サモンナイト3“剣製の魔術師”第四十三


さて・・・、部屋に戻ってきたけど、どうするかな。

と思ってまずは一旦外に出ようと思い、船の外にでる。

あれ?ベルちゃんとリゼちゃん、アティさん?

「・・・私は、世間知らずだし、子供のクセに生意気言うなって思われるかもしれないけど・・・でも!」

「そうですわ、今の先生が無理をしようとしていることぐらい分かりますわ!」

リゼちゃんの後に続くようにベルちゃんも喋る。

む・・・、アティさんが無理している事が皆にばれてるな・・・、まあ俺でさえ分かる位だ。

「良いんじゃないですの?戦いたくないって思っても。」

「そうです、真剣に考えて、先生がそう思ったんだったら誰にも否定なんてできないんですよ!」

ベルちゃんとリゼちゃんが交互に発言する。

「ベルフラウ、アリーゼ・・・・。」

顔を曇らせたままのアティさん。

「「納得できないままに流されて、自分を見失うより、すっとその方が良いです!!(わ!!)」」

!?

そのベルちゃんとリゼちゃんの叫びに俺は、動揺・・・している!?

そう・・・、この二人の言葉は、アティさんに言った言葉だが、そのまま俺にも当てはまるんだ!!

「正義の味方」を目指すために納得できないまま、突っ走っても良いのか!?

俺「衛宮士郎」は如何すれば良い?

そもそも「正義」を味方して如何するんだ!?

それこそ正義は無数にある、それを味方するんではなく、もっと・・・こう・・・・。

・・・・もやもやする。

・・・・ワカラナイ・・・・。

・・・そう言えば、イリヤから貰ったメモリーに、ジイさんの言葉があったよな。

「僕は満足だった・・・、士郎、君は君のなりたい者になりなさい。」か・・・・。

・・・・・・・・・・「何かになる」のではなく、「何かになりたい」か・・・・。

やっぱり、「救う」のではなく・・・「守り」たいのかな?

じっくり考えよう・・・、この俺の本質に関る問題だからな。

「私達が、その事を気づかせてくれたのは、先生ですのよ?」

「ですから、迷わないで!先生の思った通りに突き進んでください!」

「・・・・・そうですね。」

二人の言葉に考え込むアティさん。

「私らしくないですよね?立ち止まって、考えてばかりいるのは。」

あ、アティさんの顔が明るくなった。

「「はい!!」」

その二人の言葉に、思わず二人に抱きしめるアティさん。

「「先生?」」

「二人とも・・・ありがとう。
私、やっぱり自分のやり方で頑張ってみます!」

「アティ殿は折られるか!?」

その時、海岸から声が聞こえてきた。

この声・・・聞いた事ない声だ。

俺は、急いでアティさんたちが向った方向に行く。

底には俺が弓で攻撃しても倒れなかった、大柄な男がいた。

・・・帝国軍か!

「わが名は、帝国軍海戦隊所属、第6部隊の一員ギャレオ・・・。
隊長殿の命に従い、ここに宣戦布告の名代として参上した!!」

一気に叫ぶギャレオ。

何!?

遅れてやってきた、カイル一家も一寸あっけに取られている。

「・・・つまり、アンタ達は、アタシらごとき海賊を相手に、戦争なんてしちゃうわけね?」

ちょっと疲れた声で、茶々を入れるスカーレル。

「侮辱は許さんぞ!!」

その声に睨むんで大声を出すギャレオ。

「よせ、スカーレル。」

腕を組みながら、ゆっくり後から歩いてくるカイルさん。

「とりあえず、コイツの口上を聞いてやろうぜ。」

鋭い眼光でギャレオを睨みながら、喋るカイルさん。

「わが部隊は、後方にてすでに臨戦態勢にある、しかし・・・賊といえども、弱者に対する一方的な攻撃は、帝国の威信を損ないと隊長殿はお考えだ。
よって、同時に降伏勧告を行なう!!」

・・・ほう?

やっぱり、あの、アズリア・・・だっけ?

いい人らしいな。

「降伏の意思あらば、着剣した剣を持参して本陣にまで来られよ。
返答の意思無きと判断されし時は、やむを得ず攻撃を開始する・・・・。
以上!!確かに伝えたぞ!!」

そう言って、踵を返し森に入っていくギャレオ。

「くっくっく・・・、弱者、ときたか。」

腕を組んだまま、目を閉じ含み笑いをするカイルさん。

・・・そうとう頭にきてるみたいだなあ・・・。

「ああまで言われちゃ、流石にアタシらも引っ込みがつかないわ・・・。」

スカーレルも表情は笑っているが、目が怖い(汗)

「カイルさん・・・、スカーレル・・・。」

表情を曇らせて二人を見るアティさん。

「ごめん先生・・・、あたし達、やっぱり海賊なのよ・・・。」

むう・・・。

「おい、先生よ・・・まさか止める気じゃねえだろうな?」

「はい、止めちゃいます。」

カイルさんの声に、アッサリと切り返すアティさん。

「な!?」

「今のは、私に対しての宣戦布告ですよ?」

あ・・・なるほど。

決定権はアティさんが持ってるんだな。

「我慢して欲しいなんて無理な事は言いません、ですけどその前に少しでも良いですから、私に彼女と話す時間を下さい。」

と唖然とするカイルさんたちに、話すアティさん。

「俺はOKですよ、アティさん。」

「シロウさん。」

「おいおい、シロウ!お前もか!?」

「そうですよ、戦いが回避するにしろ、ぶつかるにしろ、それが大事だと俺は思うから。」

俺の声に黙り込み少し考え込む、カイルさん。

「・・・・分かった、ただし、これっきりだ。
もし話をしてもあんたの望んだ結果が出ない時は・・・覚悟を決めろや。」

「・・・・・・。」

そう言い放ち、カイルさんは船に戻っていった。

(続く)




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