警告!
 
              この物語には読者を不快にさせる要素が含まれています!
 
 
 
 
     現実と虚構の区別がつかない方
     パロディを許容できない方
     オリキャラの存在及び活躍に耐えられない方
     LAS展開を受け入れられない方
     猫と猫耳が嫌いな方
     真面目な物語が読みたい方 
 
     以上に当てはまる方は、これ以下の文を読まずに直ちに撤退して下さい
 
 
     この物語は きのとはじめ氏 T.C様 【ラグナロック】様 
     戦艦大和様 JD‐NOVA様 のご支援ご協力を受けて完成致しました
 
 

 
 
 
 
 
 
 僕には 将来なりたいものなんて 何もない
 
 夢とか希望とかのことも 考えたことがない
 
 14歳の今までなるようになってきたし これからもそうだろう
 
 だから何かの 事故やなにかで死んでしまっても
 
 別に かまわないと思ってた
 
 そう思っていた
 
 
 その夜までは
 
 
 (『碇シンジの回想録』より)
 
 
 
 
 
 
 
                     新世紀エヴァンゲリオン
               返品不可!!〜猫印郵便小包〜
 
                  第零話 『未来の国からこんばんは』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 人類を滅亡の淵まで追い込んだ セカンド・インパクト。
 
 しかし、さすがに15年も経てばかなりの所まで順応してしまうのが人間とゆう生き物だ。
 松本市郊外に居を構える六分儀家の庭は その一例と言えるだろう。
 
 
 鬱蒼と生い茂る、高い密度で植えられた木々。
 常夏の国になってしまったこの国では、気候の変動により少なくない種類の植物が絶滅もしくはそれに近い状態に置かれている。
 有史以来、絶える事無く緑に覆われていた日本の山々も、あちらこちらに枯死した木々や森林が点在する、まだらのはげ山と化していた。
 
 そんな中で、この六分儀家の庭は一本の枯れ木もない。
 田舎だから‥ と言ってしまえばそこまでだが、六分儀家の庭は相当に広い。その広い庭に、多種多様の木々が植えられている。
 かといって 手間隙かけて丹念に手入れした庭 でもない。
 この家の住人にとっては 庭木は日差しをやわらげ、風雨をくいとめる為のもの。果実の一つも得られれば、 更に良い。
 観賞用ではなく、実用品なのである。 
 
 雅でない  と言うなかれ
 
 人間と植物との係わり合いは、そういった関係の方が自然だ。
 共生関係。
 利用し、利用される関係。生き物としては、そのほうがよりリアルである。
 日本人の先祖‥縄文人の住居が栗林に囲まれていたのは偶然などではない。食料・木材の確保の為に、根気良く植林した結果なのだ。
 ある意味、六分儀家の人々は緑を、樹木を愛している と言えるだろう。
 
 
 だが、人を愛しているとは言えまい。
 
 少なくとも、六分儀家の庭の片隅に建てられた『勉強部屋』で寝起きしている14歳の少年、碇シンジを愛してはいないだろう。
 
 
               ・・・・・
 
 
 
 
 生き甲斐なけれど 死にたくもなし
 
 そんな人生無風状態を過ごす中学二年生、碇シンジは 帰宅してすぐに布団を取りこんでいた。
 常夏の国‥つまり緯度の低い地域では 日没後は即座に夜となる。逆に緯度の高い地域では 日が沈んでからも空が明るい。
 いわゆる白夜は緯度の高低による環境の変化、その極端な実例である。
 
 つまり、日が暮れる前にとっとと取りこまないと、せっかく干した布団が夜気により湿ってしまうのだ。
 
 朝、出る前に干しておいた布団は良く乾いていた。
 シンジは日向の匂いのする布団を、部屋の隅に畳まずに置く。
 これでもか! とばかりに太陽の光を浴びた布団には、大量の熱が蓄積されている。
 熱を逃がす為には、隅々まで空気が循環するように隙間を作って置いておかねばならない。なまじきれいに畳んでしまうと、熱が逃げずに篭ってしまい大変なことになるのだ。
 
 田舎ゆえの無用心さ、で窓を開けっぱなしだったので『勉強部屋』の中は比較的涼しい。
 夜風が吹き始めるころになると、昼間との落差もあってときに肌寒さすら感じることもある。
 まあ、そうでもなければ今時クーラーも無いこの離れでは眠れないだろう。
 
 
 もう、何年になるのだろうか‥ シンジがこの離れで生活するようになってから。
 四畳半にも満たぬ狭い板の間と、備え付けのユニットバス。それと流しとガスコンロ ‥‥換気扇がついているだけマシとゆうものだ。
 そこいらの安下宿そのもの‥ いや、もっとタチが悪いだろう。余程の因業大家といえど、この程度の住居ではたいした家賃を要求できまい。
 
 
 シンジはシャワー‥とゆうには水量の少ない、これは行水と言うべきだろう‥を済ませると夕食を作りはじめた。
 と言っても所詮は一人暮らしの中学生、作っている料理は 一汁一菜も面倒だ と言わんばかりに雑炊である。具もあり合わせのものだ。
 
 
 
 夜風に乗って、かすかに母屋のざわめきが聞こえてくる。
 
 その昔は シンジも無駄な努力を重ねていたものだ。
 シンジを預かっている、六分儀家の‥父方の叔父一家の団欒に加わりたくて、精一杯良い子に振舞った。
 家の手伝いもした。『お勉強』にも励んだ。叔父叔母の言いつけを良く聞いて‥‥
 そして ある日 気付いた。
 自分は、人間として扱われていないことに。
 
 
 自分と他人との 区別をつけること
 見たいものと見えるものとを 区別すること
 願望と現実とを 区別すること
 区別すること 即ちそれが自我と知性の働きである。
 
 
 そして、遂にシンジは気付いた。
 自分は精精 『犬嫌いの家庭に親戚から押し付けられた飼い犬』 程度の存在であることを。
 月々送金される養育費欲しさに飼われているだけなのだと、気付いたのだ。
 いや 正確には気付かされたのだが。
 
 
 
 餓えないように 餌は与える
 だが、散歩には連れていかない
 
 病気になれば 医者に診せる
 だが、自分は看病しない
 
 さほど高価でない玩具を 買い与える
 だが、遊んではやらない
 
 どんなに巧みに芸をしてみせても
 誉めることはない
 
 人間と一緒にいたくて 家屋へ入ってきたら
 つまみ出す
 
 吠えるようなら
 殴りつける
 
 
 
 『勉強部屋』とゆう理屈で、この離れを
 言わば犬小屋を与えられたその日に、シンジは現実を認めた。
 
 そしてその日から、シンジは叔父を『先生』と呼ぶようになった。
 
 
 
               ・・・・・
 
 
 時刻は夜の10時。シンジは丁度宿題を済ませたところである。別に真面目属性なのではない。単なる習慣なのだ。
 シンジは基本的に怠惰な、無気力と逝っても良い少年である。怠惰な中学生にとり追試や居残りなど御免こうむる代物だ。
 ゆえに 学業を疎かにするわけにはいかず、そして学力を維持するには毎日の予習復習が一番楽なのだった。
 
 
 
 う〜ん とシンジは椅子の背もたれに寄りかかって背中をそらし、とんとん と自分の肩を叩く。
 この部屋の家具らしい家具と言えば 勉強机ぐらいなものだ。
 木製の、何十年も使い込まれた古い机である。近所の家が引越しする際に粗大ゴミとして出されたものを、シンジが拾ってきて使っているのだ。
 
 
 
 
 
 それは、唐突な出来事だった。
 勉強机の引き出し、天板の下の一番大きな引出しが、シンジが手も触れていないのに勝手に開いたのだ。
 
 がらり  どん  「うわっっ」   どったんゴンッ
 
 勢い良く飛び出した引出しに鳩尾を突かれて、小屋の主は転倒してた。なにしろ狭い部屋だ。シンジは受け身も取れずに壁に頭をぶつけてしまう。
 
 
 
 「‥痛ったぁ〜」
 
 などと言えるのも 痛みが収まってからのこと。
 シンジは倒れたまま、ぶつけた後頭部を撫でた。タンコブができてしまったが、脳には問題無いようだ。
 
 しかし、一体なにが有ったのだろう
 古くなった家具 ‥箪笥などの引き出しが、年月による家具の歪みなどで動かなくなること‥或いは(かなり珍しい事ではあるが)逆に何かをきっかけに、歪みによって蓄えられた力が開放されて、勝手に動くこと‥ 引き出しが飛び出す事なども有る。
 しかし、小柄とはいえ 人一人を突き飛ばす程の力は無いはずだ。
 
 
 回答は 即座に得られた。
 
 
 ぴょこ
 
 とゆう 妙な効果音と共に 開いたままの引き出しから女の子が顔を出したのだ。シンジとほぼ同じ年頃の女の子が。
 
 引き出しから顔を覗かせて、きょろきょろと辺りを見回す その少女を見て
 (‥‥まるでサーカスのマジックショーだ)
 とシンジは内心で呟く。
 
 それもその筈、女の子の首から下が有るはずの空間は空っぽなのだ。空気しかない筈なのだ。 
 こんなことが有り得るとしたら、特殊効果‥何かのトリックしか考えられない。
 
 (‥‥猫耳だし)
 
 そう、頭を打ったためか未だに呆然とするシンジの目の前に 引出しからするりとした動作で出てきた‥ 全身を表した少女は
 
 
   猫耳だった
 
 
 
 
 
              しかも
 
 
 
  猫スーツだった
 
 
 
 
 
 
 
 ‥尻尾も付いていた
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 シンジの思考は 停止していた。
 
 
 頭に猫耳。
 その身に纏うは茶虎模様の毛皮。身体にぴったりと張りつく ハイネックのワンピース水着状の毛皮。
 青塗りの首輪が巻かれた首に輝く 銀の鈴。
 手足を被う 肘膝まで届く毛皮の長手袋と長靴下。 無論これも茶虎模様だ。
 手袋と靴下の縁は 白いホワホワの毛皮(ファー)で縁取られている。
 
 それは マニア向け風俗のお店のお姉さん のごとき格好だった。‥年齢を除けばの話だが。
 
 
 
 とん  と軽い音とともに、猫少女は床に降りた。
 
 長めの猫尻尾が 一閃。 
 開いたままの引出しを、尻尾で叩いて閉める。
 
 
 猫耳娘は屈みこみ、膝をつき、四つん這いになってシンジに顔を寄せる。少女の甘い香りが、シンジの鼻腔をくすぐる。
 
 (えっ? えっ? えっ?  なに? なに? なに?)
 
 シンジの胸は心臓は鼓動は、もうドキドキ状態だ。
 なにしろ 目の前の猫耳娘は絶世の‥とまでは言わないが、なかなかの別嬪さんである。おまけに身につけている衣装は、身体のラインがくっきりとでている代物だ。
 
 訳の解からぬ状況だが、ケモノ属性は無いシンジだが 
 14歳の少年としては、思わず胸が高鳴ってしまうのだった。
 
 
 
 猫娘は目を閉じ くんくん と猫そのものな動作でシンジの匂いを嗅ぐ。
 
 「あ、あの‥‥」
 
 おずおずと  問い掛けるシンジの頬を
 ちろり  「‥!」 と猫娘は舐めた。シンジは思わず硬直してしまう。
 
 
 猫娘は シンジの目の前に正座した。
 そして
 
 「初めましてシンジ君。ボクの名は赤木トラミ。
 シンジ君の未来を守るために24世紀から来た、猫耳ロボットなんだ。
 トラミちゃん って呼んでね♪」
 
 と 言った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 夜明けを告げるアポロンの黄金の馬車。
 
 明るくなった戸外に ちゅんちゅん と小鳥が囀り
 草葉に降りた朝露が 陽光を浴びて水晶の欠片のように輝く
 そんな 爽やかな朝
 
 
 シンジの意識は まどろみのなかから ゆっくりと浮上する。
 
 (‥‥へんな夢だったなあ‥)
 
 
 随分と手前勝手な夢だった。
 なにしろ机の引き出しから、女の子が出てくるのだから。荒唐無稽‥としか言いようがない。
 
 
 (さて 起きるか)
 
 
 
 むに
 
 
 起きようとしたシンジの右手に 柔らかい感触
 
 (‥? 毛布なんて出してたっけ‥)
 
 シンジは目を開いて 見た。
 寝ている彼の右側に夏掛けが盛り上がって膨らみが出来ている。ちょうど人一人分ぐらいの膨らみ具合だ。
 
 
 迷うこと約30秒。
 シンジは 恐る恐る 布団を捲った。
 
 
 
 
 そこには
 
 すぴーー すぴーー
 
 と 丸まって 安らかな寝息を立てつつ、眠りを楽しむ猫耳娘がいた。
 
 
 
 
 
 
 
続く
 

 
  故、藤子・F・不二雄先生 御免なさい
 

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