警告!!
 
        この物語には 読者に不快感を与える要素が含まれています!
          読んで気分を害された方は、直ちに撤退してください!
 
 
 
この物語はフィクションであり、現実に存在する全ての人物・団体・事件・民族・理念・思想・宗教・学問・物理現象等とは一切関係ありません。
現実と虚構の区別がつかない人は、以下の文を読まずに直ちに撤退してください。
 
この物語は 十八歳未満の読者には不適切な内容及び表現が含まれています。何かの間違いでこの文を読んでいる十八歳未満の方は、直ちに撤退してください。
 
なお、エロス描写に関して峯田はど素人です。未熟拙劣をお許しください。
 
ジャンル的には 現代・ファンタジー・アイテム・鬼畜・微弱電波・近親・ロリ・洗脳・孕ませ・ハーレム ものではないかと思われます。
以上の属性に拒絶反応が出る方は、お読みにならないことをお勧めします。
 
作品中に 所々寒いギャグが含まれておりますが、峯田作品の仕様であります。ご勘弁ください。
基本的に 爽やかさとは無縁の内容となっております。主人公は腐れ外道です。これまた峯田作品の仕様でありますので、ご勘弁ください。 
 
この物語は T.C様 【ラグナロック】様 難でも家様 きのとはじめ氏 のご支援ご協力を受けて完成いたしました。感謝いたします。
 
 

 
 
 
               『ソウルブリーダー 〜無免許版〜 その16』
 
 
 
俺の名は与渡大輔。17歳。
美女と美少女が大好きな高校二年生だ。
 
只今、列車で移動中。ラッシュアワーは過ぎたけど、車内はそれなりに詰まっている。
シートに座る余裕などないが、立っている者が動くのに困る程ではない。
 
 
徒歩通学の俺がなぜ列車に乗っているかとゆうと、隣にいる娘さんの為だ。
もさもさしたショートヘアから、俺にしか見えない猫耳を出すことがあるこの美少女、その名は九条虎美(くじょうとらみ)と言う。
極めて個人的な評価だが 間違いなく二年B組で一番の別嬪さんであり、おそらく世界で一番眼鏡が似合う女子高校生だろう。
 
俺にとってただ一人の女友達であると同時に、最近になって 友達以上で恋人未満な関係 にあることが判ってきたりする女の子だ。
 
虎美と一緒にいる理由は、一言で言えばエスコート(護衛)だ。
普段から駅まで送っているのだが、今朝女子剣道部の一年生が不審者に絡まれるとゆう事件が有ったので、今日は念のために本人の家まで送ることにしたのだ。
最近はなにかと物騒じゃしのー。
 
景気が良くなれば余所から犯罪者が入ってきて治安が悪くなるし、かといって景気が悪くなると犯罪者が凶暴化するわ地元住民が余裕無くすわで目も当てられない。
困ったもんだよな、本当に。
 
加えて 増えた犯罪者を狙ってやって来た、必殺仕○人気取りの連続殺人鬼が今も薄暗い場所を暗躍中ときたもんだ。
 
まあ虎美が必○仕事人もどきに狙われる心配は無いが、その標的である腐れ外道どもに狙われる危険性は無視できない。
とりあえず帰りが遅くなる日が続く今週の末までは、護衛を付けることにしよう。うん。
 
 
虎美の家は二駅先で降りて七分ほど歩いた位置にあるのだが、俺たちが降りたのはその一つ手前の駅。
虎美が何やら奢って欲しいと言うのじゃが‥‥ はて、何だろう? 
 
この方向だと創作和食の『山葵屋』ではない。かと言って欧風家庭料理の『らみり〜ず☆』でもない。あそこに行くなら学校から歩いた方がまだ近い。
他にどんな店が有ったかな? 服や装身具(アクセサリー)なら駅前の店を巡るだろーし。 
 
‥‥などと考えていたら、俺の左手が暖かい ‥いや、熱いほどに上気した手に包まれた。
虎美が、手を握ってきたのだ。
 
 
体質なのか、虎美の手は柔らかい。
ぷにぷにに柔らかい。前世は肉球付き生物かもしれないと思うぐらい柔らかい。
その柔らかい手の平から、熱い血潮の脈動と共に感情の波が伝わってくる。
 
伝わっては来るのだが、激しく解り難い。あえて言うならドキドキ感29%ビクビク感25%トキメキ感20%ワクワク感16%イライラ感7%とゆうところか。
 
解読は難しいが、何やらテンパっている気配だけはしっかりと伝わってくる。
昨日と比べて明らかに緊張しているとゆーか浮ついているとゆーか、何か自棄になっているような気配すらあるのう。
 
いったい何を奢らせる気なのだろーか、コイツは。
和み系の気配がしないことを考えると、食い物ではなさそうだが。
 
 
 
で、目的地はまだかい?
 
「‥‥ごめん 通り過ぎちゃった」
 
そうですか。
 
 
 
そして来た道を引き返し、手を引かれるままにやって来た場所は‥‥白くてもこもこした装飾に被われた、割と目立つ5階建ての建造物でした。
 
 
あ、あのー、九条さん? ここはいわゆる洋風連れ込み宿、世に言う らぶほてる とゆう場所のような気がするのですが。
 
って返事しろよっ きょろきょろと往来を見渡したりしないでさあ!
 
 
「‥よし!」
 
いや、拳握りしめて「よし!」じゃなくって
 
「大丈夫、朝まで泊まっても諭吉さんでおつりが来るから! あたしの財布だけでも出せるから!」
 
待て、落ち着け! そうゆう方向の問題じゃない。とゆーか宿泊前提ですか?!
 
「ええいっ 女が良いって言ってるのに今更怖じ気づくなぁ!」
 
‥‥だ、誰が怖じ気づくかっ 人を精神的不能者(80年代ラブコメ漫画の主人公)扱いするんじゃねえ、らぶほてるがナンボのもんじゃあっ!
 
 
連れ込み宿の前で口論や痴話喧嘩を始める訳にも行かないから、この局面での選択肢は『この場を離れる』と『とっとと入る』の二つ。
ならば、入るしかあるまい。
とゆーか 虎美とならホテルだろうがベッドだろうが、一緒に入る事に吝かではない。いささか早過ぎる気がしないでもないが。
 
えらく唐突ではあるものの、虎美の要求が冗談や悪ふざけでないことだけは確かだ。
噂に聞く 『気持ち悪い男子に嘘の告白をする』とゆう女子学生の間で行われる罰ゲームなどではない。
 
もしそうだとしたら、握られた手から伝わる、この好意が錯覚だとしたら‥‥俺には霊能など無い。
サタえもんやこの数日の出来事は全て幻だ。妄想だ。もてない野郎の性的白昼夢(ファンタジー)だ。
 
 
 
とゆう訳で、先程までとは逆に俺が虎美の手を引いてホテルの入り口に向かう。
むう。考えてみればこの手の宿泊施設に入るのは初めてだ。ちょいとドキドキしますね。  
 
が しかし
 
「そこの人、入らないで! 警察以外誰も入っちゃ駄目!」
 
入り口まで来た俺たちが見たものは、受付席(カウンター)の隙間のような窓から顔を出して制止する従業員と、血まみれになった狭いロビーと、ロビーの床に転がっているぼろ屑のような物体だった。
 
 
これまた予想外ですね。
 
嗚呼、両手がふさがってるから虎美の視界をふさいでやるのが遅れてしまった。畜生。
 
 
「‥‥よ よ、与渡くん」
 
転がっているものの正体に気付いて、虎美は俺に縋り付く。
なんてこったい。
 
 
 
 
 
実を言うと人間(ホモ・サピエンス)は、自然界では大きな部類に入る生き物だ。大人なら小柄な方でも40キロぐらいになるからな。
詳しくはアジモフ先生のエッセイを読んでくれ。
 
で、40キロオーバーの肉塊が生きたまま挽肉になると、非常に臭い。血と臓物と糞便の臭いが立ちこめて、それはもう酷いことになる。
トラックに轢かれた犬猫の死体でも相当なものだが、人間の死体は量的に数倍、質的には数十倍は堪える臭いがすると思う。
 
ええ、臭かったのですよ。俺と虎美が立っていた位置は、もろに風下でしたからね。
胃の中が空じゃなければ吐いていたかもしれません。とゆーか喉がちょっと胃液で焼けました。
 
「ウチは現場見とらんけど、新米警官が戻(リバース)しとるところは見たでー。相当ひどい有様やったらしいな」
 
おう。虎美は気絶しちゃったしな。
 
 
その場の勢いと好奇心に任せて、ガールフレンドと連れ込み宿に入ろうとしたらロビーが血の海だった ‥‥ってヨハネスブル○でもあるまいし、いつから日本はこんなに物騒になったんだよ畜生。
 
 
当のホテルは、程なくやって来た警官たちに封鎖されてしまった。今頃は鑑識作業とかをやっていることだろう。
 
不幸中の幸いとゆうか、俺たちはホテルマンのお陰で建物には入らなかった。つまり「外から見ちゃった」だけだったので、他の野次馬と同じく簡単な質問を受けただけで済んだのじゃよ。
犯人逃走の後で、逃げた方とは反対側の入り口へ来たから目撃者としての価値もないのだ。念のため身元確認はされたけどな。
 
 
いやしかし危なかった。もしホテルへ行くのが数分遅れていたら、つまり虎美がうっかり通り過ぎてしまわなければ、俺たちは殺人現場に出くわしていたかもしれん。
 
足跡とか血痕とか、見たくはないが見えてしまったものから察するに犯人は一人、相当な小柄。凶器は斧か鉈のようなものだな。
詳しいことは麗子さんに聞けば分かるだろうが。
‥‥萌ちゃんではないと思う。萌ちゃんにしては足跡が小さすぎた。
 
 
「で、なんでウチの所に来るのん?」
 
理由は二つ。
 
第一の理由は、ここが一番近いから。
学校や俺の家は遠すぎるし、気絶程度で病院に運ぶのもアレだしな。
気絶した虎美を抱えて困っていたところに、たまたま名城が通りかかったからこれ幸いと来た訳じゃよ。
 
 
第二の理由は‥‥お前、虎美に何かしただろ。
 
 
「分かる?」
 
わからいでか。
 
 
ここは名城とその家族が住んでいるアパートの一室だ。狭いが一応2DKで風呂とトイレと物置が付いている。
建物が古いのと交通の便がやや悪いこともあって、家賃は比較的安い。
 
ちなみに名城のお袋さんは夜間も開いてる商店で働いておられる。妹さんは学習塾に行っているので今は俺たち3人だけだ。
 
 
警察の質問に答えた後、俺たちはこの場所‥‥名城の家に来た。貧血を起こした虎美を休ませる為にな。
虎美の家までタクシーで送っても良いのだが、そうなると虎美の主観では 目が覚めたら家で寝ていたことになる。
 
それは何か違う気がするのじゃよ。なんとゆうかボーイフレンド的に。
現時点では恋人じゃないが、虎美が俺にとって最も親しい女の子(親戚と幼馴染みを除く)であることには違いない。
 
かといって、虎美が目覚めるまで虎美の家に居座るとゆーのも‥‥やはりボーイフレンド的に言って間違っている気がする。
まぁ、そんな訳で名城の所に転がり込んだ訳だ。
 
年頃の娘さんが失神した理由と場所を、虎美の両親に説明する根性がないだけ ともゆう。
 
「ま、ええけどね。九条さんの為やから」
 
 
 
やれやれだ。どうもここ数日、虎美の様子が変だと思っていたが‥‥お前が焚きつけていたのか。
 
「与渡君がはっきりせんからや」
 
む? 
 
「アンタら、つきあい始めてもう一年過ぎとるやろ」
 
おー そう言えばそうだな。と‥じゃなくて九条さんと出会ってから一年過ぎてるよ。
 
あれは忘れもしない去年の五月連休明けのこと。
ちょっとした不注意で、俺は虎美の眼鏡を踏み潰してしまったんだ。
それが俺たちの馴れ初め。
 
あれから色々あったよなー。虎美争奪野球試合とか夏祭り屋台出店とかハローウィンの変とか。
 
「なのになんでAどころか手も握らへんの?」
 
‥‥いや、Aって貴女も古いですなぁ 名城女史。
 
「やかまし。話そらすんやない」
 
 
聞くところによると女の子の間には秘密とゆうものは無く、全ての情報は共有されるものであるらしい。親しければ親しい程、その傾向は強まる。
まあ、絶対に‥とゆー訳でもないようだが。
 
ともかく男同士と比べれば、仲間内での情報規制が緩いようだ。色恋の話は特に。
で 虎美の数少ない友達である名城綾子は、恋の悩みをうち明けられたので自分なりのアドバイスを施したのだとゆう。
 
 
高校二年生にもなって、手を繋ぐだけであれだけドキドキしていたことからも分かると思うが、虎美は色恋に関してかなりの奥手だ。
その奥手さんがここまで思い切った行動に出るとゆうことは、相当に追いつめられるか焚きつけられるかしたのだろう。
 
「別れるかくっ付くか一生オトモダチのまんまか、与渡君もええかげん答え出しやー。‥‥九条さんは答えを出したさかいにな」
 
ぬう。
ここで「え? いつ? どんな答え?」などと言ったら殺されるな。主に社会的な意味で。
 
俺は知っている。
女とゆう生き物は、時に 言ってもない心の声を聞き取れ とゆー無理難題を押し付けてくる生き物であることを思い知らされているのだ。畜生。
 
 
まぁ、今の俺は『心の声』がある程度まで聞き取れたりするのじゃが。
 
 
さて、どうしよう? 
俺的には虎美をハーレムの一員として受け入れるのに吝かではないが‥‥それで納得して貰えるとは思えんのう。
 
まぁ母さんに市子さんに朔夜と、今までのハーレム加入メンバーが納得しているのは遠慮とゆーか立場が弱い自覚があるからだよな。略奪愛とか狙うタイプじゃないし。
第一夫人の我が妹にしても、沙希ねぇ始め他の奴隷妻(候補)たちに色々と気を使っている。他者が認めるかどうかはともかく、本人だけはそのつもりだ。
 
 
「どっちにせよ早う決めやー。残り時間はもう少ないさかいにな」
 
むぅ。ちなみにタイムリミットは何時だ?
 
 
「‥‥ふざけとんの?」
 
いえ、まったく持って。
 
「アンタが次の誕生日を迎えるまでに決まっとるやろ! 阿呆ちゃう‥‥  そう言えば与渡君、阿呆そのものやったよなあ」
 
 
しみじみ言うなあ! 本当のこと言われるのが一番傷付くんだぞ、畜生。
 
 
 
 
うーむ、つまり俺がこのまま何事もなく十八歳になってしまえば、半強制的に沙希ねぇと結婚させられる事が目に見えているから、虎美と結ばれたいならその前に既成事実を作ってしまえ とゆうことかな?
 
 
次の誕生日‥‥つまり俺が十八歳になったその日に、与渡家の次期当主が決定する。
今の沙希ねぇはあくまでも当主代行。爺さんの遺言でそう決まっているのだ。
 
組織に派閥抗争はつきものだ。与渡家も例外ではない。
源一郎爺さんが死んだ直後は、コップの中の嵐とまでは言わないが、わりと時化気味だった。
で、最大派閥だった『沙希お嬢様派』と第二勢力だった『大輔坊ちゃん派』が連合して『面倒だからくっつけちゃえ派』を立ち上げ、沈静化。そして今に至る訳だ。
 
連合の際にあぶれて冷や飯食いになった連中が『大輔呪ってやる派』とかを立ち上げたのが困りもんじゃが。
まさかどこかの悪の秘密結社みたく、余った連中を粛正するわけにもいかんしなぁ。
 
 
 
唐突に過ぎる虎美のアプローチにも、それなりの理由があることはだけは分かったのじゃが‥‥これからどうしたものやら。
誰か相談役が欲しいなぁ。サタえもんはどうも頼りにならん。
 
 
 
 
 
などと考え込んでいるうちに、名城の家の呼び鈴が鳴りました。
 
「お迎えに参りました」
 
出てみると其処にいたのは黒塗りベンツと黒服の屈強な運転手を従えた、等身大京人形のようなお姉さんでした。
今日は白地に菖蒲の花が刺繍された小振り袖姿だ。
 
このお姉さんは末森市子さんといって、大山さんや佳夜原さんと並ぶ地元屈指の名士の令嬢だ。
まあ末森家の財政経営は慢性的に危機状態にあるそうだが。いわゆる火の車だな。
だから市子さんは末森家を残す為に、俺のお妾さんとして子供を産むことになっている。
 
 
しかし お迎えって、市子さんが?
 
「はい。美香様の言いつけでございます」
 
あー そういえばそろそろ帰らないと拙いかも。時間的に。
どうやって俺の居場所を確かめたのやら。携帯のGPSで調べたのかな?
 
「また会うたな、末森の」
 
「お久しぶりでございます、綾子様」
 
「いや、アンタに様付けされるいわれはないんやけど。なんやねいきなり気色の悪い」
 
「‥‥では 綾子さん とお呼びいたします」
 
知り合いなのか、二人とも。大して広くもない街の住人だから不思議じゃあないが。
 
 
「失礼いたします」
 
‥‥って、あれ? 市子さん?
 
俺と綾子の二人に止める暇も咎める隙も与えずに、市子さんは黒服の運転手に命じて眠ったままの虎美を運ばせた。
慌てて追いかけ外へ出た俺の目の前で、意識を失ったまま虎美はベンツの後部座席に乗せられる。
 
「九条様は私が責任持って実家までお送りいたします。大輔様は急ぎお帰りくださいませ」
 
俺じゃなくて虎美を迎えにきたんかい!?
 
 
「ちょい待ちやー」
 
俺と虎美の学生鞄を持って、綾子が慌ただしく出てきた。
 
「与渡君は付いて行けへんのやろ? ならせめてウチだけでもいかんとな」
 
どうやら綾子は虎美の家まで同乗するつもりらしい。この短時間に‥分とかじゃなくて秒単位の時間で‥身支度と戸締まりを済ませたようだ。
宮○アニメの主人公も吃驚な早業じゃのう。
 
えーと お二人さん、俺の意見は無視ですか。とゆーか意見の有無すら確認の必要なしですか?
 
「与渡君は早う帰りやー」
 
え、議論の余地なし?!
 
「アンタのお袋さんと妹に勝てる女が何処に居るん? 部長でもきっついわ」
 
と 名城は後部座席に乗り込みながら答えた。
うぅっ 確かに沙希ねぇでも一人ではキツいよなあ。婆さまなら二対一でも勝てるだろうけど。
 
 
「大輔様、お急ぎくださいませ」
  
市子さんまでもか。 ‥‥ひょっとして、由香の奴がまた無敵モードに入ったとか?
 
「       」
 
市子さんは小さく頷きながら、聞き取れないぐらいの小声で何か呟いた。
 
 
OK 解りました。とっとと帰ります。
名城。九条さんのこと頼む。
 
 
俺は踵を返してその場から走り去った。全力で。
何故かって? 市子さんが口パクで教えてくれたからだ。
 
ハ リ セ ン ボ ン  と。
 
 
 
今帰る! すぐ帰るから早まるな妹よ! 兄ちゃん約束やぶったりしないからさ!
 
 
 
 
 
俺は走るのが速い方ではない。遠距離だと特に。
特に遅いわけではないが持久走より百メートル走が、百メートル走より懸垂の方が得意なタイプなのだ。
いわゆる速筋型だな。ラグビーなら前衛(フォワード)の位置(ポジション)が自動的に廻ってくる。
 
そんな俺にしては今宵の走りは良い方だ。
どうもここ数日とゆうか正確には昨日の昼ぐらいから、身体が良く動くような気がする。
 
どうやら、魔力制御能力が上がれば上がるほど見た目上の運動能力も上昇するようだ。
サタえもん‥‥俺の訓練士(トレーナー)であるメイドイン魔界の最下級悪魔が言うには、魔法使いがひ弱だとゆうのは誤った印象(イメージ)であり、少なくとも一流どころの魔術師は例外なく強くて素早く頑丈な連中なのだとか。
 
確かに、源一郎爺さんはやたら丈夫な年寄りだったよなあ。四年前までは特に。
弟子の豊三郎伯父さんも、主演ビデオで見る限り絶倫っぽいし。
 
 
などと考えつつ走る俺の背後から、真っ黒な影が迫ってきた。
 
「待たせたな、支配者よ」
 
おう、帰ってきたかヘボ悪魔。
 
俺の横を併走する黒タイツ姿の大男はサタえもん。メイドイン魔界の最下級悪魔だ。
頭の回転が遅くて判断力に問題があって詰めが甘い‥ まあ要するに馬鹿だな。完全な無能でない分余計に質が悪い間抜け野郎だ。
 
「何やら更に扱いが悪くなっている気がするのだが」
 
気のせいだ。手前ぇの評価は何一つ変わってない。上げたかったら何か役に立て。役に。
 
「ならば支配者よ、次の角を左に曲がって裏通りに出ろ。足が拾える」
 
 
裏通り‥‥ってこっちの一方通行か?
 
へっぽこ悪魔の言うとおりに一車線の裏道に入ってみると、十メートル程前に見なれた色とデザインの軽自動車が信号待ちしていた。
 
成る程。確かに足だな。
そう、一々b確かめるまでもなくその車は家(うち)の○菱ダ○ガンであり、運転席に座っているのは母さんなのだった。
 
 
 
と、ゆー訳で数分後。俺と母さんは無事我が家へと帰り着いたのでありました。
いや、正確に言えば母さんはまだ敷地内に入っていないげど。
 
我が家は格子門も車庫のシャッターも手動なので、俺が降りて開けないといかんのじゃよ。ちと面倒ではあるが防犯上はこっちの方が安全だ。停電しても関係ないし。
 
車庫にダン○ンを入れて、シャッターを閉める。
母さんは車庫入れがやや苦手なのだが、車庫は普通車が二台入って余裕がある大きさな上に他に自動車はないので問題ない。
 
この車庫には、車輪の付いた物体は母さんのダンガ○の他には俺の自動二輪と折り畳まれたリヤカーぐらいしか入ってない。
昔から、この家が建てられた当時から車庫は一台分空いている。父さんは街に居る方が珍しい人だったので、自分用の自動車を持ってなかったのだ。
 
 
 
サタえもんとは門の前で別れた。ねぐらにしている物置部屋で、魔界から持ち込んだ荷物の整頓をするらしい。
 
 
ところで、何の用事で出てたの母さん? 荷物がないから買い物ではなさそうだけど。
 
「町村先生のところよ。朔夜ちゃんのこと、きちんと話してきたの」
 
むう。大先生とですか。
‥‥あ、朔夜の松葉杖を返すの忘れてた。演劇部の部室に置きっぱなしだ。
まぁ良いかまた今度で。病院は年中無休だし。
 
 
「判子も貰ってきたから、あとはこの書類を役所に出すだけで養子縁組成立よ」
 
待った。何ですかそれは。母さん朔夜をウチの養子にするつもりですか?
 
「大輔も妹が増えるのは嬉しいでしょ? 義理だけど」
 
 
ああ、母さん的には『只の嫁』より『義娘で嫁』のほーが良い訳ね。近親愛主義者だから。
 
「良いじゃない。母さん昔から朔夜ちゃんを娘にしたかったの」
 
そういや『口説いても良い娘さん』ランキングでも朔夜はかなり上位に居ましたねー。
 
 
「ずっとずっと昔から、朔夜ちゃんをウチの娘(こ)にしたかったのよ」
 
と言いつつ、母さんはバックから写真入りの封筒を取り出した。
ほほう、かなり昔のものですな。
 
年季の入った封筒から取り出されたその写真には、女子高校生時代の母さんと母さんに抱かれた二人の赤ん坊が写っていた。
 
 
いやぁ本当に若い。いっそのこと幼いと言っても良いぐらいですなあ。
十代半ばにしか見えませんよ ‥‥って考えてみれば当時は本当に16か17歳なんだから、そう見えるのも無理はないか。
写真の中の母さんは、今現在の舞ちゃんや赤沢よりも年少さんに見える。同じ制服を着ている分、幼さが実感できます。
 
こんないたいけな女の子を‥‥いや、これより更に幼い状態の娘さんを犯して孕ませたんですよね、父さん。
あんたやっぱり腐れ外道ですよ。
 
 
背景は明るい室内。籐椅子に座る中学生にしか見えない巨乳の美少女が、制服の前を開けて胸を露出していて、そして美少女が抱えた二人の乳幼児が二つのふくらみの頂点をくわえて吸い付いている。
両の手に抱えた赤ん坊たちに命を分け与える少女の表情は、まさに慈母そのもの。
 
うーむ。誰の作品か知らないが、この写真を撮った奴なかなかにセンスがあるのう。
 
 
ええと、察するにこっちの生後半年程度と思われる目つきの悪い乳幼児が俺で、こっちの生後一ヶ月前後と思われる乳幼児が
 
「朔夜ちゃんよ」
 
なるほど。
 
 
 
 
 
朔夜が生まれた時点で、町村さんところの家庭事情は割と洒落にならない状態だった。
仮面夫婦とゆーか家庭内別居とゆーか、まあそんな感じで。
 
夫に顧みられず、かといって我が子に愛情を傾けることも出来なかったあの女は早々と朔夜の育児責任を投げだした。
育児放棄状態の生母に代わって朔夜を育てたのが、姉の朧さんと兄の輝明さんそして看護婦の有志一同な訳だが‥‥実は母さんも一枚噛んでいたそうな。
 
母さんは「哺乳瓶だけじゃ赤ちゃんに心が伝わらないわ」とか「母乳は免疫を高める効果があるのよ」とかなんとか言っているが、本音は別だな。
ただ単に、この人は母乳を与えること自体に快楽と幸福感を覚える授乳マニアなのだ。
 
もちろん朔夜のことを気に入っているし可愛いと思っているだろうが、子育てを支援したそもそもの動機は「飲ませたい」とゆーか「飲んで欲しい」からだ。
 
 
世の中には、赤ん坊を母乳で育てたいと思っていてもなかなか乳が出ず困っているママさんたちが結構いるのだが、母さんはその手の悩みが一切なかった。
むしろ出過ぎとゆーか生産過剰で困るぐらいだったのだ。
 
当時から大食らいで、常人(常赤子?)の2倍半ぐらい飲んでいた俺が満腹するまで飲んでもまだ余っていた。
その余っていた分を分け与えられていたのが、5割り増しぐらい飲む赤ん坊だった朔夜な訳だ。
 
 
ふうむ。俺は今まで朔夜のことを 幼馴染みと言うにはちとつき合いが短いかも などと考えていたのだが‥‥どう見ても本当に幼馴染みですありがとうございました。
まさか、赤ん坊の頃からつき合いがあるとは思わなかった。
 
 
そして、由香が生まれた時もこの問題が起きた。
由香も体格の割には良く食べる方だが、俺と比べれば小食と言っても良い。当然ながら母乳が余る。
 
俺の時と違い由香が生まれた当時は、母さんの友人知己に余った母乳を喜んで飲んでくれる赤ん坊が居なかった。
で 余った乳を飲まされることになった訳だ。俺が。
 
 
 
勿論、反対した‥‥とゆーか嫌がりましたよ。ええ。幼児のプライド的に。
いわゆる『赤ちゃん返り』を起こすには、少々歳を食い過ぎてましたからね。
 
しかし由香が飲みきれない以上、余った母乳をどうにかしなくてはいけない。
 
元からマザコン気味な俺が‥男はおしなべてマザコンなのだ‥パンパンに張り詰めた、見るからに痛そうな乳房を自分で搾って乳を捨てている母さんの姿を見てしまえば、それ以上抗える筈もない。
 
かくして俺は、絶対に誰にも言わないことを条件に 妹が飲みきれない分を始末するだけ とゆう大義名分のもと、母の乳房に吸い付く日々を過ごすことになった。
 
 
朝起きて目覚めのおっぱい。朝食後におっぱい。出かける前にもおっぱい。おやつ代わりにおっぱい。妹をあやしながらおっぱい。夜泣きで起こされておっぱい。
あるときは由香が飲み終わった後で、あるときは兄妹一緒におっぱい。
 
全くの私見だが、幼稚園児の一年間は体感時間の長さで言えば小学生の三年分に匹敵すると思う。十代後半に換算すれば五〜六年分にはなるだろう。
 
只でさえ一日一日を長く感じる時期に、由香が生まれてから完全に乳離れするまで二年近い時間をそうやって過ごしてきたのだ。
これでおっぱい王国(ランド)の住人にならなかったら、その方がおかしい。
まぁ反動で嫌いになる奴もいるかもしれないが、俺はならなかった。
 
 
 
それにしても良い乳してるよなあ、16歳の母さん。
まだ育ちきっていないのに無理矢理熟されてしまった果実のような、危うい色気がある。
 
「どうしたの?」
 
ん いや、昔の母さんに見とれていただけ。
 
 
「‥もう」
 
真性のマザコン野郎でも滅多に言わなと思われる台詞に、母さんは耳まで真っ赤に染めて恥じらっている。
母さん‥‥美香は俺に誉められることが嬉しくてたまらないのだ。
 
 
写真を封筒に戻して、と。
 
 
雰囲気で俺が何を求めているのか察したのだろう。
一言も言わないうちに、母さんはバッグを置いてブラウスのボタンを外しはじめた。
 
 
部分的ストリップを目で楽しみつつ、俺は母さんの首筋に指を這わせる。
指の腹に感じる僅かな違和感を目当てに、母さんの顔と首筋付近‥‥鎖骨の辺りまでを被っている人造皮膚をつまんで捲り上げ、ひっぺがす。
 
すると、二十台末に見える美香の顔がまるで脱皮でもしたかのように剥がれ落ちて、その下から二十歳過ぎにしか見えない素顔が現れた。
 
某怪盗三世が劇中で使っている変装グッズのようなこの人造皮膚も、サタえもんが持ち込んだ魔界アイテムの一つだ。その名も『重ね顔(オーバーフェイス)』。
漫画の変装グッズと違い、設定した一種類の顔にしか変装できないのだが‥‥特に技術がない素人でも使える上に何度でも再使用できるのが美味しい。
 
美香はこの変装アイテムを使って、七〜八歳ほど年上の自分自身に変装していた訳だ。
 
 
母さんは、魔界アイテムの力で外見が一気に十歳近く若返ってしまった。
二〜三歳の若返りならエステとか温泉の効果とかで誤魔化せるのだが、流石にこの外見年齢差はどうにもならない。
 
つまり、若返った母さんが事情を知らないご近所の皆さんや商店街の人々の前に出るには、三十近くに見えるよう念入りな老け化粧を施さねばならないのだ。
そうでもしないと不自然過ぎる。
 
試しに老け化粧なしのすっぴん状態で街に出てみたら、誰にも母さんだと気付かれなかったそうだ。
 
実際の話、今の母さんと一週間前の母さんを並べたら別人にしか見えない。
体型が違う。姿勢が違う。匂いが違う。生命力が、細胞レベルで違う。
何よりも心が、気配と雰囲気が違う。
今の母さんは夫に先立たれた寂しさを噛みしめて生きる寡婦ではなく、幸せいっぱいな新婚さんなのだ。
 
可愛い実母妻を更に可愛がる為に、俺は期末試験あけに一泊旅行を計画している。
この街から列車で二時間ほどの鄙びた温泉宿に、二人っきりで出かけるのだ。実質上の新婚旅行として。
 
俺は老け顔だし母さんは童顔なので、黙っていれば若夫婦にしか見えまい。
宿帳には 与渡大輔、美香 と書き込む訳だし、互いに「美香」「あなた」と呼び合うのだからどう見ても新婚さんです。
とゆーか客の大半は夫婦連れだろうけどな。子宝の効能で名高い温泉だから。
 
そう、只今準備中の温泉旅行は一種の羞恥プレイなのだ。
温泉とセットになっている、豊穣と子孫繁栄の霊験あらたかな神社にお参りして安産の御守り買って、触れると子宝に恵まれるとゆう御神体の岩にぺたぺた触りまくってやるのだ。
神社の人や参拝者たちに、俺はこれから隣にいるとびっきり良い女に種付けしてやるんだと、無言で自慢してやるのだ。
 
羞恥プレイで美香の被支配欲と被独占欲を満たしてやり、温泉と料理を楽しんだ後は一晩中かけて、夫婦水入らずで可愛がってやる。
翌日は落ち着いて過ごす。映画とか飯屋とか買い物とか散歩とかに午後の時間をゆったりと使って、おみやげ持って帰るのだ。
 
 
ただ、旅行中に親しい人物と出くわしてしまったら、気をつけないとな。
向こうの注意を引く前に離れてしまえば問題ないが、至近距離で見られた場合俺と一緒に歩いているお姉さんが 何故か若返っている与渡家の美香さん であると気付かれるかもしれない。
まあ、親しい人でもすれ違った程度ならまず解らないだろう。大して親しくもない只の顔見知りなら尚更だ。
 
 
 
話を戻そう。
母さんは常識では考えられないくらいに若返ったので、逆に若返った事に気付かれにくくなっている。
 
それでも用心に越したことはないので、厚化粧していないときは顔を見られないようにして家を出入りしたり、買い物は普段行かない店で買う事にしていたのだが、それでは不便で仕方がない。
だからこの『重ね顔(オーバーフェイス)』を使っているのだ。
 
極端な若返りがばれると騒がれるだろうしな。どうやって若返ったのか教えろと言われても困る。
 
 
まぁ 若返りを隠す必要がなくなっても、母さんはもうこのアイテムを手放せないかもしれん。
何せ『重ね顔(オーバーフェイス)』の上から化粧しておけば、化粧品を落とす手間が省けるからな。クレンジングなんかもういらない、時間も一秒で充分だ。
 
 
 
すっぴんになった母さんと口付けを交わしながら、乳房を玩ぶ。
うーむ、おっぱいとは何度揉んでも良いものだなあ。
服の上からでも解るぐらい火照って、汗ばみかけた身体を抱きしめる。母さんの身体は奥深い所から熱くなっているのだ。
 
さては、息子の汗の臭いに興奮しましたね 母さん?
 
「誰のせいだと思ってるのよ。母さん運転中大輔に触りたくて大変だったわ」
 
‥‥いや、運転手がそれは拙いでしょう。辛かったなら何処か目立たないところに停車すれば良かったのに。カーセッ○スは慣れてないとゆーか初めてだけど、母さん相手なら5分も要らないよ。
 
と母の髪を嗅ぎながら言う息子に、美香は背伸びして口付けをねだった。
重ねた唇を通して、美香の愛情と感謝と喜悦が伝わってくる。
 
普通の恋人関係なら一発破局ものな先の最低発言だが、真性のマゾ奴隷実母妻である美香にとっては「何時でも何処でも、母さんを可愛がってあげるよ」「車内での交合(セック○)ってどんな感じ? 教えて欲しいな」「美香の肉、気持ちよすぎだよ」とゆう意味になる。
 
息子の愛と、ご主人様の信頼と、夫の賞賛を同時に受けて美香は感激しているのだ。
 
 
ふふっ 母さんは本当に可愛い雌奴隷だね。
何なら今から車内交合と種付けを試してみるかい? あんまり時間はないけど。
 
母さんの胸を揉みながら、提案してみる。
そろそろ下半身を触って欲しいと思っているようだが、催促が来るまでは放置だ。
まぁ、本当に分単位ではじけてしまっても、それなりの満足感を与えてやれる筈だ。
妊娠マニアで膣出し大好きな母さんが、俺の媚薬精液を子宮に注がれて逝かない訳がないからな。
 
おや? 母さんもう一つ乗り気でないようですね?
 
「それはまたの機会にして、今日は約束どおりに ね」
 
 
約束? 母さんと今夜の約束と言えば‥‥ おおっ そう言えば昨夜、朔夜に嫉妬した母さんに仕置きしたとき、約束しましたよ!
明日(つまり今日)は、帰ったら一番に犯してあげると母さんに約束していたのだ。玄関マットの上に押し倒して、靴も脱がないうちに突っ込んでやる と。
 
 
そんなに楽しみだったのかい、母さん。
 
「ええ。マットも絨毯に変えちゃったわ」
 
絨毯って、あのアラブの王族に貰ったアレですか? ふむ。
でさ、ちょっと‥
 
 
「支配者よ。これから盛り上がりそうな時に無粋だが」
 
絨毯について気になった事があったので、訊こうとしたところに黒タイツの怪人が車庫の壁をすり抜けてやって来た。
何の用だヘボ悪魔? 俺は今、母奴隷を弄くりまわすのに忙しいんだが。
 
「貴様の妹が、玄関上がり口に正座して貴様と母親の帰りを待ち構えているぞ。メイド服姿で」
 
何故にメイド服!?  もしやコスチュームプレイを導入する程に、俺らの夫婦関係は倦怠してしまったのか?!
 
 
いや、理由は後回しだ。
急いで帰ろう。とゆーか屋内に入ろう。由香のあんよが痺れたりしないうちに。
 
 
美香、続きはベッド‥‥ じゃなくて玄関マットの上で、な。
 
「はい、ご主人様」
 
今宵は『奴隷』として扱って欲しいと言いたげな母の頬に ちゅっ と音を立ててキスをする。
 
 
 
さあ行こう、由香と朔夜が待っている。
‥‥おっと待った、下着は付けないでくれ。ブラウスの前も触れちゃ駄目だよ。
 
「で、でも」
 
恥ずかしがる母さんの手を引いて、車庫の裏口から出て前庭へ向かう。
 
 
「えっと、その、大輔‥‥」
 
辺りはすっかり暗くなっているが、我が家の前には街灯もあるしご近所さんの門灯もある。
更に我が家の門灯もまだ消えていないので、前庭はかなり明るい。
 
その明るい前庭に、ブラウスの前をはだけフロントホックのブラを外して形の良い乳房をむき出しにした母が、息子に手を引かれて頬を染めながら連れ出される と。
どこのエロ漫画ですかこの状況は。
 
俺は嘘は言ってない。愛撫と種付けの続きは約束どおり玄関マットの上でしてやるが、調教はそれと別勘定だ。
 
「ぇ‥ そんな‥ あぁっ」
 
おー 母さんテンパってます。ご近所の皆さんに見られちゃったら と思うと堪らないようですな。
 
今すぐ逃げたい隠れたい。でも御主人様には逆らえない。恥ずかしくて怖ろしくて、でもそれが気持ちよい。
 
 
「駄目よこんなの‥ 誰かに見られちゃう」
 
大丈夫だよ母さん。
今の母さんはメイクしてないから、見られても精々『マザコン息子が母親似の恋人を家に連れ込んで、母親の服を着せて庭先で露出プレイをしている』ようにしか見えないさ。
 
と耳元で囁いてあげたら、美香は羞恥と興奮に身を捩らせてわなないた。
もう指先でつついただけで逝ってしまいそうなぐらい、喜んでいる。
 
やっぱりな。
母さんマゾで雌犬な上に、露出趣味もあるんだね。見られると嬉しいんだね。
 
違うとは言わせないよ。
だって おっ立てた上向き乳首を摘まれただけで
 
「ゃぁんっ! 」
 
逝っちゃうぐらい、露出で興奮しているじゃないか。
 
 
「‥‥もう、ゆるして」
 
もっと欲しいくせに、素直じゃないなあ。
まあ良いか。今日のところはこのくらいで。
 
 
羞恥と恍惚感で身体に力が入らない美香を、お姫様だっこで抱え上げる。
 
さあて、そろそろ本気で限界だ。由香の堪忍袋が破裂しないうちに、入るとしよう。 
 
 
 
 
 
案の定、玄関の鍵は開いておりました。
いかんな。気持ちは解るがちと不用心ですよ妹よ。誰か不審者が乱入してきたらどうするつもりだ。
確率としてどんなに低くとも、惨殺死体を見てしまってからさほど過ぎてない身としては杞憂だと言い切れない。
 
「支配者よ、貴様が車庫で盛り上がっていたのが問題なのではないか?」
 
五月蠅い黙れ。お前は幻術の維持に集中してろこのへっぽこ悪魔。
 
 
種明かしすると、先程から美香に施している露出調教がご近所の皆さんに目撃される心配はない。
サタえもんが幻術を使い、俺たちの姿を誤魔化しているからだ。
 
この幻術は、効果範囲内の現実の光景とサタえもんが造った立体映像とを差し替えて、効果範囲外にいる生き物に見させる効果がある。
我が家の敷地外から見れば母さんの服は何一つ乱れていないし、俺とは手も握っていないのだ。
 
効果範囲が狭い とか 音や臭いは誤魔化せない とか 幻を動かしている間はサタえもんが他の行動をとれない とか サタえもんの集中が切れると幻が消えてしまう とか色々と問題がある呪文だが、幻術の中ではかなり簡単な部類に入るらしい。
いずれ俺も憶えたいものである。
 
と、ゆう訳で 俺は気兼ねなく母さんを露出調教できた訳だ。
 
 
 
ただいま〜 
 
「おかえり‥ なさい」
 
可愛いエプロンドレス姿で上がり口に正座して待っていた妹が、お姫様だっこ+胸露出状態でキスしながら入ってきた俺たちを見て、固まった。
 
 
「‥‥お」
 
お?
 
「‥‥お兄ちゃん、ひどいよ!」
 
妹は正座したまま俺たちを見上げて、頬を膨らませた。
 
「お母さんにだけお庭でろしゅつちょーきょーだなんて、えこ贔屓だよ。由香には言葉ぜめしか、してくれないのに」
 
 
なんだ、由香も調教して欲しいのか?
 
荒縄でそのロリータボディを亀甲縛りに縛りあげられてから、前と後ろの穴にバ○ブねじ込まれて、ついでに両の乳首にピン○ローターを張り付けられた上に、下着なしで薄手のスパッツとタンクトップ着させられて、夜中のコンビニとか薬局とかに買い物へ行かされたいのか?
 
替えのパンツとか赤○ムシドリンクとか電池とか妊娠検査薬とかを買い物籠に入れてレジスターの前に行って、店員に「わたしは露出狂の変態中学生です」と訊かれてもないのに説明しちゃって呆れさせたりするのか?
 
「うん。店員さんに「騒いだりつーほーしたりしたら、逆うらみします」って口止めもわすれないよ♪」
 
それは脅迫だ馬鹿者。
 
 
で その直後にバイ○とロー○ーのスイッチ入れられて、逝きそうになるのを必死で堪えて会計済ませて、ぬるぬるの液で濡れた太股を擦り合わせるように歩きながら、買い物袋で股間の染みを隠そうと無駄な努力を重ねつつ帰ってくるのか?
 
俺が待っている車の中に転がり込むよーに入ってきて、まだドアを閉め切ってないのにシートに乗っただけで安堵のあまり昇天してしまうのか?
 
「うん♪ でね、由香はお買いもののご褒美に、いっぷんかんだけお兄ちゃんにごほーしさせて貰うの」
 
‥‥ほほう、一分か。
いくら俺が早いといっても、それぐらいは耐えられるぞ?
 
「駄目だったら、由香はご主人様をまんぞくさせられなかった罰をうけちゃうんだよ。その罰が終わったら、またごほーしさせて貰うの」
 
なるほど。その後は時間か俺の体力が尽きるまで、罰と御褒美の繰り返しか。
四年前の秘密の遊びと、根本的には同じだな。『遊び』じゃないところが違うけど。
 
 
由香、お前はホントの本当に変態だね。
そうむくれるな。俺はそんなお前が、えっちでどマゾの変態妹が大好きなんだから。
 
 
「由香ちゃんの心構えは奴隷の鑑だと思うけど、若いうちから激しい調教を受けるのは母さん感心しないわ。身体に良くないもの」
 
そうだね。由香には最低でも野球チームが作れるぐらい産んで貰う予定だし。
 
「はぁい。‥でも、やっぱり由香にもちょーきょーして欲しいな。お母さんのはんぶんぐらいで良いから」
 
うんうん。しっとりねっとり穏やかに、お前のマゾ心を満足させてやるから楽しみにしていなさい妹よ。
おっと、そう言えばまだ「ただいま」のキスしてないな。
 
 
抱きかかえていた母さんを新調したマットとゆうか絨毯の上に降ろして、俺は妹と「ただいま&おかえりなさい」の口付けを交わす。
 
 
「大輔‥‥」
 
玄関の上がり口に敷かれた中東産絨毯に横たわった母さんは、文字通り目の前で血を分けた兄妹‥自分の息子と娘‥が愛情たっぷりに舌を絡め合う様子を見て、辛抱たまらなくなったようだ。
俺の手首に触れている掌から、母さんの欲望が伝わってくる。
 
どうしたの、母さん?
 
「意地悪‥しちゃ 嫌」
 
意地悪? 何のこと? はっきり言ってくれないと解らないなあ。
 
 
仰向けの母さんは、潤んだ瞳で俺を見上げ両手を差し伸べて
 
「来て、大輔。母さんを犯して」
 
と言った。
 
 
 
犯すだけで良いのかい、母さん?
 
「嫌! 膣(なか)に出して種付けしてくれなきゃ嫌よ! 母さんを、美香を、貴方の母奴隷を孕ませて! 母さん大輔の赤ちゃん産みたいの!」
 
よく言えました。十二時間以上かけて溜め込んだ子種を注いでやるから、しっかりと子宮で受け止めるんだよ。
 
 
 
 
 
母さんの胸を揉み、しゃぶり、吸い付き、甘噛みする。
由香はもう片方の乳房を愛撫しながら、母さんと「おかえりなさい」の口付けを交わしている。
 
「え、もう始まってるのかい?」
 
親子三人で前戯代わりに愛の交歓を成していると、寝室の扉が開いてメイド服姿の朔夜が出てきた。
そんな所に居たのか。出迎えに来てないから、部屋で寝ているのかと思ったよ。
 
「もー 朔夜ちゃんおそすぎだよー」
 
 
ただいま、朔夜。
 
「おかえり、ハニー」
 
これまた濃厚な口付けを交わした後で我が幼馴染みから受けた説明によると、母さんから俺と一緒に帰ると連絡が来た丁度その時に、由香と朔夜は通販で届いたメイド服を試着していたのだそうだ。
 
で、せっかくだからと メイド姿で「おかえりなさいませ御主人様」をやろうとしたのだが、朔夜はメイド服の着こなしがどうも上手く行かなかった。
今の今まで姿見の前で頑張っていたのだが、先程の母さんの声を聞いて俺たちが帰ってきたのが分かったので、諦めて出てきた。とゆう事らしい。
 
ふむ、言われてみれば 朔夜のメイド服は半回りぐらい小さいサイズのようですな。袖丈とか微妙に足りない気がする。
 
「うーん、やっばり沙希ちゃんの服だと朔夜ちゃんには足りないかなー」
 
義母と「おかえりなさい」のキスを交わす兄嫁を見て、由香は腕を組み小首を傾げる。
 
 
‥‥待てコラ。要はサイズの合わない服を着させた上に途中で見捨てたお前が悪いんじゃないか、妹よ。
後でお仕置きな。おしりペンペン十回。
 
「えー!?」
 
だまらっしゃい。あと朔夜に謝れ。謝らないと二十回に増やすぞ。
 
「‥‥ごめんなさい朔夜ちゃん」
 
「ハニー、僕がぐずぐずしていたのが悪いんだ。だから由香ちゃんには罰を与えないでおくれ」
 
朔夜。これは家庭内の躾とゆう意味もあるが、ハーレム内の懲罰人事でもあるんだ。口を挟まないでくれ。
 
「だったら尚更だよ。僕は由香ちゃんの配下なんだよ。下役の不始末で上司が罰を受けるのに、当の本人がお咎めなしとはいかないよ」
 
 
何時の間にやら勝手に出来てしまった俺の後宮(ハーレム)は、五つの階級に分かれている。
そのうち第二から第五階級に属するハーレム構成員は、例外なく第一階級に属する三人のうち誰かの配下となるのだ。
 
で、協議の結果 朔夜は第二階級の『住み妻』であり、由香の配下とゆうことになっている。
母さんには既に市子さんが配下にいるので、バランスを取るために朔夜を由香の下に付けたようだ。
まあ、本人たちがそれで納得しているのなら、俺としては一向に構わない訳だが。
 
 
良し解った。
朔夜は俺を出迎えるのが遅れた罪で尻叩き五回。由香はその原因を作り更に朔夜への指導を怠った罪で同じく尻叩き五回。これで良いな。
 
「うん♪」
「それで良いよ」
 
 
うむ。これで一件落着 と思いきや
 
「貴女たち、御主人様に向かってそんな口の利き方がありますか」
 
美香は、嬉しそうに頷くメイド姿の娘たちを叱りつけた。
 
 
 
うーむ、確かに躾が行き届いてないのは問題だな。
ハーレムのまとめ役とゆうか教育係として責任を取れよ、美香。
 
そう言って 着衣を乱したまま上がり口に正座した母さんの乳首をきつく摘んでやると、母さんは瞳を潤ませて微笑んだ。
 
「‥‥はい。御主人様、どうかこの雌犬を躾なおしてくださいませ」
 
 
娘たちと一緒に罰を受けるとゆう、家族愛に満たされる嬉しさ。
実母妻として息子の欲望を受け止め、なぶりものにされる喜び。
美香の悦楽と欲望が、乳首を摘んだ指先から脈動と共に伝わって来る。
 
やれやれ。やっぱり自分だけ罰を貰えないのが嫌だったのか。真性のマゾ女を嫁にすると何かと大変じゃのう。
 
 
良し、三人とも立って尻を出せ。そんなに罰が欲しいなら、嫌と言うほどくれてやる。
 
 
 
 
と、まあこんな風に、我が家の夜は平穏に過ぎていった。
今日のところは、な。ハリセンボンも出なかったし。
 
 
ただし、平穏ではあっても暇ではない。
 
尻を叩かれて欲情した母さんにその場で種付けを行ったり
風呂場で由香と思い出話をしながらいちゃついたり
宿題やら何やら日常の雑事を片づけたり
悪魔から指導を受けつつ訓練に励んだり 
‥‥と、まだまだ小規模とはいえ ハーレム王の夜は忙しい。
 
今夜は家庭内乱交をやらないので、まだマシなのじゃがな。
流石にアレを毎晩続ける根性はない。
 
 
そんな訳でこの夜も忙しく過ごした。
一応夜中過ぎまでは起きていたのだが、朔夜と一戦済ませると眠くなってきたので、そのまま照明を暗くして、互いを抱き枕代わりに寝ることにした。
 
 
あの絨毯の送り主を含めて、世界にはハーレム持ちが山ほど居るんだろうな。
だが、こんなに抱き心地の良い抱き枕を持っているのは俺だけだろう。自分の幸せっぷりを実感するひとときだ。
 
 
 
明日も頑張ろう。未だに青写真が見えない、俺の王国を建設するために。
王国に囲い込む妻たちと、その子供たちのために。
俺と俺の家族のために。
 
 

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