警告!!
 
 
この物語はフィクションであり、現実に存在する全ての人物・団体・事件・民族・理念・思想・宗教・学問等とは一切関係ありません。
現実と虚構の区別がつかない人は、以下の文を読まずに直ちに撤退して下さい。
 
この物語は 十八歳未満の読者には不適切な表現が含まれています。何かの間違いでこの文を読んでいる十八歳未満の方は、直ちに撤退してください。
 
なお、エロス描写に関して峯田はど素人です。未熟拙劣をお許しください。
ジャンル的には 現代・ファンタジー・アイテム・鬼畜・電波・近親・ロリ・洗脳・孕ませ・ハーレム ものではないかと思われます
 
作品中に 読者に不快感を与える要素が含まれておりますが、峯田作品の仕様であります。ご注意ください。
 
作品中に 所々寒いギャグが含まれておりますが、峯田作品の仕様であります。ご勘弁ください。
 
この物語は T.C様 【ラグナロック】様 難でも家様 きのとはじめ氏 のご支援ご協力を受けて完成いたしました。感謝いたします。
 
 

 
 
 
 
 
                 『ソウルブリーダー 〜無免許版〜 その6』
 
 
 
 
俺の名は与渡大輔。17歳。
とても普通とは言えない高校二年生だ。
 
 
普通の高校生は、可愛くて素直で健気でいじらしくってちょっぴりマゾっ気のある妹なんて持ってないし‥
更にその妹と、土曜の昼下がりに結ばれたりはしないだろうからな!
 
そう、俺と由香はついに結ばれたのだ。
最高とまでは言えないかもしれんが、まずまずの初体験だったと思う。由香も途中からは楽しんでくれたからのー。
 
 
ただ、思いもよらぬ失態を引き起こしてしまいました。 
俺は大ピンチかもしれません。
 
母さんに 見られてしまいました。
全裸の俺と妹が、破瓜の血と精液と汗にまみれた妹のベッドの上で戯れているところを見られてしまいました。
 
 
拙いです。
 
まさか ここまであっさりバレるとは思いませんでした。
どうしよう‥ 母さんは滅多に怒る人じゃないが、その分一度怒ると手に負えない。
なんせ、由香の母親じゃからのー。
 
 
 
 
「お、お兄ちゃん‥」
 
不安げに見上げてくる妹の顔は、すっかり血の気が引いてしまっている。
 
いかんいかん。
俺は何があっても由香を守ると決めたのではないのか。
怯えさせてどうする。
 
 
 
いや待てよ。考え様によっては、これはチャンスかもしれん。
 
「え?」
 
考えてもみなさい。
一つ屋根の下でいちゃいちゃしていたら、いずれはバレるんだ。
いきなり不特定多数に知られてしまうことに比べれば、母さん一人に知られたことが何だとゆうのだ。
 
俺は 絶対に由香と別れたりしないからな。
何が何でも添い遂げてみせる。たとえ悪魔の力を使ってでも。
 
だから安心していなさい、妹よ。
俺は今から着替えて 母さんと話を着けてくるから、悪いがこの部屋の掃除を頼む。
埋め合わせに今度ケーキでもなんでも奢ってやるから、な。頼むよ。
 
「おにいちゃん、一人で大丈夫なの?」
 
ああ、任せておけ。
必ず母さんを『説得』してみせる。にいちゃんを信じなさい。
 
 
 
 
 
事の成り行き次第では母さんを魔界アイテムの餌食にしてでも‥ と鬼畜な決意を固めた俺が自分の部屋に入ると、そこには本物の悪魔が胡座かいて座ってました。
 
「‥ほう。良い眼つきになったな、支配者よ。童貞を捨てたか」
 
くっくっくっくっ と厭らしく笑うへっぽこ悪魔の顔面めがけて、俺は部屋の戸口に転がっていた、通販で買ったダンベルを拾って投げつける。
支配されてる割には態度がでかい黒タイツ姿の悪魔は、俺が投げつけたダンベルを顔面直前で受け止めた。
 
こいつは悪魔のサタえもん。大悪魔サタナエルの眷属の下っ端の使い走りぐらいに位置する、もの凄く頭が悪い最下級悪魔だ。
 
手前ぇ、今までどこで油売ってやがった。
 
 
「そう怒るな。貴様の為に色々と物色していたんだ」
 
まあいい。で、俺が置かれている状況は理解してるんだろうな。
 
 
「ああ、俺とお前は心で通じ合っているからな、我が支配者よ」
 
‥気持ち悪いから、そうゆう言い方はやめろ。
身長2メートル強。推定体重140キロ以上。アメコミヒーロー調の筋肉隆々の体に、ぴったりとはりつく黒タイツ(顔だけ露出) 額に小さく短い二本の角有り。
顔はゴッツイ系。尻から細くて長くて先端に鏃みたいなものがついた「悪魔の尻尾」が生えている悪魔に言われて嬉しくなるような台詞じゃねーよ。どう考えても。 
嫌がらせにしか聞こえんわい。
 
ちなみにサタえもんの股間に生殖器は無い。全身タイツ姿でも、もっこりとしてはいないのだ。
 
 
 
「実を言うとな、支配者よ。俺は1時間以上前に地上へ着いていたんだ」
 
なに?
 
「貴様と貴様の妹が実に良い雰囲気だったのでな。邪魔するのもなんだと思って街の方をぶらついて時間を潰していたんだ。下見を兼ねてな」
 
つまりなにか? サタえもん。お前が街に行かずに俺の部屋にでもずっと居たら‥
 
「うむ。俺が貴様の母親の帰宅に気付いていただろうから、このような事態にはなっていなかったかもしれんな」
 
 
まあ、いいさ。過ぎたことは仕方ない。
 
それに初体験の最中にお前が帰ってきたことを俺が知ったなら、家から追い出してただろうからな。
結果は大して変わらないだろう。
 
 
 
で、サタえもんよ。それだけ余裕かましているからには、何か良い策があるんだろうな?
 
 
「任せろ。こいつは今までの道具とはモノが違うぜ」
 
黒タイツ悪魔が自信たっぷりに出してきたのは、集積回路やダイオードがいっぱい付いた基板だった。
俺愛用のマシンに入ってるマザーボードそっくりな、プラスチック上の回路に電子部品がハンダで溶着されている、あの基板だ。
 
なんじゃい これは?
 
 
「これが『幸せ回路』だ」
 
幸せ回路(ハッピーサーキット)? 
それは昼高生の脳内に標準装備されているとゆう、「何があっても自分の都合の良いように解釈してしまう脳内の認識構造」のことか?
 
「原理的には同じ物だ。これを埋め込まれた人間は『何が起きても幸せになってしまう』んだ。早い話が、これを貴様の母親に埋め込めば‥」
 
ええと‥ 埋め込んでから俺と由香がえっちしている所を見せれば、母さんは「息子と娘が近親相姦することが幸せ」だと思い込むようになる‥のか?
 
「正解だ。こういったことは相変わらず飲み込みが早いな、支配者よ」
 
それって凄いアイテムじゃないか!? なんでそうゆうものを最初から出さないんだよ!
 
「こいつは俺の家にある道具のなかでも一番高価なんだ。気軽に持ち歩けるかよ!」
 
む、むう。そうなのか。
 
なにはともあれ、このアイテムなら一気に問題解決できそうだな。
詳しい使い方を説明しろ。
 
 
 
 
 
俺に迷いはない。
妹との幸せな実質上新婚生活のためなら、母さんにだって容赦はしない。
そんな鬼畜な覚悟を決めている上に、この魔界アイテム『幸せ回路』は文字通り母さんを幸せにしてあげれるアイテムなのだ。無理矢理に、だけど。
躊躇う理由はない。
 
待っていてくれ母さん。直ぐに俺と由香が母さんを『幸せ』にしてあげるからね。
 
 
 
そんなわけで俺が俺以外には見えない悪魔を引き連れて階下に下りると‥
母さんは丁度地下室から上がってきた所でした。
 
先手必勝!
俺は母さんの頭に『幸せ回路』を突き刺した。基板は蒟蒻玉に包丁を突き刺したのと同じくらいの抵抗感を残して母さんの額にめり込んでいく。
良し、基板の端のダイオードが額から覗く程度まで埋め込んだぞ。
 
『幸せ回路』作動せよ。
 
母さんの額に出ているダイオードがチカチカと点滅している。あの光が『幸せ回路』が作動している証拠なのだ。
今、母さんの頭の中では「息子に何かを頭に差し込まれることは幸せ」だとゆう観念が書き込まれているんだ。
 
 
と、このように『幸せ回路』は差し込んだ人間またはそれに準ずる知的生物を無理矢理幸せにしてしまい、しかもその幸せを価値観として脳に書き込んでしまうとゆう恐るべきアイテムなのだが、効果はそれだけではない。
『幸せ回路』で幸せになった直後の人間は、催眠状態に近い状態になる。マインドコントロールへの耐性が殆どなくなってしまうのだ。
 
 
‥なんとも恐ろしい道具じゃのう。
使いようによっては、政府の一つや二つ乗っ取るぐらいのことは出来そうだ。
 
 
無論『幸せ回路』にも弱点はある。
 
まず一つは、『幸せ回路』を差し込まれてしまった人間は なにがあっても幸せになってしまう とゆうことだ。
 
今、昼高生か何処かのヤンキーが俺にお礼参りに来て、俺の家に乗り込んできて俺の頭をかち割ったとする。
そうなった場合でも、母さんは全てを喜びとして受け取ってしまうのだ。
『幸せ回路』が動いている限りは、地震が起ころうが火事が起ころうが押し込み強盗に入られようが、強盗に殴られようが剥かれようが犯されようが‥その全てが幸せな行為になってしまう。
 
『幸せ回路』は 邪魔の入らない安心できる場所で、じっくりと使うべきアイテムだな。
 
 
二つ目の弱点は 『幸せ回路』作動中の人間は暗示にかかり易くなるのだが、その際に刷り込む情報源を特定できない とゆうことだ。
つまり 今の母さんが『インチキ新興宗教と呼んだら全世界の新興宗教から侮辱罪で訴えられそうな似非カルト』の説法冊子を読みでもしたら、それだけで洗脳されてしまい熱心な信徒になりかねない とゆうことだ。
 
第一の弱点と同じく 『幸せ回路』は第三者の介入‥それが雑音レベルであっても‥を避けた状況で使われるべきアイテムだとゆうことになるな。
 
 
最後にもう一つ、『幸せ回路』の魔力は自動的にチャージされない。
 
三人も洗脳すれば魔力を使い切ってしまうし、俺やサタえもんの魔力では魔力を再充填(リチャージ)できない。
そして魔界の業者に再充填してもらうと、目の玉が飛び出るような料金を要求されてしまうそうなのだ。
サタえもんの懐具合では燃料代を払いきれないから、滅多矢鱈に使える代物ではない訳だ。
 
 
 
 
 
おや? 母さん、ワインの瓶を持ってるぞ?
 
まさか母さん、衝撃のあまりキッチンドリンカーに‥ なるわけないか。
そこまでショックを受けている様子は無いし、持っているワインはかなり値の張るボトルだ。
俺はワインの味なんぞ解らない男だが、確かこのワインは父さんが「何か祝い事があったら飲もう」とか言ってた代物じゃないのか?
 
どうしたの? 母さん。
 
 
「どう‥って、お祝いしようかと思って」
 
お祝い?
 
「そう、お祝い。大輔も飲む?」
 
 
 
 
 
とゆうわけで 俺は母さんに連れられてリビングまで来てしまいました。
父さんとっときのワインを開けて、二人で飲んでます。
相変わらずワインの味は解らんがのー。
ロマネなんとかよりも、一本500円のワイン風カクテルの方が美味く感じてしまうのだから仕方ないじゃないか。
 
いやあ、凄いなあ『幸せ回路』の力は。母さん、息子が実の妹を犯しちゃったのに祝杯上げちゃってますよ。
 
「支配者よ、それを現実逃避と言うのだと思うぞ」
 
解ってるよ畜生。なんだかよく分からんが何かおかしいのは分かってる。
一体何なんだ、母さんのこの反応は。
 
 
 
 
 
とりあえず俺と由香のことについて、言うべきことを言おうとしたのだが‥
母さんは黙って古びた大きな封筒を、俺に差し出してきた。
封筒は厚紙製で、ボタンと糸で封をするものだ。かなり古びたもののようだが‥「開けろ」‥とゆーことだよな、これは。
 
 
どれどれ。
 
中に入っていたのは数枚の書類だった。
戸籍謄本の写しに‥爺さんと両親の念書。死亡届の写しに‥誕生届の写しが一枚ずつ。
 
おや? 母さん、戸籍では 俺は一人っ子になってますよ?
 
 
「そうよ。その書類に書いてあるように、由香は死んだ美玖姉さんの子なの。‥大輔も美玖伯母さんのこと憶えているでしょ?」
 
そりゃ憶えてるけど‥ 
美玖伯母さんは‥ 髪を長く伸ばした、すらりとした長身の人だったなあ‥ 顔はあんまし母さんには似てなかったと思う。
和服が似合う、いつも落ち着いていて静かな雰囲気の‥ って、ちょっと待った!
 
由香は、実の妹じゃあないって!? 
 
じゃあ‥じゃあ‥ あの子は、臨月の母さんのお腹の中から俺の手を元気に蹴飛ばしていた‥ 
あの子は、俺が産まれる日を指折り待っていた妹は‥どうなったんだ?
 
 
「今は二階にいるわよ。‥いえ、下りてきたみたいね」 
 
ああ、微かな足音とドアの開閉音が聞こえる。
由香が洗濯室に入ったのだろう。あのシーツは洗っても使えないと思うんじゃがのー。
 
‥て、やっぱりあの子は由香なんだよね? そうだよね母さん。
 
 
「ええ。貴方たちは二人とも、母さんがお腹を痛めて産んだ子です。でも、戸籍の上では由香は美玖姉さんの子供とゆうことになっているの」
 
はぁ。やっぱりそうだったか。
まあ母さんと由香は顔からしてよく似てるしなあ。しかし‥なんでまたそんなややこしいことに?
 
「それについては、話すと長い話になるわよ」
 
 
いいよ。長くなって構わないから聞かせて欲しい。
水でも飲みながら聞かせて貰うよ。酒飲みながらだと酔い潰れそうだし。
 
‥と 俺がリビングのソファから立って台所に向かおうとすると、サタえもんの奴がリビングの隅で体育座りになってぶつぶつ独り言を言っている姿が見えました。
 
ああ、そうだよな。
せっかくの再デビューとゆうか装備整えて意気込んで帰ってきたのに、見事に空振りしちゃったんだもんなあ。
馬鹿高いリチャージ料金が掛かる高級アイテムも、意味がなくなっちまったし‥ 
 
しっかりしろサタえもん。今にきっと良いことがあるさ。
飲むか? 料理用に使ってるが、れっきとした純米酒だぞ。摘みも付けてやるから。
 
 
そして、台所に置いてあった一升瓶と冷蔵庫から出した生のチクワと魚肉ソーセージ(90g)を受け取った黒タイツ悪魔は部屋の隅で自棄酒を始め‥ 
 
母さんは俺に事の顛末を語り始めた。
 
 
 
 
 
与渡家は、戦災孤児だった俺の祖父母 与渡源一郎と与渡亜紀(よわたりあき)が一代で起こした家だ。いわゆる戦後成金だな。
 
米軍に焼き払われた瓦礫の中に建てられたあばら家の街で、爺さんと婆さん‥実はサタえもんもいたそうだ‥が進駐軍のMP(憲兵)やギャング団やヤクザ屋さんを相手に大暴れして、以後の発展の基礎を築いたらしい。
 
今では、この街の雇用の二割と税収の四割近くが 我が一族とその関連企業によってもたらされているのだ。
特に取り得とゆう程の物も無い俺が、街で幅を利かせていられる理由が分かるじゃろ?
 
まあ、歴史が浅い分 金○一耕介もののシリーズに出てくるような旧家名家と違って、与渡家にはドロドロとした血の宿命なんぞは無いがな。
 
‥と今までの俺は考えていたのだが、実は有るらしい。
 
 
 
 
「与渡一族‥いいえ、お爺さんの子や孫には不思議な力を持つ人が生まれるのよ。母さんにはそんな力は殆どないけどね」
 
はぁ 不思議な力ですか。
言っちゃあなんですが母さん、俺は魔術だの超能力だのには懐疑的なんですが。
 
これは嘘じゃない。元々オカルト的現象には懐疑的だったし、本物の悪魔と出くわしてからは尚更、超能力者だの霊媒師だのに対する不信感は強くなっている。
 
そりゃ確かに悪魔は実在するし、世の中には魔法も実在していて、捜せば魔法使いだって居るのだろう。
リビングの隅じゃあ、生きた証拠が自棄酒呷ってるしな。
 
だけど それだけに本物と偽物の違いが分かるようになった。
超能力者や霊能者を自称する奴らの、九割九分九厘は偽物だ。
詐欺師か芸人か、そうでなければ虚構と現実の区別が付かなくなった可愛そうな人達なのじゃよ。
 
 
「でも、中には本物が居ることも認めているんでしょ?」
 
まあ、そうゆうことになりますかね。
‥ふむ。母さんは魔界アイテムの力を『霊能』みたいなものだと考えているのか。
 
 
「お爺さんだけじゃなくて、継次郎伯父さんも不思議な力を持っていたわ。沙希ちゃんにも、その力は受け継がれているのよ」
 
うーむ‥ 確かに沙希ねぇのハイスペック振りは尋常ではないしのう。
天才とかのありきたりな語句では表現が追いつかないあの超絶性能は、何らかの魔界アイテムによってパラメータが底上げされた結果なのだろうか?
 
 
「母さんも、一度だけ不思議な体験をしたこともあるけど‥ あれは母さんじゃなくて大輔か由香の力だと思うの」
 
なんですか、そりゃ?
 
「あの雨の日のことよ」
 
雨の日‥ って、あの由香がいなくなった日のこと?
 
「ええ。あの日の橋の下のことよ。母さんが病院で寝込んでいたときに、夢の中で見たのよ。由香が砂州に取り残されてしまう所から、大輔が由香を背負って一緒に飛び込む所まで」
 
所謂『虫の知らせ』ですかい。偶然か、あるいは錯覚だよ それは。
 
「大輔は最初由香を背負ったまま上着を着ようとしていたわ。でも上着の大きさが足りなくてジッパーが届かなかった。貴方は「畜生」と悪態をついて上着を脱いで、今度は上着の袖を縄の代わりにして背負った由香を縛りつけようとしたけど、手が滑って上着を落としてしまったわね。そして上着は河の水に流されてしまった。でも貴方は由香を安心させようと「いや、この方が良い。服は水を吸うから泳ぎ難くなる」と言ってズボンのポケットから白い細紐を取り出して‥」
 
ストップストップ! なんなんだよその矢鱈詳しい夢は!? 
 
「母さんが見た夢と大輔の記憶、どこか違うところがあるかしら?」
 
いや確かに、そうゆうアクシデントは有ったけどさ。
でもそりゃ母さんが由香から聞いた話を、夢で見たと勘違いしているだけなんじゃないの?
 
 
「本当に疑り深い子ねえ‥ 良いわよ、別に信じなくても。後で由香に雨の日の事を人に話したかどうか訊いてみたら?」
 
と、母さんは議論を投げ出してしまった。息子の頑迷さに少なからず傷付いてしまったらしい。
 
む、むう。しかし、母さんには悪いが信じられんよなぁ‥ 俺の周りにはオカルト現象なんて転がっている筈が無いんだ。
俺に有るのは、魔界アイテムを使うことが出来る魔力だけ‥ だよな、サタえもん?
 
「さあな。有ってもおかしくは無いと思うが、断言は出来んな。貴様の母親には不活性型とはいえ、それなりの魔力がある。偶然にでも回線が繋がれば、貴様の見ているものを夢で見るぐらいのことは出来るだろうよ」
 
結局分からないんだな。
なら、最初から「分かりません」と一言で言えよ、このヘボ悪魔。
 
 
 
 
 
さてと、ここらで与渡一族‥ 俺の親戚についてざっと説明しておこう。
 
まず、一族を興したのが爺さんと婆さん。
そのうち爺さんの方は去年他界した。婆さんは別荘に隠居して養生しながら暮らしている。
 
 
爺さんの長男で、与渡一族本家を継いだのが継次郎(けいじろう)伯父さん。
ただし伯父さん夫婦は7年前に死んでしまった。
 
まぁ 継次郎伯父さんは元々身体が丈夫ではなかったらしいがな。
看病疲れからか、病死した伯父さんを追うように伯母さんも亡くなってしまった。
葬式も納骨も夫婦一緒になってしまったが、何もそこまで夫婦仲良くしなくても良いと思う。
残された者の身にもなって欲しい。
 
継次郎伯父さんの一人娘が、沙希ねぇだ。もうすぐ18歳。
 
 
 
そして、次男‥とゆうことになっているが、実は養子なのが豊三郎(とよさぶろう)伯父さん。
豊三郎伯父さんはやり手の企業家で、重要な事業を幾つも任されているけど、養子だから本家を継ぐ権利は持っていないのだそうだ。
与渡家は血族経営を重視しているからのー。
 
豊三郎伯父さんの所は、夫婦も二人の娘も元気だ。
俺の従妹の双子姉妹、巴(ともえ)ちゃんと円(まどか)ちゃんは小学六年生。豊三郎伯父さんと血縁でない以上、この二人も俺と血の繋がりはないわけだな。
 
 
 
長女が美玖(みく)伯母さん。この人も既に故人だ。
14年前に子供を産もうとして、親子諸共に死んでしまった。法律上では、由香はこの人の子供とゆうことになっている。
美玖伯母さんの夫について、俺はよく知らない。美玖伯母さんに先立つこと半年ほど前に死んでしまったそうだ。
故人には悪いが、全く憶えてない。最後に会ったのは物心つく前だからなあ。
 
 
 
最後が末娘である俺の母親、与渡美香(みか)だ。
婿入りしてきた夫に先立たれ、今は17歳の息子と14歳の娘(法律上は姪)と三人で暮らしている。
 
 
これで終わり。
たった四家、しかも大人(成人)4名子供(未成年)5名の計9名しかいないのだ。
つーか、死亡率高過ぎじゃねーのか 我が一族は?
 
 
「それが戸籍を分けた理由よ。大輔、貴方と由香は一族の希望だったの。初めて生まれた、健康な孫なんだもの」
 
 
そうなのだ。
今でこそガ○ダムもかくやのハイスペック振りを発揮している沙希ねぇだが、実は幼い頃は病弱さんだった。
内臓に質の悪い疾患を複数抱えていて、10年前には生死が掛かった大手術を受けた程だ。
 
名医の執刀や爺さん始め一族の奔走もあって なんとか大手術を乗り切り、その後はゆっくりとだが病状も良くなっていった。
伯父さん夫婦には是非とも生きていて欲しかった。今の元気な沙希ねぇの姿を見て欲しいよ。
 
 
と、まあ 今はすっかり元気になった沙希ねぇだが、小学校低学年の頃までは半病人だったのだ。
 
ガキの頃の俺ら‥俺と沙希ねぇと由香が延々と『おままごと』で遊んでいたのは、そうゆう事情があるんじゃよ。
海や山への遠出は論外、走ったり飛んだりの激しい運動も駄目‥ときたら、後は絵本とか折り紙とかおままごととかの、大人しい遊びしかないじゃろ?
 
そんな訳で過ぎし日の俺は、おままごとの中とはいえ美人の従姉と可愛い妹の二人と重婚しているとゆう、なんとも幸せな奴だったのじゃよ。
 
 
 
 
さてと、話を戻そう。
 
由香が生まれる前は、与渡一族の大人たちの危機意識は相当なものだったようだ。
一族の大人は老人と病人と死人だらけの状態だから、無理もないがな。
肝心の孫も、本家の総領娘は成人どころか歳が二桁になるまで生き延びれるかどうか分からない状態で、人並みがそれ以上に丈夫な孫は 俺一人だけだった。
 
さぁて、ここが問題だ。
与渡一族が生き延びるには、母さんの言う不思議な力‥つまり魔界アイテムを使いこなせるだけの魔力を持った子供が必要だ。
そして、14年前の時点では 『健康』で『強い魔力を持つ』一族の子供は、俺と由香しか居なかったのだ。
 
 
この場合の『健康』ってのは体力だけの問題じゃない。与渡一族には、宿業とゆうか何かの呪いのような運命があるんだ。
その呪いとは‥ 与渡一族の者は子供を何人か作ると死んでしまうか、あるいは生殖能力を失ってしまうのだ。
 
一番丈夫だった爺さん婆さんが作った子供が計四人。四人目の‥俺の母親を作った時点で祖父母は生殖能力を失ってしまった。
 
父さんが二人。継次郎伯父さんが一人。美玖伯母さんに至っては、母子共に命を落としてしまった。
 
 
だが、俺と由香は何人でも‥とはいかないが、日本人の平均程度には子作りできる。子供を作っても特に危険はない。
それがこの場合の『健康』とゆうことだ。
これは母さんの遺伝らしい。
母さんは与渡一族の例外的存在で、魔力は高いが自分では使えない体質なんだ。
 
厳密に言えば 俺と由香との子作りは近親交配ゆえの危険性があるのだが、致死率50%に及ぶ宿業に比べれば大した危険ではない。
そもそも近親交配の危険性は、些か過剰に喧伝されている嫌いがあるからな。
 
別に 近親相姦に危険性が無いとは言っておらんよ? 
遺伝子上の問題よりも精神的・社会的な問題の方が大きい と言いたいだけじゃよ。
 
 
 
 
だから俺の両親始め親戚一同は結託して、由香を俺の従妹にしてしまった。
法律上は、だけどな。
 
俺と由香が兄妹のままだと、結婚させることも子供を作らせることも難しい。
しかし従兄妹どうしなら、将来好き合うようになってもならなくても、どちらにでも対応できる。
好き合うようになったら結婚させれば良いし、そうでなければそれぞれ嫁さんや婿を取れば良い訳だ。
 
両親始め一族の大人たちは 俺と由香の組み合わせなら、絶対確実に『健康で強い魔力を持つ子供』が作れる、と踏んでいるらしい。
一方 俺と由香が外部から嫁なり婿なりを貰って子供を作ったとしても、必ずしも望ましい能力を持つ子供が産まれるとは限らない。
 
早い話が、俺と妹は可能な限り結ばれるべきだと考えられていたんだ。
そのために一族皆で示し合わせて、戸籍を偽って登録したのだ。俺たちが結ばれる際の障害を少しでも減らす為にな。
 
全ては一族の存続と繁栄のため、とゆうわけだ。
素晴らしい! 畜生。
 
 
 
 
 
 
なるほど解ったよ。つまり俺と由香が結ばれることは、母さんの予測範囲内だったわけだ。
道理で怒らないはずだよ。
いや‥祝杯上げてるってことは、むしろ母さんにとっては望ましい展開なんだろうな。
実の息子と娘が、近親愛の末に家庭内不純異性交遊に耽っていることが。
 
「ええ。近親愛‥なかでも兄妹姉弟の愛こそ至上の愛だもの。一つ屋根の下で育った兄妹が真実の愛で結ばれる‥ なんて素晴らしいのかしら」
 
 
母さんは起きながら夢でも見ているような口調で、恐ろしい事をのたもうた。うっとりと宙に視線を漂わせている。
額に露出しているダイオードは点滅していない。
とゆうことは、『幸せ回路』の効果じゃなくって素の状態での発言だよ これは。
母さんはマジ者の近親愛願望者だったのか。
 
 
あのさ母さん。親子とはいえ、他者に妙な理想像を押し付けないで欲しいんだけど。 
 
すると何? 俺と由香は母さんの理想とする恋愛を成就するために存在するの?
俺らは道具なのか? 種馬と雌馬なのか?
 
 
「違うわ。母さんは貴方達に真実の愛を知って欲しかっただけよ」
 
これが大マジの発言だから怖いな。
あのさ、何で母さんに兄妹の愛が最高だと解るわけ?
 
「大輔は由香のこと大好きでしょ? 誰にも渡したくないでしょ? 母さんには解るわよ。父さんと母さんも、貴方達と同じだもの」
 
‥‥はい?
 
 
「父さんはお爺さんの隠し子、母さんの異母兄なのよ。母さんは父さん‥英輔さんに兄妹で愛し合う幸せを教えて貰ったの」 
 
なんてこったい。俺と由香は近親婚の産物でしたよ。
 
 
 
 
 
それから先のことは、余りにも長くなるので幾らか端折らせて貰う。
 
 
俺は『幸せ回路』の洗脳効果を使って、母さんから情報を引き出した。
その結果分かったことは、かなり衝撃的だった。
 
 
我が愛しの妹よ。お前は産まれたときから、いやその遥か前から俺と結ばれるために生み出された存在なのだそうだ。
 
滅亡の縁に立たされていた我が一族に、突如現れた希望が俺で‥ 
俺と掛け合わせるために、三年の歳月をかけて施された儀式と術式で気質・体質から星の巡り合わせまで、俺と相性ぴったしになるよう計算し尽くして作られたのがお前なんだそうだ。
 
 
 
『麗しい兄妹愛』成就の為に 我が家では俺と由香に対して物心つく前から、緩やかでそれ故に避け様のないマインドコントロールが施されていた。
 
いや、マインドコントロールには違いないが、兄妹愛を過剰なまでに育むとゆう偏向さえ除けば、それは普通の家庭で言う所の『教育』とか『躾け』なのだ。
当事者(俺と由香)も第三者(ご近所の皆さん)も、不審に思うはずもない。
 
そーいや、俺の家にあった『ヘンゼルとグレーテル』の絵本は、オチが他の絵本とは違ってたよなあ‥
お菓子の家の魔女を倒すまでは一緒なのだが、幼少の頃の俺らが読んでいた絵本では、ヘンゼルとグレーテルの二人は自分らを捨てた親のこと無視して、二人だけでお菓子の家に住むことにするのじゃよ。
 
締めの決まり文句が「ふたりはいつまでもいつまでもしあわせにくらしました」で、最後の絵が お菓子の家の前でキスをする兄妹とゆう、壮絶な代物だったからなぁ‥
余談だが、俺らの読んでいたオチの方が 物語としては原型に近いらしい。
 
 
 
 
 
 
そして、四年前のあの秘密の遊戯も 半分は両親の‥いや主に父さんの思惑が入っていた。
 
 
ええ、そうです。考えてみればその傾向はありました。
夜中に目が醒めて、用足しに一階に下りたら 両親の寝室から妖しい呻き声が聞こえたりとか 寝室のドアが何故か少し開いていて、夫婦の秘め事が見えてしまったりとか な。
 
見てはいけないものを見てしまった、と感じたから早々に退散したんじゃが‥ 
あれは俺に見せ付けていたんだろうな。きっと。
 
 
 
さて 考えてみれば当然だが、俺と由香の秘密の遊びは 親にはバレバレだった。
いくら痕跡を残していないつもりでも、中学一年生と小学四年生のやることだ。何処かに必ず見落としがある。
 
それ以前に、思春期の子供がいきなり下着を自分で洗うようになったら、余程鈍い親でない限りは異変に気付くだろう。
まして ベタベタに仲の良い兄妹が、二人とも同時期に下着を自分で洗うようになったりしたら、怪しまれること請け合いだ。
 
 
 
俺の頭が悪い事は前々から自覚していたが、今度ばかりはちと凹んだぞ。
四年前の春から夏の終わりまで、母さんが毎日のように出かけていたことに、何故に疑問を持たなかったのだろう。
余りにも都合が良すぎるじゃないか。
何か月もの間 毎日毎日、ときには泊りがけで家を留守にしていたんだぞ? 少しは疑え、四年前の俺。
 
ちなみに母さんの仕事は、一応は管理職だ。
相続税対策として名義上俺と由香の財産ってことになっている、アパートとか駐車場とかの財産管理をしている。
どう考えたって、毎日毎日出掛ける必要がある仕事じゃあない。
 
聞けば、当時の母さんは俺達がいちゃつき易いように、気を利かせていてくれていたのだそうだ。
 
 
俺と由香が、戸締りしきった家の風呂場や俺の部屋で絡み合って居た頃‥
両親はホテルや一族の持ち家で、俺達の絡みを肴にいちゃついてたのだ。
 
ええ、当時の俺と由香の部屋には 隠しカメラとマイクが仕込まれていたんです。
実を言うと、今でも俺らの部屋の床下‥とゆうよりは一階の屋根裏には集音マイクが仕掛けられているのだそうだ。
素人が見付けることはまず不可能だ。なにしろ秋葉原にも売っていない、本当の最新型だからな。
 
当然ながら、俺と由香が兄妹えっちを再開したこともバレてました。
避妊は徹底しろと釘を刺された上で 「よく今まで我慢したわね」と母さんに誉められちゃったよ。
誉められても、全然嬉しくないですマイマザー。
 
 
 
 
 
 
前から変態だ変態だとは思っていたが、まさかここまで変態だとは思いませんでしたよ、父さん。
何処の世界に 実の息子と娘の近親相姦を焚きつけて、しかもその様子を隠し撮りして鑑賞しつつ夫婦で情事に耽る親が居るんですか。
ド畜生ですよ、あんた。
 
しかも 父さんは当時10歳の由香に、俺の子を孕ませるつもりだったのだ。
 
 
いくら何でも無茶だ  と、流石に一族の大人たちからも反対意見が出た。
とゆうより、推進していたのは父さんだけで、積極的な賛成者はいなかったらしい。
そりゃそうだろう。当時の由香はやっと生理が来たばかりなんだ。
妊娠も出産も、無理が有り過ぎる。
 
‥‥いやまあ、まだ数回しか月経を迎えてない妹を玩んでいた俺に、とやかく言う資格は無いかもしれんが。
 
 
母さんも、由香の妊娠には反対していた。
まぁ 自分自身が若年出産で苦労してきたから、当然だよな。母さんは16歳で俺を産んで、子育てしながら定時制の学校通ってたんだもんなあ。
そりゃ反対もするわい。
 
母さんは明らかに父さんからマインドコントロールを受けているが、マインドコントロールってのは受けた人間の価値観が歪む訳であって、人としての心がなくなってしまう訳じゃないからな。
母さんは近親愛願望者で被虐趣味者かもしれないが、娘の身を案ずる母親であることに変わりはなかったのだ。
 
 
で、夫婦の間に 由香の代わりに他の女を俺にあてがい、その人に俺の子を孕んでもらう とゆう妥協が成立したのが、四年前の八月の終わりの事だそうだ。
 
だが 父さんの不慮の死と、その後の混乱と、そしてその更に後の沙希ねぇの異様なまでの才能の発露が、状況を変えてしまった。
無理に子供を作らなくても、沙希ねぇがいれば当分の間本家は無事だと、親族も社員も皆が認めたからだ。
 
そんな訳で、俺に子供を作らせる計画は うやむやのうちに中止されたのだった。
 
 
 
 
 
父さんは 交渉事の達人だった。
 
魔界アイテムの力でな
 
 
父さんは 無類の子供好きだった。
 
二人しか子供が作れなかったから、代償行為として近所の子供を可愛がってただけだけどな。
 
 
父さんは 子供を誉めることと叱ることが上手かった。
 
マインドコントロールだったけどな。
 
 
父さんと母さんは夫婦円満そのもので、万年新婚夫婦とか言われていた
 
マインドコントロールによる家庭円満だがな。
 
 
父さんは 凄くもてる人だった。
 
これも魔界アイテム使用の容疑が濃い。そうでもないと不自然過ぎる。
 
 
父さんは 母さん一筋だった。
 
これだけは本当だったらしい。少なくとも母さんが気付く範囲内では、浮気の一つもしていないようだ。
まあ、最愛の末娘‥しかもまだ中学三年生‥を横から掻っ攫っていって、出会って二月もしないうちに孕ませた野郎が、浮気なんぞしようものなら父親(爺さん)に縊り殺されてしまうだろうがな。
 
 
 
以上を踏まえまして‥ 父さん、あなたの株価をストップ安とさせて頂きます。
もう、俺の中に居る父さんは完璧超人じゃない。エゴにまみれた、只の中年男だ。
 
 
 
 
とゆうわけで、今の俺は相当にショックを受けてます。
何? その割には平静そうに見えるとな?
 
ええ。精神とゆうか、感情の波は穏やかです。
さっきからサタえもんが、尻尾の先に付いた針で俺に精神安定剤を注射しまくってくれているからな。
 
サタえもんによれば、大悪魔サタナエルの眷属には尻尾の先に毒刺を持っている者が多いのだそうだ。
その毒は 人間の罪源である高慢・怠惰・嫉妬・好色・憤怒・大食・貪欲の七つの想念を引き出す、精神に影響を与える魔力の毒だとゆう。
 
そして毒は即ち薬。
地上界でも弱い毒が薬となることがあるように、俺の心のバランスを取るためにサタえもんは弱めた精神毒を精神安定剤として、俺に打ち込んでくれているのだ。
 
ぷすぷすぷすぷす鬱陶しいが、ここで一時の激情に囚われて暴れ出すわけにもいかんからな。
 
 
ああ、そうとも。
俺の怒りゲージは爆発寸前なのだ。
 
 
憎い。
 
完璧人間の仮面の下で、エゴに塗れた横車を押しまくってた父さんが憎い。
そんな下衆野郎を子孫繁栄の大義名分のもとに、好き勝手させていた一族が憎い。
 
何よりも、今日の今日まで太平楽こいてた自分が憎い。
無知は罪だ。
 
 
ああ、母さんの説明受け始めてから まだ1時間も過ぎてないよ。
なのに何なんだ、この急展開は。
中学生頃の俺なら‥ 否、ほんの数日前の俺なら、世を儚んで出家でもしたくなるような衝撃だよ。
 
無論、今の俺は出家なんぞ考えもしない。
俺は二日前に『真実の愛』を知ったからな。既に迷いはない。
 
勘違いするなよ、父さん。
俺と由香が真実の愛にたどり着いたのは あんたが死んで、あんたの計画がぶっ潰れたからなんだぞ?
種を蒔いたのは父さん、あんたかもしれん。だが育てたのは俺と由香なんだ。
 
とゆうか、よくも由香を危険に晒すような計画立ててくれたな。
爺さんや伯父さんたちとの間に何があったか知らないが、由香を巻き込むんじゃねえ!
由香は俺のなんだ。
たとえ父親のあんたでも、指一本触れさせはしない。未来永劫にだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さて と。
注射ご苦労、サタえもん。おかげで気分も落ち着いてきた。
 
 
色々ショックの連続だったが、大体の事情は掴んだ。
掴めちまったよ畜生。
 
掴んだ上で、今後の対応策なんだが‥俺と由香の関係については、特に予定を変える必要はないな。
二十歳で結婚して、由香が欲しがるなら子供も作る。何も問題ない。
戸籍を改竄する手間が省けたわい。
 
 
婆さん始め一族の大人たちには腹が立つが、今は置いておこう。
 
俺はもう17歳だ。今更グレるような歳じゃない。
もうとっくの昔に思春期を過ぎてしまったのだ、気に入らない事があるからといって暴れたりはしない。盗んだバイクで走り出すことが許されるのは、中学生までだ。
いやまあ、俺は原付の窃盗や故意の公共物破損はしたこと無いがな。
 
 
だが、母さんは放置できない。
 
俺は母さんを救ってあげたい。
もう四年も経つのに、未だに死人に囚われている母さんを解放してあげたい。
 
いや、正直に言おう。
俺は奪ってしまいたいのだ。
死んだくせに、未だにこの世の少なくないものを支配している父さんから、何もかも奪ってしまいたいのだ。
 
今なら、古代人が死者を紐や縄で括って埋葬した理由が分かる。知識ではなく、感情で理解できる。
死人が未練たらしくこの世に残ってんじゃねえよ、まったく。
 
父さん。
俺はあんたを殺すよ。
 
あんたを殺して、あんたのものを、死人のあんたが未練がましく握り締めているもの全てを奪ってやる。
何一つとして残してはやらないからな。
 
 
そうとも。俺は父を殺し、母を寝取るんだ。
 
父さん、俺はあんたよりも母さんを幸せにしてみせるよ。
安らかになんかしなくて良いから 見ていてくれ。
 
 
 
 
 
 
良し、まずは母さんを『説得』するか。
 
 
ねえ、母さん。母さんにとって、近親愛こそが至上の愛なんだよね。
 
「ええそうよ。だからこれからも由香のこと、可愛がってあげてね」
 
 
ふむ。『幸せ回路』、出力強化。
 
 
ねえ母さん。母さんは、俺のことが好きなんだよね?
 
「もちろんよ。母さんは大輔と由香を、この世の誰よりも愛してるわ」
 
母さん。近親愛こそが真実の愛なら、親子で愛し合うことは当然のことなんだよね?
つまり、俺と母さんは愛し合う親子なんだよね?
 
「‥え、ええ。親子なんだから愛し合うのは当然だわ」
 
ねえ母さん。俺のこと愛しているなら、証拠を見せてくれるかな?
 
「証拠?」
 
こうゆうこと。
 
 
「ちょっ ちょっと‥大輔!?」
 
母さんは 俺が母さんの上着のボタンを次々に外して脱がし始めると慌てていたが‥幸せ回路のダイオードが数回点滅すると静かになった。
母さんは「俺に服を脱がされることが幸せ」だと感じるようになったからだ。
 
 
幸せ回路の絶大な効果に気を良くした俺が、母さんの胸が見たいから見せてくれ と頼むと、母さんは‥しょうがないわねぇ‥とゆう感じの、子供の我侭な要求を喜んで受け入れる母親の表情を浮かべながら、薄物の上着を脱がせることも、更にその下のブラジャーを外すことも許してくれた。
 
今の母さんは「息子に見られること」「息子に触られること」「息子の性欲の対象になること」に、天にも昇るような幸せを感じているのだろう。
 
 
何分初めてのことなので、ブラジャーの外し方が分からず戸惑ってしまった。由香は体育用ブラしか持ってないからな。
 
「大輔、乱暴にしないで‥ 母さん逃げたりしないから」
 
困っていると、母さんが外し方を教えてくれた。なるほど、止め具を背中に向けて折ってから、上下にずらすのか。
 
母さんは服や小物よりも下着に金を掛ける主義らしく、持っている下着はどれも高級品ばかりだ。
外したばかりのこのブラジャーだって、1万やそこらじゃ済まないだろう。ちなみに色は薄めの青。サイズは70のD。
 
たゆん とゆう感じでさらけ出される大き目の胸。高校生の息子がいる二児の母にしては良い胸だ。
 
嗚呼、良い匂いじゃのう。
沙希ねぇの匂いを果物の香りと喩えるなら、母さんは燗にした酒の香りじゃのう。
嗅いでいると、くらくらしてくるわい。
 
 
しかし、母さんは目の周りを染めて恥らっている。どうしたの?
 
「だって‥母さんもう若くないもの。由香や沙希ちゃんとは比べ物にならないでしょ?」
 
う、うーむ。そりゃ十代と比べればね。
でも心配ないよ母さん。この『内臓若返り薬』を使えば良いのさ!
 
 
この魔界アイテム『内臓若返り薬』はサタえもんが魔界に一旦帰る前に巻き上げたアイテムの一つで、由香との初体験の前に説明した『内臓熟成薬』とは正反対の効果を持つ薬だ。
つまり飲めば内臓が15年、外見が7〜8年程若返る薬なのだ。
 
三十代前半の母さんが飲めば中身は十代後半で、外見は二十代半ばになる。
結婚して、或いは入社して2〜3年の若奥様か社会人か‥ 
俺の知っている女の人で言えば、元お隣さんで年下趣味な婦人警察官、犬塚麗子さんと同年代になる訳だな。
 
うむ。麗子さん並なら、充分守備範囲じゃよ。
中身とゆうか、内臓は沙希ねぇとほぼ同年代になる訳だしな。
 
 
『幸せ回路』停止。
 
 
さあ母さん、この薬を飲んで。元気になれる薬だよ。
 
 
こくこく と母さんは俺が手渡した薬‥内臓若返り薬を飲む。
 
 
「‥美味しい。これなんて栄養剤? どこで買ったの?」
 
ごめん、それ試供品で一本きりなんだ。
 
「そう。残念ね」
 
 
 
さてと‥おいサタえもん。この薬ってどれくらいで効くんだ?
 
「直ぐに効くぞ。魔界の薬は一瞬で効くのが普通だ」
 
 
おおっ 本当だ。
ダイエット用品の 使用前→使用後 の写真広告より凄い効果が、僅か数秒のうちに現れていくぞ。
流石は魔界アイテムだ。見る見るうちに若返っていくのが分かる。
 
元々皺らしい皺はなかった肌が、どんどん綺麗になっていく。色艶が数秒前とはまるで違う。
体型も腰がきゅっと細くなって尻がせり上がって、やや垂れ気味だった胸も自然に持ち上がり、胸‥いや乳の先端ではやや小ぶりになって色が薄まった乳首が つん と上を向いている。
思わずしゃぶりつきたくなるくらい、良い乳だ。
 
 
うっはあ 凄いよ。
元々水準以上の美人ではあったけど、若返った母さんはもの凄く良い女だよ。
 
今の母さんは 自家製エロビデオの中の、二十代半ばの母さんよりずっと綺麗で、なんとゆうかその‥色っぽい。
青年雑誌のグラビアにだって、これだけ良い女は年に何人も載らないぞ!?
 
これなら若奥様どころか、女子大生でも通じる。
いや服装や化粧の仕方によっては、老け顔の高校生に見間違えられかねん。母さんはちと小柄だしな。
 
こんな母親と一つ屋根の下で暮らしている息子は、ホモかロリコンでもない限り平静ではいられないだろう。実際、俺はかなり動揺している。
 
 
おい、これは一体どうゆうことなんだサタえもん。『内臓若返り薬』には美容効果もあるのか?
 
 
「いや。これが貴様の母親が本来持つべき容姿なのだろう。『内臓若返り薬』はタイムマシンではないからな」
 
む? もそっと分かり易く解説頼む。
 
「つまりだな、『内臓若返り薬』は飲んだ人間の身体を十五年前そのままに戻すのではなくてだな」
 
うんうん。
 
「飲んだ人間の内臓を 実際の年齢から十五歳引いた年齢で、その人間が理想的な健康状態になるであろう状態に変える薬なんだ。元々健康用品だからな」
 
えーと、つまり‥  どうゆうことなのかのう?
 
「こうゆうことには察しが悪いな、支配者よ。 ‥つまりな、もしもその昔は病弱だったとゆう貴様の従姉が今から『内臓若返り薬』を飲んだならば、従姉の内臓は健康極まりない三歳児のものになる とゆうことだ」
 
な、なるほど。
 
母さんは 実は老けていたのか。若年出産の影響で健康を害していたんだな。
病人てわけじゃないが、理想的な健康状態からは程遠かったんだ。
 
本来の母さんは、実年齢よりずっと若く見える人だったんだ。そこから更に7〜8年分も若返れば、そりゃ女子大生並の若さになるよなあ。
 
 
うむ。
やはり由香に子供産ませるのは、当分後にしとこう。
少なくとも骨格の成長が止まってからの方が良い。
『妹コントローラー』の底上げ効果も、俺がやったことに対しては効き難い傾向があるしな。
 
 
 
 
 
 
良し。気を取り直して、『説得』再開だ。
『幸せ回路』再起動せよ。
 
若返った母さんはすこぶるつきの良い女だから、大いに口説きがいがある。
由香も10年後には、こんな良い女になってくれるかなあ。
 
 
 
 
 
母さん。息子に触られることも、愛撫されることも、愛し合う母と子なら当然なんだよね?
 
「ええ。そうよ」
 
母さんは俺に身体を弄繰り回されることが、嬉しいんだよね?
実の息子に乳繰られることが、楽しいんだよね?
 
「勿論よ。若い男の子に、それも実の息子に女としての魅力を認めて貰えるのは‥ はぅっ‥ と、とても名誉なことだわ」
 
母さんはもう俺のなすがままだ。乳房を揉みしだかれ、乳首を指でこね回されながら喘いでいる。
 
 
 
息子とキスするのも、当然だよね。
 
「そうよ。愛し合う男女が口付けを交わすのはぁっ ‥と、当然だもの」
 
じゃ、キスしようか。
 
 
上半身裸の母さんが背伸びして俺に顔を向け、目を閉じた。
俺は屈みこむようにして、唇を合わせる。唇を軽く合わせる 所謂バードキス。
濃厚なのは後で幾らでも出来るからな。最初はやはり雰囲気を楽しみたい。
 
いやその、なんか母さんとゆうよりも‥母さん似の女子大生のお姉さんを口説いているような気分になってきたんじゃよ。
 
つーか、この乳の張りはどう見ても経産婦のものではないのう。
魔界アイテムで若返った母さんは、肉体的にはもう別人なんだろうな。
 
 
ちょっと御免よ、母さん。
 
 
俺は母さんのスカートをたくし上げて、ブラと同じ薄青色のショーツに手を伸ばした。
おお、もう濡れまくってるじゃないか。
 
「‥ああっ」
 
濡れた下着の上から性器を触られて、母さんは身悶えした。軽く逝ったらしい。
由香が感じやすいのは、母さんの遺伝だな。やはり。
 
 
 
母さんの下着の中に手を入れ、直に刺激を与えながら暗示を与えていく。
 
 
 
母さんは、実の息子に犯されたいんだね。俺と性交したいんだよね?
息子の性欲を受け止めることは、母親の幸せなんだよね?
 
「そ、そうよ。息子と交わることは、母親共通の‥ ゆ、夢なんですもの」
 
 
解ったよ母さん。母さんの望みどおり、俺が母さんを犯してあげるからね。母さんを心と体の両方で愛してあげるからね。
 
「‥あふっ う、嬉しいわっ  母さん、大輔に犯されちゃうのね?」
 
そうだよ。母さんはこれから俺と『真実の愛』を味わうんだよ。
 
 
「真実の愛‥ そ‥そんな‥  大輔は、母さんを孕ませてくれるの?」
 
おおう。そうきたか。
流石は由香の母親、母さんも妊娠願望持ちだったんだね。
 
母さんは、俺に孕ませられたいの?
 
「ええ。愛しい人に孕ませて‥も、貰う事が、女の幸せなの。 ‥はぅっ 大輔を身篭った事を知ったときの感激ったら ‥あんっ」
 
 
俺を孕んだことが、そんなに嬉しかったの?
 
「母さん不妊症だったから‥ 一生、自分の子供を見ることも触ることも出来ないと思ってたから、尚更よ」
 
 
俺や由香と違って、母さんは与渡一族の男が相手じゃないと子供が作れない。
サタえもんの解説に拠れば 実は子作りとはそのまんま魔法的行為であり、母さんの魔力は不活性タイプなので自分だけでは使えない。
故に母さんは魔力の性質が似ている男に刺激して貰った上で、その男の精子を使わないと妊娠できない ‥とゆう理屈らしい。
 
そして、母さんを作って生殖能力を失った爺さんや、病弱気味の継次郎伯父さんに母さんを妊娠させることは、到底無理だった。試す気も起きないくらい無理だった。
 
実質不妊症状態で、一生子供を産めないのだと絶望していた母さんを孕ませたのが、爺さんの隠し子‥とゆうか認知漏れした子供だった、俺と由香の父 とゆうわけだ。
 
 
良し、そろそろ止めといくか。
『幸せ回路』、出力最大だ。
 
 
 
 
母さんは、俺の子を孕みたいんだね。俺に孕ませて欲しいんだね?
 
「ええ、そうよ。大輔は母さんを孕ませることができるの! 大輔なら、母さんにもう一度女の幸せを与えられるのよっ」
 
 
母さんは 俺の子供が欲しいんだね。俺の子供を産みたいんだね?
 
「欲しいっ 欲しいわ! 母さん大輔の赤ちゃん欲しいの! お願いっ お願いしますから、母さんに大輔の赤ちゃん頂戴! 母さんを孕ませて!」
 
 
勿論だよ母さん。母さんには好きなだけ孕ませてあげるよ。
何度でも何人でも種付けしてあげるからね。俺と由香を産んでくれたお礼だよ。
母さんには誰よりも、由香よりも先に俺の子を産ませてあげるからね。
 
「母さんに、大輔の最初の子供を産ませてくれるのね?!」
 
 
ああ、そうとも。俺の最初の子供を産むのは母さんだよ。
 
「嬉しい! 大輔の最初の赤ちゃんを孕めるなんて、母さんとっても幸せよ!」
 
 
そして母さんは 俺の第一子で、母さんにとっては初孫を母さん自身の子宮で育てて産むことの悦びに、随喜の涙を流しつつ逝ってしまった。
 
 
 
10
 
 
俺は 快感と喜びの余り腰が抜けてしまった母さんを抱えて、リビングのソファに降ろして座らせた。
 
「実の息子に初孫を産ませて貰えるなんて‥母さん幸せよ。こんなに幸せで良いのかと思うくらい幸せ‥ 男の子を産んで、本当に良かったわ」 
 
喜んで貰えて、俺も嬉しいよ。
 
 
『幸せ回路』、通常出力へ戻れ。
 
 
息子に孕ませて貰えるなんて、母親冥利に尽きるわ ‥と涙ぐむ母さんの濡れきった秘所を俺は指でかき回し、抜き差しして具合を確かめてみる。
やはり由香とは違うなー、柔らかいくせにきゅうきゅうと締め付けてくれる。
肉壁が複雑で気持ち良さそうだ。膣は内臓だから、ここは十代後半なんだよな。
 
処女膜は、流石に無いか。
いや、僅かに痕跡が残っている。
確か出産すると、処女膜の痕跡は完全に消える筈だから‥今の母さんの身体は、本当に別人なんだな。
 
この身体は、16歳で俺を産まなかった体なんだ。
16歳で俺を産まずに、そのまま18歳か19歳ぐらいまで成長した肉体なんだ。
 
そうか。この身体の母さんに初めての子を産ませるのは、俺なのか。
実の母親に、初産で、子であると同時に孫でもある赤ん坊を産ませることが出来るとは‥ 魔界アイテムって凄いよなあ。
 
まあ、魔界アイテムの力にも限界はある。
魔界アイテムは母さんを若返らせて、まだ子供を産んだことのない身体にしてくれたが、だからこそ俺を育んでくれた場所で俺の子を育てて貰うことはできなくなった。
俺と由香を生み出してくれた体は、もうこの世には無いからのう。
 
まあ、文句は言うまい。
母さんの処女を奪えない事や、俺を産んでくれた子宮に種付けできない事はちと残念ではあるが‥ こんな良い女を独占出来るんだ。
文句を言ったら罰が当たるわい。
 
 
 
 
子猫とゆうかぴちぴち跳ねる小魚のような由香の体も良いが、母さんの体も良いなあ‥
成熟しきってるのに小柄で柔軟で、好きなように玩べてしまう。
 
ふふっ 母さんったら、膣肉をこんなにひくひくさせちゃって‥そんなに気持ち良いの?
 
「ぇえ‥ す、凄く良いの  息子に逝かせて貰うのが‥ こんなに良いなんて」
 
 
気持ち良いのはね、母さんが身も心も俺のものだからなんだよ。
母さんは、もう俺のものだからね。今日から母さんは俺の母親であると同時に、俺の女になるんだよ。
 
「わ、分かってるわ‥  か、母さんは、美香は今日から大輔の女なの」
 
良く言えました。ご褒美にまた逝かせてあげるからね。
 
 
 
 
ええい面倒くさい。スカートもショーツも脱がせてしまえ。
ストッキングも取っちゃうよ。
 
おお、これが母さんのオールヌードか。
とっても綺麗だよ。
プレ○ボーイのグラビアだろうが、ル○アールの裸婦画だろうが、目じゃないよ。
 
「もう‥ そんなに誉めても何も出ないわよ」
 
息子の賛辞に、ソファに座る母さんは照れてもじもじしている。
 
母さんは出さなくて良いよ。代わりに俺がたっぷりと、母さんの胎内に出してあげるからさ。
‥と オヤジ臭いことを言いながらのし掛かってくる実の息子を、母さんはうっとりとしながら受け止めて
 
「支配者よ。母親から離れろ」
 
ん? なんだよサタえもん。今良いところなんだが。
 
「いいから離れろ!」
 
痛ぇなオイ! 何のつもりだ、このへぼ‥
 
 
サタえもんの馬鹿力で、無理矢理母さんから引き剥がされた俺の耳に届いた音は、背後で軋む蝶番の音。
振り向いた俺が見たものは 僅かに開いたリビングの扉の隙間から覗く、我が愛しの妹の姿でした。
 
 
 
 
妹は俺達を見詰めたまま、言葉も出ずに呆然と立ち尽くしている。
そりゃまあ、驚くだろうよ。
 
若返った母親‥いや、母さんに良く似た若い女だと思っているのかもしれん‥が、全裸でソファに寝そべり、明らかに発情状態。
その横にいる俺の股間は もの凄く元気だ。しかも頬にはキスマークの2〜3個も付いているだろう。
更に リビングのカーペット床には、母さんの服が脱ぎ散らかされております。
 
 
 
そうか。頼んでおいた掃除も洗濯も終わったんだね、由香。
俺と母さんの『話し合い』が何時までたっても終わらないから、途中経過報告も何も無いから‥ 
心配になって様子を見に来たんだね、妹よ。
 
 
ああ、妹の顔が青白くなっていく‥ 由香は怒ると筋肉に血液が行く体質なのだ。その後の運動、つまりは俺へのお仕置きの準備の為にな。
 
 
 
 
どうして、どうして俺はこんなに頭が悪いのかのう‥
リビングの扉に鍵も掛けずに、母さんの乳やら何やらを繰って玩んでいたんだもんなぁ。
 
これは迂闊とかそうゆう問題ではない。同じ間違いを繰り返している訳じゃからな。
学習機能とゆうものが無いのか? 俺の脳味噌は。
一度本当に、脳の検査を受けた方が良いのかもしれん。
 
 
さて。
 
何はともあれ、この場を凌がねば。
俺は由香の為ならば、どんなことでも出来る。どんな難事でも成し遂げてみせよう。
しかしハリセンボンの丸呑みは、なるべくなら避けたい。
 
生魚は苦手なんだ。
特に刺がいっぱい生えていて、まだ生きていてるヤツはな。
 
 

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