サモンナイト3“剣製の魔術師”第二十八


船に帰って勉強道具をしまってから船の外に出ると、スカーレルが何か考え込んでるぞ。

?何をしてるんだ?

「あ、センセとシロウ!良い所に来てくれたじゃないの。」

「如何したんですか?スカーレル。」

スカーレルの言葉に、首を傾げながら尋ねるアティさん。

「ズバリ、今晩のオカズ何が食べたい?」

あ、今日の晩御飯の当番はスカーレルか。

「実はね、流石に献立も尽きてきちゃってねぇ、お知恵を拝借ってワケなのよ。」

ふむ・・・、食べたいものか・・・。

思わず考え込む俺とアティさん。

うーむ、俺ならシンプルにお刺身が良いが・・・、何人か駄目そうな人もいそうだしなあ・・・。

そう考えていると、アティさんが。

「だったら、私は大好きな果物を思いっきり食べたいですね。
ナウパの実とか、シルドの実とか、だリマの実とか。
ごはんが無くても、それだけで満足できちゃうかも。」

と言った。

・・・・・・・・・・・・・・は?

あの、アティさん?今は晩御飯の献立なんですけど・・・・。

まあ、女性の腹は甘いものは別腹って藤ねぇや遠坂、イリヤも言ってたし桜も結構食べてたしなあ・・・。

と俺が思っていると。

「ああ!わかるわよ!その気持ち!
アタシだったら、断然ケーキやお菓子だわ♪帝国って、お菓子職人が多いものねぇ。」

スカーレルが答える。

スカーレルも甘党なのか?

「「レストロ・メニエ」の”果物畑のタルト”って知っていますか?」

「知ってる、知ってる!コース料理の最後に出てくるヤツでしょ?」

「こーんなに、たくさん果物が乗ってて・・・。」

「サクサクとした生地が重ねられてて・・・・。」

と女の子の話題で盛り上がっている二人。

いや、スカーレルは女の子じゃないけどな・・・・。

「「・・・・・・・・。」」

あれ、突然両方とも黙ったぞ?

「やっぱよしましょ、この話題は・・・。」

とスカーレル。

「そうですね・・・、無性に食べたくなって困ってしまいます。」

とアティさん。

そーか、タルトが食べたいのか・・・、あ、でも俺は材料があったら作れるな。

「「ええ!?」」

二人の叫びに思わず引いてしまう俺。

「チョット、シロウ!あなたお菓子作れるの!?」

「ああ・・・、イリヤって妹と遠坂達にせがまれて、作るのを覚えて何回か作ってるけど・・・。」

正直遠坂から「衛宮君、貴方料理人やお菓子職人を目指したほうがよっぽど世界のためになるわ!」と言われた事もある。

そんなこと言われても、余り嬉しくなかったが・・・・。

もし、俺がそっちを目指すと、聖杯戦争で呼ばれた場合「コック」で召喚されるのか?

・・・・・・嫌過ぎる・・・。

俺が馬鹿な事を考えている間に、盛り上がる二人。

「たしか果樹園はあったわよね。」

「小麦粉、卵やミルクはユクレスか風雷に行けばあると思いますし、お砂糖もメイメイさんに言えばきっと売ってくれますよ!」

・・・・よし、言いだしっぺだし一肌脱ぐか!

「じゃあ、材料が揃ったら作りましょう。」

その俺の言葉に「「やったあ!!」」と二人。

・・・同でもいいが、スカーレル・・・、お前はアティさんと一緒にはしゃがないでくれ・・・頼むから・・・。

それじゃ、ラトリクスに行きますか?

俺とアティさんはラトリクスに向って歩き出した。




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