサト。何とか黒服の下から抜け出したミサトを待っていたのは冗談のように明るい橙色をした銃の銃口だった。

言葉もないミサトへ対して、銃を突き付けこう言った。

「どう、イけた?」

誰も言葉を発しない。聞こえるのは撃たれた人間か、殴られた人間か、骨を叩き折られた人間の呻き声だけ。時たま響くのは先程の巨人が力強く暴れている証拠か。

鋭い金属音が響く、全ての時を動き出させる音が。誰もが視線を向ける、さっきシンジが乗らねば乗せられると宣言されていた満身創痍の少女が担架から落ちていた、其れも自分から。

腕から落ちたのか、折れてギブスに固められた腕を抑えながらも這いずるのを止めない、その先には紫の鬼神が。咳き込む、内臓が傷ついたのか口から吐かれるのは咳と血。全身を芋虫の様にくねらせ、肘で体を引っ張りながら近づいて行く、少しずつ、少しずつ。

何時しかシンジはミサトに銃を突きつけるのを止め、其の様を眺めている自分に気付く、少しずつ少女に近づいているにもまた気付いた。少女はそんなシンジの姿にも気付かず、ただただ一心不乱に這いずっている。

―ねぇ・・・―

「・・・何だよ」

―約束、してくれ、る?―

「守る保証は出来ねぇけどな」

―あはは、其れって、約束って言うのかな?―

「さあな? でも俺が人の話、黙って聞くって言うだけでも凄いってね。・・・一つ聞かせろよ」

―なに?―

「生きよう、って思わなかったのか?」

―思ったよ?―

「じゃあ何故? 何で此処にいるんだよ」

―生きてるから、私の見つけた生き方が此れだったの―

「ハッ、何だよ、何だよ其れ」

―シンジ君には分からないかな? でも私、幸せだったよ? 短い間だけど悟淨さんと悟空さんがじゃれあって、其れに三蔵さんが怒って、其れを八戒さんが楽しそうに眺めてて・・・それに―

「・・・何だよって聞いて欲しいのか?」

―・・・シンジ君に会えたし・・・―

「今更・・・言われても遅いよ・・・」

―御免ね?―

「仕方ないさ、で? 約束って何だよ、内容によっては考えない事も無いと」

―私みたいな子、助けてあげて? 私はもう良いの、だけどもし、他の子がこんな目にあってたら・・・―

「・・・如何したもの、かねぇ・・・」

―嘘でも良い、分かったって言って? 其れだけでも私・・・―

「・・・分かった、但し安心させるために言ったんじゃない、確かに引き受けるから言ったんだ、其れは間違えないようにな」

―嬉しい・・・疲れたから・・・もう・・・寝るね・・・―

「ああ、ゆっくり寝むりな、お休み・・・鈴鳳・・・」

「ち、一寸シンジ君、何一人でブツブツ・・・」

「喧しい、黙ってろ」

ミサトの言葉も間違いじゃない、行き成り目の前で虚空に向かって話し掛けられたら心配にもなるだろう。もっとも、帰って来た言葉は限りなく彼らしく、逝かれた訳でも無い様子。

シンジは少女に近づき、腕の中に抱え上げる。少女は抵抗を見せたが抗えるほどの力は残っていなかった。シンジはつぶさに少女の容体を観察し、一番ダメージの大きそうな腹部に手を置き、気を送り込み治療を施す。

正直、八戒程の腕では無いにしろ効果はそれなりで、取り合えず出血を続けていた内臓各部の止血程度の効果はある。腹部の鈍痛が治まって困惑している少女にシンジが語りかける。

「無茶するなよ、可愛い肌に傷が残るぜ?」

目をぱちくりしている少女に苦笑し、シンジは彼女を抱えたまま話かける、先程から事の推移をケージの端で観察していた金髪の女性に。

「で? 俺が乗れば彼女は医務室で適切な治療を受けられると、其処まではOK? リツコさん」

「そういう事ね、で? 乗ってくれるのかしら」

淡い期待を込めて、彼は其れに応える。

「しゃ〜ないね、乗りましょ? 条件は付けるけどな・・・で、クソ親父は何処行った? 逃げたか? 人がせっかく乗ってやるから其の条件に付いて語ろうとしてるってのに」

「其のお父さんを撃って医務室送りにしたのは誰?」

「俺だけど、何か?」

あっさり肯定、溜め息交じりに白衣のポケットから出した白い器具をシンジに渡し、代わりにレイを受け取る。

「条件に付いては後で語り合って頂戴、心行くまで。でも速く乗ってくれないと其の機会すら失われるかもね」

「了〜解、宮仕えは辛いね?」

心にも無い事をシンジは吐き、見上げる。己が其の身を預ける事になった存在を。



to be continued


後書きっぽい


取り合えず、序章終わりです、次回からやっと使徒戦突入? 微妙な所がまたなんともですね。

ここらでシンジスペック公開〜

・肉体スペックは普通の中学生、その為に体術は八戒に「避けて流して相手を利用して攻撃する」を基本に習っている。八戒から5本中1本は取れるほどに上達。

・気のコントロールも習ってはいるが放出系は苦手(波○拳とか防御壁)で威力も八戒の半分も無い。ただ気を体内に循環させ身体能力を数段アップさせることが出来る、此れでやっと軍隊における特殊部隊隊員並になる程度。

・射撃も三蔵のを見て、見よう見まねで習得(三蔵が人に教える訳無い(汗 )、三蔵が10発中10発当てる所で6,7発当てる程度の腕、まあ十分上手い内に入るかと。

・三蔵が基本的に小型拳銃しか扱わないのでシンジもその流れを汲んでグロック26を使用(スペックは此処で http://www.tokyo-marui.co.jp/products/02/glock26/)。持ち運びも楽だし三蔵の漏らした一言に納得してシンジも小型拳銃を使用している。「自分のこめかみを何時でも撃ち抜けるサイズだ」

・現在使用中のグロック26はある人物から出立前に餞別代りに貰ったもの。2挺とも「不壊」と「**」を表す真言が彫られており、後の一つの真言が右手左手で違う。

「不壊」・・・読んで字の通り、強度を増し壊れ難くなる。取り合えず人を殴っても故障を起こす事は無い。

「貫破」・・・「不壊」以外はキーワードを呟く事によって発動する。右手の銃に彫られていて貫通力を飛躍的に上げる。

「燐壊」・・・左手の銃に彫られている、通常弾を炸裂弾と化す能力。因みに弾は普通の9m.パラベルムである。

「**」・・・最終手段、今は不明のままで。

基本的にシンジの話し方に一定の基準は無い。切れ気味になると三蔵に、普段のおちゃらけは悟浄に、真面目に話す時は八戒のようににこやかに、たま〜に何となく悟空に似る事もある。此れはワザとで本当の自身の性格を隠す為の手段、話し口調をコロコロ変えて相手を翻弄するのである。本当のシンジの性格は****で****を********事を未だに悔やみ続けている。

こんな所でしょうか? ソロソロ他の創作も此処にて掲載し始めようかと思ってますので続きを書くかは感想次第です、黒白も始めたいしですね。

では第一話『Contact & Streetfight』、お楽しみに。

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